その102 転入生 2番目
今回、いよいよ新キャラの登場!
新キャラはなんと……。
「さていきなりだが今日は、このクラスに転入生が入ってくることになったから、紹介する」
「いよっ!待ってました!!」
吉行のテンションが高くなる。
それに釣られて、周りのテンションも、自然と高くなっていた。
「まあ情報はすでに伝わってるだろうけどな、転入生は女子だ」
「「「「「「ふぉ〜!!!!!!」」」」」」
わけの分からない奇声をあげる、吉行を筆頭とする男子達。
「どんな子が来るのかしら……じゅるり」
「そこ、危ないから」
何やら危ない発言をする女子に対して、そう突っ込む声が聞こえてくる。
「転入生は、雛森に次いで、かなり美少女だな、うん」
「……ほぼ決定だな」
大貴は小さく呟いた。
「転入生は、俺の女にしてやるぜ!!」
意味不明な決意表明をする男子が約一名。
「何でもいいけど、外川」
「外川先生だろ、中川。で?何だ?」
「転入生を教室には入れないの?このまま外で待たせるわけにもいかないんじゃない」
美奈にしては、正論を述べていた。
「あ、ああ。そうだな……よし、入って来ていいぞ」
外川は、外にいるらしき転入生に向かって、中に入るように諭す。
そして、次の瞬間。
(ガラガラ)
扉を開く音がして、その転入生は入って来た。
「お……おお」
「び、美人だ……」
「すばらしい……最高にHighってやつだ!!」
「それ、意味違ってるからな」
転入生が入って来たことにより、一層クラスメイト達のざわめきが大きくなる。
そんな中、外川は、転入生の名前を黒板に書いていた。
「転入生の特徴は……」
誰かがそう呟く。
ちなみに、この転入生の特徴としては、腰の辺りまで伸びた、長くて金色の髪、整った顔立ちをしていて、背は高く、スラッとしている。
体型は、出るところは出ていて、締まっているところは締まっている。
ファッションモデルと言われても納得しそうな体型だった。
「じゃあ紹介する。転入生の、佐伯夕夏だ」
「佐伯夕夏です。よろしくお願いします」
気の強そうな声だった。
「おお……これは、ツンデレ候補か?」
男達の妄想は、留まることを知らないらしい。
「佐伯って……もしかして」
かなえは呟く。
「どうしたの?かなえさん」
「……ちょっと気になることがあって」
かなえは、夕夏の名前を、何処かで聞いたことがあるようだ。
「あの。質問よろしいですか?」
かなえは手を挙げて、そう尋ねた。
「どうぞ」
夕夏はOKした。
なのでかなえは、
「佐伯さんって、もしかして……佐伯財閥の人だったりしますか?」
そう尋ねると、
「ええ、そうよ」
と、夕夏はどこか自慢気に言った。
「佐伯財閥、だと……!!」
その名前を聞いた時、ざわめきはさらに大きくなっていた。
「佐伯財閥って言うと、あの、今流行りの車の……?」
佐伯財閥とは、日本有数の車製造会社であり、外車風の日本車の製造を中心とする、今流行り
の……というか、大分前から流行っていた所なのである。
「けど、どうしてまたそんなご令嬢がこんな学校に?」
大貴は、夕夏にそう尋ねる。
すると。
「……単純に学校に行ってみたかっただけよ」
と答えた。