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その106 あの日の約束 3番目

やっと日曜日になりました。

次回辺りからデートかな。

時間はそのまま経過して、日曜日となった。

健太は、いつもより少し早めに起きると、準備に入った。

途中で美咲が起き、


「どうしたの?これからお出かけ?」


と聞かれたので、


「うん。ちょっと今日は用事があるから。鍵は持ってくから大丈夫だよ」


と告げておいた。


「……うん」


少し間が空いて、美咲は返事をする。

それと確かめると、健太は朝食を作り、テーブルに並べる。


「「いただきます」」


朝食は二人で食べるのが日課となっている。

こういう風景は、もはや日常となっていた。

それは、朝が早くても遅くても、何故か守られているルールだった。


「お兄ちゃんがいないんじゃつまんないから、私も杏子ちゃんとどこかに行こうかな……」

「うん。いいよ」


健太は、そんな美咲にそう返事を返した。


「でも、お兄ちゃんはどこへ行くの?」

「え?あー……」


どこに行くかは決めていなかったので、健太は答えることが出来なかった。


「……?」


訝しげに健太を見る美咲。

やがて健太は、


「ちょっと、駅前に行こうって話になってね」

「ふーん……」


微妙な返事を返す美咲。

健太は笑顔でそう答えたが、その笑顔は若干引き攣っていた。


「それじゃあ杏子ちゃんに電話しとこうかな」

「一応した方がいいと思うよ。杏子ちゃんの方に予定があるといけないから」

「そうする。ごちそうさま〜」


美咲は、食べた皿を洗面所に置き、洗い始めた。


「ふぅ〜ごちそうさま」


少し遅れて健太が食べ終わる。

健太も、美咲同様に皿を洗い始めた。

その頃には、美咲はもう皿を洗い終えていて、電話に手を伸ばしているところだった。

まさにその時だった。


(ピリリッ)



「ん?」


突如、その電話が鳴る。

美咲は、少し慌ててその電話に出た。


「もしもし?」

『あ、美咲ちゃん?』

「もしかして……杏子ちゃん?」


電話の相手は、今まさに電話をしようとしていた杏子だった。


「どうしたの?」

『うん。今日一緒に出かけようよっていう話なんだけど……』

「本当?もちろん行く!今私も電話しようと思ってたところだったんだ」


どうやら二人の考えていることは同じだったらしい。


『それじゃあ、いつもの場所に集合ね〜』

「わかった。それじゃあまた後でね」



(ガチャッ)



「どうだったの?」


健太は美咲に尋ねる。


「大丈夫だって」

「そっか。それじゃあ、楽しんで来てね」


健太は、美咲にそう言うと、カバンを持ち、玄関へと向かう。


「もう行くの?」

「うん。じゃあ僕は行って来るね」


と、健太は部屋を出ようと思ったのだが。


「待って。行く前に一回だけ抱きつかせて」

「何言ってるの、美咲……」


健太の返事を聞く前に、美咲は健太に抱きつく。

そんな状態が続くこと、約5分。


「それじゃあお兄ちゃん、行ってらっしゃい!」

「行ってきます」


笑顔で手を振る美咲に対して、健太は笑顔でそう返した。
















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