急なお誘い
午前中だけで今日の活動は終わった
僕は、奏を誘って一緒に帰ろうかなと思って奏の席の方を見ると奏は環ちゃんと話していた
宏樹くんは……環ちゃんの後ろで微妙な顔をしている
えっと……今日は一人で帰ろうかな……べつに、嫌な予感がしたとかじゃないからね
僕はカバンに一応持ってきていた道具を入れ終わり席を立って移動したら
「ガタッーー痛っ……」
机にぶつかって大きな音を出してしまった
残っていた大概の人は気にしなかったけど……
あの3人は絶対見てるだろうな……振り向かないとダメなんだろうな
「「「……」」」
「……」
振り向くとバッチリあの3人と目が合ったね……
きっと僕が来るのを待ってるんだろうな
間違ってたら恥ずかしいけど……
「か、奏、環ちゃん、宏樹くんなに話してるの……?」
「ルナちゃん!今週土曜日って暇!?」
「えっ!?ど、土曜日……?」
急に大きな声出すからビックリしちゃったよ
「そう!土曜日!」
「えっ……大丈夫だと思うけど……」
「よし!じゃあ決まりかな!」
「え、えっと……何が?」
やばい、話についていけない……
奏と宏樹くんはなんかもう、気力?っていうのが感じられないし
環ちゃんは逆にいつもより元気はつらつって感じで……よくわかんない
とりあえず奏にアイコンタクトをしてみる
……通じるわけないけどね……
まぁ、いまわからなくても後で環ちゃんが落ち着いた時に聞けばいいし、奏に聞いてみてもいい。最悪、土曜日にはわかることだしね
ってあれ?奏がこっちみてる……
奏が声にならないため息をついた
「なぁ環、ルナが話についていけてないぞ」
おぉ!通じたよアイコンタクト!もしかしたら、奏自身が聞いててわからなかったからかも知れないけど……
「あっ、ごめんねルナちゃん。ちゃんと説明するから」
環ちゃんの話をまとめると
環ちゃんのお母さんのお兄さんが海の家を営業しているらしいんだけど、その日だけバイトさんがこれなくなってひとりで運営しなきゃないんだって
それで、まぁそんなのは出来ないし、出来たとしても疲れると言うことで環ちゃんのお母さんとお父さんが手伝うことになった
そして、ここからが環ちゃんにとっての本題で、もともと環ちゃんのご両親が持っている車が大きいから環ちゃんを含めて4、5人位だったらつれてってもいいことになったんだって
だから、僕と奏と宏樹くんを誘って一緒に遊びにいこうと言うことだった
それを聞いた僕は
「それって1人増えてもいいかな?いま、親戚の子が遊びに来てるんだよ。その子も連れていきたいな」
「全然大丈夫だよ!その子はその日に紹介してくれるのかな?」
「あー、うんそうしようかな」
たぶんその前に会うことはないだろうからね……
「じゃあ、また土曜日にね!」
「うん、じゃあね」
そうして、環ちゃんと宏樹くんは帰って行った
いつの間にか教室には僕と奏しかいなくなった
「なぁ、ルナ大丈夫なのかさっきの」
「さっきのって海の話?」
「ああ」
海か……実際僕は太陽の強い日差しが苦手だ。前からもだったけど今はさらに苦手になっている
「うーん……あまり自分からはいかない場所だけど大丈夫だよきっと」
うん、日差しがきついなら日陰にいればいいんだよ
「いや、そうじゃなくて」
「……?」
「ルナって人混みとか苦手だろ?」
あー、人混みか……それは実際に行ってみないとわからないな……なんか、大丈夫なときとダメな時とがわかれてるんだよね
「あと、……水着とか」
水着かー……あれっ?み、水着?持ってないよ僕。男だった頃から
というか、今って僕女の子だよね……!?えっ、じゃあ僕女の子の着なきゃダメ……!?
もう、行くことを後悔してるよ……