得たものと消えたもの
僕は服を母さんに着せられたあとリビングに入ります
「おはよう、ル……ナ?」
父さんがいたので戻ろうと後ろを向いたら
「あら~♪どこにいくのかしら~♪」
母さんに捕まりました
「えっ!あっ!ちょっと~!」
そしてそのままリビングに入れられ
「お父さ~ん、この子ルナちゃんよ~♪」
「あ、あぁ……雰囲気でなんとなくわかっていたが……」
えっ!?雰囲気でわかるものなの!?
「ルナ……ま、まぁ……しゅ、趣味は人それぞれだからな……ルナはやりたいことをやればいいと思うぞ……?父さんはなにも言わないからな……」
「父さん!?勘違いしないで~!!」
父さんがすごく動揺している早く誤解を解かないと僕が女装趣味の変態さんにされちゃうよ…
「朝起きたら女の子になってたんだよ~!」
「……そうなのか?ルナの趣味じゃないのか?」
うぅ……僕が女の子になったことを信じてくれないよ……
というか、母さんもだけどよく僕だってわかるね……
「趣味じゃないよ~!ねぇ!母さん」
僕は母さんに同意を求めます
「お父さん、ルナのことを信じてあげたら?それに、私が確認したのよ?私のことも信頼してないのかしら……?」
「い、いや!母さんのことは信頼してるしルナのことも信じてる……いや、信じたいんだがな……突然のことで驚いてしまって……すまんなルナ」
「ううん、大丈夫だよ。こんな話、信じろってゆうほうが難しいよ……」
まぁ、でも父さんが信じてくれたよ……これが母さんの力なのかな?……いや、普通こんな話、しないよね……
「ところでルナ」
「ん?どうしたの?」
「服は大丈夫なのか?」
あっ、今は母さんの服を着てるんだった
「大丈夫なわけないじゃない。これから買いに行くのよ?」
よかった~母さんが買って来てくれるんだ
「さぁ、ルナちゃんいくわよ」
「えっ!僕も!?」
「当たり前じゃない。はやくいくわよ」
「や、やだ!」
すると母さんは僕を引っ張ってつれていきます
「か、母さん!?ちょっと!」
僕は必死にもがきます
「はいはい、あばれないでね~♪」
それでも母さんは何事もなかったかのように引っ張っていきます
「母さん、力、つよすぎ…」
「ルナちゃんが軽いだけよ~♪」
僕はそのまま車に乗せられました
◆ ◆ ◆
車に乗せられだいぶして僕と母さんは大型ショッピングモールについていました
僕は母さんに下着が売ってある店につれられ、店員の人にサイズを測ってもらってから、母さんの見立て(趣味)で下着を買いました。僕が選んでもよくわからないからね…
それからが大変でした
僕は普通に母さんの見立てで、買って貰おうとしましたが
「ルナちゃん、これ試着してみて」
「え?しなきゃダメ?」
「しないとダメよ」
と、言うわけで僕はいま母さんのきせかえ人形になっています……
これってお店の迷惑になってないかな?
心配していましたが母さんがどんどん買っていくので
「こちらはどうでしょうか」
店員さんもほくほく顔で、商品を紹介しています。できればたくさんかってほしいんですね……
「良さげね…ルナちゃんこれも」
母さんは服を差し出してきます
「母さん、どれだけ買うの?」
「じゃあそれで最後にしようかしら」
「買うんだったら試着しなくても……はい、します……」
母さんの無言の圧力をうけ、僕は試着しました
◆ ◆ ◆
そして今は帰る車のなかです
「母さん、結局服しか買わなかったけどいいの?」
「ん?なにか買いたかったの?」
「え?来週から高校だよね?」
僕は何気なく言った自分の言葉で気付きました
「そういえば僕男で受験したよね?」
でも、今は認めたくないけどどう見たって女の子なんだよね……
「えっ?僕今女の子なんだけど……まさか中卒!?」
「大丈夫よ。生徒手帳、女の子になってたから」
「あ、そうなの?……よかった~♪……?……!な、なんで!?というか、僕『よかった~♪』じゃないよ!!」
僕は今、安心と疑問と驚きが一気にきました
「まぁよかったじゃない。入学できて」
「それはそうだけど!!」
家に帰ったら確認することができました
◆ ◆ ◆
「ほ、ほんとだ……」
家に帰ってもう届いていた生徒手帳をみると
「女の子になってる……」
ど、どうして?もしかして高校が間違ったのかな?
「母さんちょっと」
「なぁに?お父さん」
あっ、父さんで母さんが話してる
「住民票の写しを確認したんだが…」
「やっぱり女の子でしたか?」
「ああ、ルナが女の子になっていた」
えっ?やっぱりってどういうこと?
住民票も女の子ってことは
「僕、もともと女の子だったことになってるの?」
「まぁ、面倒なことがなくなったってことでいいかな」
「軽いよ!!ねぇ、母さん!!」
「ええ、面倒なことがなくなったわ」
えっ!母さんまで!!
「そういえば、ルナちゃん」
「な、なんですか?」
僕は嫌な予感を感じつつも応えた
「これからは、母さんのことをママと呼びなさい」
「それいいですね、じゃあ、父さんのことはパパと呼びなさい」
ふぇ?母さんと父さんはなにを言っているのかな?
「な、なんで?」
とりあえず僕は理由を聞いてみた
「「そっちのほうがかわいいから!!」」
夫婦そろって答えてきました
「もぅ、仕方ないな…」
かあさ…ママとパパには迷惑をかけているからこれくらいはいいかな?
「じゃあルナちゃん、夕飯にしましょうか」
「うん!か…ママ…」
やっぱり恥ずかしいのでやめてもいいですか?