意識すると
楓ちゃんが帰った日の昼頃
「ふぅ……やっと終わったよー」
僕は夏休みの宿題を終わらせた
いつもは、始まってすぐに終わらせちゃうんだけど……今年はあんまり時間がとれなくて……というか、すっかり頭から抜けてたんだよね……
まぁ、いろいろあったからしょうがないよね!
……こんなに充実した夏休みなんて小学生以来かも……
友達と遊んで、楓ちゃんが泊まりに来て
学生にとっては当たり前のことかもしれないけど、僕にはそれがとても嬉しく思うんだよね
さて、今はまだお昼……宿題も終わりやらなければならないことは…特にない……ということは
「お昼寝の時間っ!」
ということで、ベッドにこのまま寝ると服のシワがきになるのでリビングのソファーに座ってお昼寝をすることに
「さてと、行きまーーん?奏からだ」
立とうと思った時に携帯電話に着信があったので見てみると奏からだった
「ふわぁ……奏ー?どうしたの?」
お昼寝するき満々だったのであくびが出てしまったよ……
『……なんか、眠そうだな……もしかして寝てたか?』
「いや?これから寝ようとしてたところー」
『そうか……邪魔して悪い』
「全然だよー、でどうしたの?」
邪魔だと思うのなら早く用件を言ってほしいね
『明後日に、夏祭りあるだろ』
「あー、うんそんなのあったね」
『それ一緒に行かないか?』
「……え……」
『?なんか問題あるか?先に予定あったとか……』
「いやいや、全然そんなのないよ!」
夏祭りに奏が誘ってくるとは思わなかったので少し驚いてしまったよ
「ただ、ちょっと奏が誘ってくるとは思わなくて……」
『ああ……中学の時はなんか誘いづらくてな……ダメだったか?』
「ううん、誘ってくれて嬉しい」
『そ、そうか!じゃあ明後日は迎えにいくから待ってろよ』
「うん、わかったよ」
奏はそう言って通話を切った
「……ふぅ……ビックリしたー……まさか、誘ってくるとは……」
実際奏が誘ってくるとは思わなかった
中学の頃は僕が人目が苦手なのを気遣ってくれて誘わなかったんだと思う
えっと……人目が苦手になった理由はそこまで複雑じゃない
僕は以前にとある男子に告白をされたことがある、そのときに冗談として扱っていたらまだ気が楽だっただろう……けど、僕は告白されるのになれてなかった(というか告白になれてるってどんな人なのかな……?)ので、焦ってしまい普通に本気で返事をしてしまった……もちろん断ったけどね……それから、その男子が周りからそれについて弄られていて、笑われていて……そんな空気が苦手で、次第に僕自信が笑われているように感じるようになってしまった……はじめの頃はまだよかった、けどそんな中にいることで視線を向けられるだけでよくない風に思われているんじゃないかと思うようになっていった……それで、学校もあまり行かなくなったし、祭り系のイベント事も苦手になっていた
けれど、女の子となってからは大分よくなってきた
たぶんだけど、新しい自分になったような気がして気が楽になったんだとおもう
この姿になったときは驚いたし、不安もあった……けれど今はそうでもないのかな
そのお陰で楽しい学校生活を送れているのだから
それはともかく
「……お昼寝するきなくなっちゃったな……」
◆ ◆ ◆
「あっ、ママ明後日の夏祭り行ってもいいよね」
夕食後、僕はママに聞いてみた
だって夏祭りに行くのなんて久しぶりだし、たぶん夜に行くことになるから一応許可を取るためにね
「えっ!?あのルナちゃんが夏祭りに!?」
「……ねぇ、なんか芝居臭いんだけど……どうせ奏から聞いてたんでしょ……」
ママが妙に棒読みだったから僕はそう判断をした
「あ、あら?なんのことかしら……?」
「ママ、それわざとだよね、絶対わかって楽しんでやってるよねというか、あのってなに!?」
「えっ?ルナちゃん人混み嫌いだったでしょ?だからよ」
「うぐっ……確かに人混みは嫌いだけど……」
やっぱり、僕は相手を問い詰めたりするの苦手だ……
だって、話題をそらされるとそっちにいってしまうし……
「で、行ってもいいんだよね?ママ」
「ええ、奏くんと一緒なら大丈夫よ」
……ママはどうしてそんなに奏を信頼してるのだろうか……
まぁ、前からの付き合いっていうのもあるとは思うけど、こういうものなのかな……?
あっ、一応奏に電話したほうがいいかな……
そう思い、僕は家の固定電話で奏の携帯にかけた
「ん?どうしたルーー」
「あっ、もしもし奏?ママがいいって言ってくれたよー」
「ーーそ、そうか……よかったな」
「何時に行くのー?」
「んー……夕方くらいにそっちに迎えにいくわ」
「わかったー!」
ふふふ、実は結構楽しみなんだ~
屋台とかもどんなのがあるのかは分からないけど楽しそうで美味しいんだろうなって想像しちゃうしね!
夏祭りなんて昔っていうほど前じゃないけど、たぶん小学生か、中学一年生の時以来だしね!
