二人での朝
「……ふゎぁ~…そろそろ起きようかな…」
僕は目覚まし時計がなる少し前に起き、ベッドから降りようとすると
「あれ?…あっ、楓ちゃんがいたんだっけ…」
楓ちゃんが僕の腕を抱き枕にして寝ていた
「楓ちゃん、そろそろ起きよ?」
「ふにゅぅ……やぁ…」
さらに腕にくっついてくる
楓ちゃん完全に寝ぼけてるね…
「せめて腕をはなしてくれないかな?」
「やだぁ…はなれないでぇ…」
さらに密着度がたかくなる
あー…目が覚めるまで待ってよ…
『ジリジリ、ジリジリ』
あっ、目覚まし時計が今頃鳴ったよ…
楓ちゃんは起きる気配がない
「ん~、うるさいなぁ…」
僕は目覚まし時計を止めようとするけど、左腕だと届かないよ…
仕方ないので寝返りをうつ要領で止めようとする
「あと、もうちょっと……よし、ってうわぁっ!」
目覚まし時計を止めたのはいいけど無理な体勢だったのか、崩れてしまった
腕に力を入れにくい(もともとない)ので今は大丈夫だけどすぐに崩れそうだよ
だけど、楓ちゃんの上に乗るわけにもいかないよ…
「あっ…」
腕がもう限界を迎えて結局楓ちゃんの上に乗ることになってしまった
「うぅ…早くどこう……」
ずっと楓ちゃんの上にいるわけにもいかないので退こうとすると
「ふぇっ!?」
急に楓ちゃんが僕を抱きしめてきました
僕、抱き枕になっちゃってるよ…
突然のことだったので大きめの声が出てしまったけど起きてないかなぁ…
「楓ちゃん、朝だよ起きて」
声をかけても起きる気配はまだないよ…
しかも、さっきより力が強くなって声が出しにくくなった
仕方がないので背中を叩きます
叩き続けているとすこし反応がありました
…起きたかなぁ…?
でも、楓ちゃんは起き上がる素振りをみせません
仕方がないので起きるまでこのまま待っていることにします
目覚まし時計は鳴ったけど早めに設定してたからまだ時間に余裕はある。それに、遅かったらママが様子を見に来るだろうしね
今思ったんだけど…僕と楓ちゃんってあんまり身長変わらないと思ってたんだけど…僕って想像してるよりちいさいのかな…抱き枕にされるくらいだし…
あっ…楓ちゃんが動いたそろそろ起きるのかな
そう思って顔を見てみると楓ちゃんの目がぱっちり開いていて
「おはよう楓ちゃん」
「お、おはようございます…ルナさん」
とりあえずまずは挨拶をする
「楓ちゃん、そろそろ離してくれないかな?」
「あっ…すみません……ところで、どうして楓はルナさんを抱き締めていたのです?」
寝ぼけているときの記憶がないみたい
「…そういえばさぁ」
「ル、ルナさん?どうしましたか…?」
楓ちゃんは僕が質問に答えなかったからか不思議そうな顔をしている
「楓ちゃんってなんで敬語つかってるの?ママにっていうのはわかるけど、僕にはタメ口でいいんだよ」
「えっ……敬語のほうで慣れてしまったので…」
「本当に?」
寝ぼけてるとタメ口なのに…
それにタメ口のほうが楽なんだけどな…




