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その99 夏と言えば 5番目

『夏と言えば』編の終了です。

最後には、意外な結末が待っている……。

「うおおおおおおお!キスは貰った〜!!」

「させるか!!」


大貴と吉行の二人は、かなり張り切っていた。

すべては、夏美・杏子のキスを手に入れる為。


「……あんなに飛ばしてると、後で後悔するわね」


泳ぎながら、美奈はそういうことを考えていた。

今の所の順位は、吉行・大貴・健太・かなえ・美奈・美咲の順番である。


「はぁはぁはぁ……」

「は、早い……」


後ろにつくかなえと美咲の二人は、マイペースなのに対して、大貴と吉行の二人は全力。

どちらが体力を消耗するかは、一目瞭然であった。


「あ……大貴君と吉行君の順位が下がり始めた」


凄い勢いでスピードが下がっていく二人。

がむしゃらで、しかも凄い勢いで泳いでいた二人だ。

無理もないだろう。

ということで、25mまで来ての順位は、健太・かなえ・美咲・美奈・大貴・吉行となった。


「も、もう駄目……」


と、吉行は棄権。


「……一応、最後まで泳ぐか」


と、興醒めした大貴は冷静に泳ぐことに専念した。


「……なんだか、これでいいのかな」


泳いでいる内に、健太の中でそう言ったような考えが浮かんでくる。


「……ふっ。ラストスパートね」



(ザバッ)



「な、何!?」

「み、美奈さんのスピードが、速くなった!?」

「は、速い!?」


美奈の速度上昇に、一同は驚きを隠せない。

それだけ、今の美奈は速かった。


「流石は美奈さんだね……けど、僕も負けないよ!!」


健太もラストパートに入る。


「こっちも速い!」


吉行は言った。


「果たして、あなたで勝てるかしら?」

「やってみなければ、分からないよ!」

「あなたじゃ、私を越えられないわ」


どこかで聞いたことのあるようなセリフを言っている間に、健太と美奈の距離は縮まって来ていた。


「勝つのは……どっちだ!!」


吉行がそう叫んだのと同時に。



(パンッ)



壁に手をつく音が聞こえてきた。















「いやぁ〜楽しかったな」

「そうですね。たまにはこういうのもいいかもしれませんね」


吉行の言葉に、夏美がそう付け足す。


「けどびっくりだな」

「何が?」


健太は大貴に尋ねる。


「一位が中川だったことだよ」


あの勝負は、結局美奈が一位を取った。

それだけ、美奈には隠された力があったということだろう。


「まっ。何がともあれ、夏休みも後数日だ。有意義に過ごすとしようぜ」

「……ん?後数日だって?」


その部分に、吉行は反応する。


「……そういや、宿題やってない、な……」


夏休みに宿題は付き物。

そんな宿題を、吉行はやってないのだという。


「お兄ちゃん……」


その怠けっぷりに、杏子は頭を抱えた。


「とりあえず、頑張ってね、吉行君」

「ああ頑張るさ!だから相沢も一緒に……」

「それは駄目だ。お前の部屋に女を連れ込ませたら、妊……」

「またそのネタかよ!大体、そうじゃないって、杏子で証明出来てるだろうが!!」


大貴の言葉に、吉行は反論する。


「ねぇ、杏子ちゃん」

「何?美咲ちゃん」

「吉行さんに変なこととかされてない?」


美咲が杏子に尋ねる。

すると。


「そう言えば……毎日抱きつかれたり、体触られたり、キスされそうになったり……酷い時

には、そのままベッドに押し倒されて……」

「いやいやいやいや、そこまではしてねぇだろ!体触られたりの部分からすでにおかしいって!!」


必死に吉行は訂正する。

しかし、時すでに遅し。


「うわ……」

「お前、男の恥だな」

「……」

「……何も、言えない」

「杏子ちゃんに……何してるのよ!この変態!!」

「駄目男ね」

「……うわああああああああああああああああああ!!!!」



(ダッ)



そのまま、吉行は走り去ってしまった。















ともあれ、夏休みは終わり、いよいよ私立相馬学園は、二学期へと突入した。
















次回は登場人物紹介です。

というか、今回のお話で、99話目。

次のお話で今小説も、とうとう100話突破!!

乞うご期待!!

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