その92 遊園地で 6番目
新キャラ結構登場します。
「結局、入れ替わったのは一人ずつだったわけか……」
「何?私が入れ替わったことが、そんなに嫌?」
「いや、そうじゃねぇんだけどよ……」
あのグッパーで入れ替わったのは、夏美とミサの二人だけだった。
その結果に、満足いかない人が約二名。
一人は、
「あ〜あ。せっかくハーレム化計画立ててたのに。得するのは健太だけってことか」
もちろんこの人、吉行である。
そしてもう一人。
「……何故だ。何故、二ノ宮と別行動になったんだ……?」
二ノ宮が別の班に移動したことで、ショックを受けている大貴の二人だった。
「大貴」
「何だよ、中川」
突然自分の名前を呼ばれて、大貴は振り向く。
そこには、無表情の美奈が立っていた。
「……とりあえず、次の乗り物、行く?」
「……そうだな」
何だか微妙な空気を保ったまま、大貴達は移動を始めた。
一方で、健太達のグループは、更なるグダグダ感を演出していた。
先ほどまで仕切っていたミサがいなくなり、代わりに夏美が入って来た為だ。
「で?次はどこに行く?」
健太は、みんなにそう尋ねる。
すると。
「私、あれに乗ってみたい〜」
マコが、何かを指さす。
そこには。
「ゴーカート?」
何やらレーシングカーらしき物がたくさん走っている光景が目に入って来た。
ここは、未来エリアの、その名も『スペースレーシング』という、いわばゴーカートである。
「カート一つ一つがUFOっぽい感じの形になってるのは、仕様なのかな?」
「多分そうだと思うよ」
かなえの言葉に、健太がそう返した。
「ゴーカートですか……私、乗ってみたかったんですよね〜」
夏美が笑顔でそう言った。
「本当なら、吉行達も呼んで、全員でやるのも悪くないんだけど……」
「なら、僕達とやろうよ」
「……この声、もしかして」
「え、誰?」
健太にとって、聞き覚えのある声が、後ろから聞こえてくる。
ただし、美咲・かなえ・夏美・マコの四人は、その声の主を知らない。
健太は、恐る恐る後ろを振り向く。
そこには。
「やっ。久しぶりだね、健太」
「やっぱり……和樹!!」
そう。
一ヶ月前に球技大会で直接対決をした、あの和樹であった。
今回は、連れが何人かいるらしく、後ろからぞろぞろとついてくる。
「おい和樹。この人達は誰だよ?」
茶色でサラサラした髪の毛が特長の男子が、和樹にそう尋ねる。
「あ。紹介するよ。こっちは、僕の中学の時のクラスメイトだった、木村健太」
「よろしくね」
和樹に説明された健太は、そう挨拶をする。
「で、左から順番に、小日向和秀」
「よろしくな」
先程の、髪の毛が茶色の男子が、そう挨拶する。
「次に、髪の毛がピンク色で、ツインテールなのが、近衛美夢」
「よろしくね〜」
笑顔でそう言う。
見た感じ、彼女は天然タイプだ。
「金髪で、目が釣り目がちなのが、新井真緒」
「よろしく」
素っ気なく返事をする真緒。
「そして、黒くて肩までかかる髪をしている子が、須永真弓」
「よろしくお願いします」
(ペコリ)
深々と挨拶をする様子は、
「か、可愛い……」
「え?」
思わず健太がそう呟いてしまうほどだった。
「どういうことかな?健太君……私じゃ不満なの?」
「いや、そういう意味じゃなくて……」
マコの言葉に、健太は呆れながらそう答える。
そのあとで、和樹にかなえ達を紹介する。
「よしっ!自己紹介も終わったし、ゴーカートに乗ろうぜ!!」
和秀の言葉に、全員が賛成する。
そして、健太達は、ゴーカートを乗りにいった。