はやく、明後日にならないかな♪
◆ ◆ ◆
さて、夏祭り当日になりました
えっ?昨日は何をしてたのかって?
それは……家でごろごろまったり過ごしてたんだよ!
有意義な休日って言うのを過ごしてたんだよ!
それで、今日は何を着ていこっかな~?
いつもはママが選ぶけどたまに自分でって言う日があるんだよね
まぁ、僕のセンスなんて無いに等しいからね……育てるという意味もあるんだろうね、きっと
それはともかく、なにを着ていこうか……今は夏だしたぶん暑いのかな?今はそれなりにだけど日が落ちるとどうなるかだよね……
やっぱり、半袖に膝下くらいまでのスカート、それの上になにか羽織っていけばいいかな
一応ズボンはあるんだけど……今のところ、僕が選ぶときはなるべくスカートにっていわれてるんだよねー……女の子の自覚を持たせたいからかな?
まぁ、なにを来ていくかは決まったからあとは選ぶだけ……ともいかないんだよねぇ……なんせ、服ママがたくさん買ってきたから……
それから少し時間はかかったがなんとか選び、着替え終わってリビングに行くと、椅子にすわって新聞を読んでいるパパと朝食の準備をしているママがいた
「パパ、ママ、おはよう。あーえっと……準備遅れてごめんなさい……」
「ルナちゃんおはよう、いいのよルナちゃんいつもよりおめかしがんばったものね~♪」
「そ、そんなことないよ!普通だよ、普通!」
いや、いつもはもっとてきとーになんとなく目についた質素なもので固めるからそんなに時間はかからないだよね……
それをわかっているのかママがにやにやしている
「あら、そうなの。ってきり誰かと会うからだと思ってたわ~」
「べ、べつに奏に会うからとかじゃないからぁ!」
「なるほど、今日は奏くんに会うから気合いを入れたのか」
今日はパパまでそんなことを言ってくるよ!
「だ、だからそうじゃないってぇ!」
たぶん、いまの僕は頬が火照っているだろう
うん、だってなんか暑いもんね、夏だからね仕方ないんだようん
それにしても、パパとママが相変わらずにやにやしている
「も、もう!はやくごはん食べるよ!」
◆ ◆ ◆
「ルナちゃん、言いづらいのだけどお着替えしましょうか」
もう、夕方も近くなってきた時にママがそういった
「えっ……なんか駄目だった……?」
「ううん、全然駄目じゃないわ、でももっとふさわしい服装があるのよ」
ママはそう言いながら僕を部屋につれていく
……ふさわしい服装……?夏祭りにってことだよね……
「はい、これ」
「えっと……これって……」
「浴衣よ」
ですよねー、予想してたのとあんまり変わらないや
しかし、抵抗がないわけではないんだけどね
「いまから着付けるわ」
「あっ、はい」
でも、ママにそう言われたら抵抗出来ないわけで……
僕は浴衣に着せ変えられた
鏡に写る僕は、水色の花柄の浴衣を着て、髪を上でまとめられている
我ながらかわいいなーとは思うけど、元男にはちょっと複雑なんだよね……ん?今思ったけど、自分をみて自分のことかわいいって思ってるのってナルシスト……?
……いや、余計なことは忘れよう……
ーーピンポーン
あっ、奏が来たみたいだ。出迎えなきゃ
「あっ、ルナちゃん、これ持っていきなさい」
「ん?なにこれ?」
ママが巾着を渡してきた
「おこづかいよ、夏祭り楽しんで来なさい」
「うん、ありがとっ!」
あっ、そうだ携帯入れておかなきゃ
僕は一度リビングに戻ってから、玄関へ行った
「……下駄まで用意してるし……」
僕は下駄をはいて
「いってきます」
「いってらっしゃい、奏くんとのデート楽しんで来るのよ~」
「で、ででで、デートっ!?そんなのじゃないからっ!!」
もう少し反発したいけど、奏を待たせてるから出来ない
扉を開けると、少し赤くなった奏がいた
「ごめん、待たせちゃったね」
「大丈夫、そんなにまってない」
奏は顔を少し反らしながらそう言った
「……?奏、顔赤いけど風邪?」
「そうじゃないけど……」
むむっ?じゃあなんで、赤くなってるんだろ?
「は、はやく行かないか?」
「うん、そうだね行こっか」
とりあえず、風邪じゃないならいいか
僕は奏の隣を歩く
「……ルナ、あのさ」
「ん?どうしたの?」
僕は奏の顔を覗き込むような感じ(こうしないと見辛いんだもん)で見る
「浴衣、その……似合ってるぞ」
「っ!?あ、ありがと……」
奏はまた顔を反らした
僕はと言うと
ーー似合ってるっていわれた……いま僕は女の子だからそうなのかな、でもさっきみたいな微妙な気持ちじゃなくて言われて嬉しいかも……うわぁ、なんか顔が熱い、なんでこんな風になるのっ!?でも、なんか不快じゃないというか……
感じたことのない気持ちであわあわしていた
久しぶりの投稿です!
次は近いうちに投下できればいいなぁ……