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その8 いろいろあるわけですよ 5番目

今回で『いろいろあるわけですよ』編は終了です。


(ガチャリ)



「ただいま〜」


誰もいない空間へとそんな挨拶をする。



(ドサッ)



とりあえず健太は、荷物を置く。


「そうだ。昼ごはんの買い物に行かないと」


何度も言うが、健太の家は1人暮らしなので、食事も自分で済ませなければならないのである。


「それじゃ、行ってくるか」



(ガチャッ)



ドアを開ける。

周りに誰もいないことを確認し、



(パタン)



と、扉を閉めた。















「さて、カップめんでも買おうかな」


手持ちは1000円。

しかし、カップめんは100円くらいで済む代物だ。


「節約はしないとね」


結局、カップめん1個に、1000mlの水を持ち、レジを抜けた。


「ありがとうございました〜」


店員がそう言うのを聞きながら、レジ袋を片手にスーパーを出た。

と、その時に、


「あ、健太君」

「か、かなえさん?」


偶然かなえと出会ったのである。


「こ、こんな所でなにしてるの?」


とりあえず健太は、落ち着きない手を落ち着かせてかなえにそう問う。


「昼のおかずを買いにちょっとそこのスーパーまで」


「……ああ、あのスーパー」


かなえが指差した先には、先ほどまで健太がいたスーパーがあった。


「健太君は?」

「へ?僕……。僕も昼の買い物に」


ちょっと慌てた様子で健太はそう答えた。


「……」


しばしの沈黙が続く。

そして、その沈黙を破ったのが、


「……あ、あの!」


かなえのこの一言だった。


「は、はい!?」


いきなりそう言われたから、健太は思わず気の抜けた返事をしてしまった。


「……さっきは助けてくれてありがとう」


「さっき?……ああ、あのこと?いやいや、たいしたことはしてないよ僕は」


先ほども述べたが、健太は大したことをしている。


「それで……もしよければでいいんだけど」


そして、かなえは言った。


「何かお礼をしても、いいかな?」

「お礼?別にいいけど……」

「そう!よかった〜」


かなえは、健太が承諾の言葉を言うと同時に、喜びの笑みを浮かべた。


「健太君の好きな場所ってどこ?」


「え?……美術館かな?」

「じゃあ、来月になっちゃうんだけど、ピカソの展覧会に行かない?」

「展覧会?うん、いいよ」


突然の申し込みに健太は多少驚いたが、とりあえず了承した。すると、


「じゃあ、来月の一番最初の日曜日に!」

「え?あ、ちょっと……行っちゃった」


かなえは、機嫌よさそうに、健太の家とは反対側の方へと走っていった。


「来月の日曜日、か」


健太は、一回そう呟いて自分の家へと帰っていった。
















次回は、ここまでの人物紹介といきましょう。

え?いちいち面倒臭い?

……そんなこと言わないでください。

後、人物紹介のみならず、ここまでの登場人物達による会話も収録します。

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