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女の子になっちゃったけど…  作者: 拙
二学期
42/44

秘密

 

 まぁ、準備とかで忙しくなるんだけど……それはともかく


 「環ちゃん?なんで僕なんかを推薦したのかな……?」

 「それは私なりの作戦だからだよ~」


 さくせん……?昼に話してた奏とのーってやつかな


 「劇の主役を2人ですることでどうしても離れられない状況に追い込む……みたいな?」

 「そうそんな感じだよ、どうかな?」

 「どうかな?と聞かれても実行した後だからね……?」


 そういうのは事前に説明するべきだよね?

 それに、僕と奏との問題はこの作戦じゃ解決できないと思う

 たしかに距離感という面では解決は出来ているとは思うけれど1番の問題は僕の過去によって起こる気まずさとか踏ん切りができないっていう僕自身の問題だから──


 「──僕だけで解決しなきゃないって思ってる?」

 「っ!?ぅえ?なんで……」


 なんで、考えていたことを当てられたのだろう


 「ルナちゃんは表情に出やすいからね、隠し事なんてしてもルナちゃんには得はないよ?」

 「あはは、僕ってそんなに分かりやすいんだね」


 気にしすぎなのかな……環ちゃんの言葉は今のことだけじゃなくて僕が秘密にしてることも言っているような……


 「もう、そんなに動揺しないでよ」


 環ちゃんは変わらず笑顔で話しかけて来る


 「ごめんね、僕自身ビックリしたからさ」


 けど、笑顔なのに怖い……

 まるで、獲物を見つけた獣のような雰囲気……


 「あぁ~、最初からずっとみんなになにか隠してること分かってるよって言われたらビックリするよね」

 「えっ……?」


 その言葉で僕の背筋が凍った


 「な、なんで……」

 「その台詞は図星だって言ってるようなものだよ?」

 「っ!」


 しまったと思った時にはもう全て遅いんだ

 だって──


 「秘密にしたいことなんて誰にでもあるし無理に聞くことでもないと思うよ、でもなんとなくだけどその秘密を秘密にしておくことがルナちゃんのためにならないと思うの、だから──」


 僕の肩を掴みながら環ちゃんは力強く語りかける


 「──ルナちゃんの秘密、隠さなきゃいけなかったことを教えてくれないかな?」


 ──僕にはもう逃げ道はないのだから

 

 「……環ちゃんはその秘密を知っても僕を受け入れ続けてくれる?」

 「うん、受け入れるよ」


 受け入れる、そう即答された


 「気持ち悪いって思わない?僕のこと嫌いにならない?」

 「ならないよ」


 言葉でいうのは簡単だ

 人を言葉だけで信頼することは難しい


 「それなら、僕の秘密を誰にも言わないなら教えるけど……どうする?」

 「うん、誰にも言わない約束するよ」


 約束、その言葉にはどんな価値があるんだろうか、ただの言葉にどんな重さがあるのだろうか


 「じゃあ、ここでは言いづらいし説明もしにくいから僕の家でいいよね」


 環ちゃんは僕の言葉に頷いた


 言ってなかったことで僕の心にすこし引っ掛かるものがあるって感じることはあったけど教えることで最悪の場合は周りから気味悪がられて白い目でみられる、いやそれ以上かな?中学のあれは今となってはいじめとは言えないほどだったけど、今度こそ本当にいたぶられる、そう思うと言わない方が安全で安心だ


 だけど、もうそうは言ってられないみたいだ……だから信じてみてもいいのかな……?


   ◆   ◆   ◆


 家につき、わかりやすい証拠がある部屋で話すつもりだったので部屋までついてきてもらい


 「じゃあ話そうか」


 僕は環ちゃんの前で部屋においてあるアルバムを取って個人個人の証明写真が載っているページを開き差し出しながら言った


 「これ中学校のときの卒業アルバム、僕のこと見つけられる?」

 「えっと……あっいた──」


 環ちゃんは僕の写真を見つけた瞬間凍りついた

 僕は余裕を持っている振りをして


 「もう言葉で言う必要はないと思うけど改めていうけど、僕は如月月です、いまではこんな姿ですが高校に入学するまでは男でした」


 環ちゃんはおそるおそるといった感じにゆっくりと僕の顔を見つめる


 「どう?これが僕の秘密だけど……嫌わないでいてくれる?」


 実際は震えないように抑えるので必死だった


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