体育祭《3》
「んぁ~♪やっとのんびりできるよ」
僕はあらかじめ持ってきておいた少し大きめのパーカーを着て、学校の玄関にいる。
玄関ってあんまり人がこないんだよね
「んっ…やっぱりまぶしい…」
パーカーのフードを被る
なんか、このからだになってから日に弱くなった気がするよ…まぁ、前も弱かったけどね…
「ふゎ…これって昼御飯食べる必要あったのかな?」
あくびをして、疑問を口に出す
これからあるのは、騎馬戦と組対抗リレーと閉会式だけだ
「はぁ…応援面倒…」
なんでこんなのに入ったんだろ…まぁ、やるって決めたらやるけどさ…
「あっ、そろそろ時間だ」
僕は応援席へと移動し始めた
◆ ◆ ◆
「うわっ…すごい…」
今は騎馬戦をしているけど、すごく荒れていた。だって5組一気に勝敗を着けようとするからだよ…参加する人数も人数だからかグラウンドが狭く感じるよ。それだからか、全員が逃げるというより攻め続けるって感じだよ…
「唯先輩、これっていつもこんな感じなんですか?」
「いつも荒れに荒れまくってるよ?こんなんだから怪我人も少なからず出るんだよ」
怪我か…多分骨折とかするんだろうな…もうすぐ夏休みだから学校の方は大丈夫だと思うけど部活とかはどうなんだろ…三年生とかだと受験対策の講習あるよね…?本当に大丈夫かな…?
「まぁ、怪我をするかもしれないっていう緊張感や仲間と息があったときの高揚感がたまらないらしいですよ」
へぇー、そうなんだ…でもそれって…いや、なんでもない
「ルナさん、唯先輩そろそろ終わりそうなので応援復帰してください。A組もしかしたら勝てるかもですよ」
「え!?本当!?」
唯先輩は走って応援席の前にいく。元気だなぁ…そういえば唯先輩が休憩してるの見るのはじめてだったな…休憩しなくても大丈夫だったんじゃ
「ほらルナさんもいきますよ。騎馬戦が終わったらすぐにリレーですからね」
「はーい、頑張ります」
面倒だけどあと少しなら頑張ってもいいかな
◆ ◆ ◆
「第二位、A組!」
はぁ…二位か…リレーの応援頑張って声張ったのに…まぁ、応援頑張ったから結果が良くなる訳じゃないけどね…
まだ、一位の発表がないけど、D組から歓声が聞こえてくる…はぁ…うるさいな…
「第一位、D組!」
あーあ…またうるさくなるよ
結果発表が終わるとわりと早く閉会式が終わった
僕は応援席においておいたパーカーを着てなぜか閉会式でも着替えられなかったチア服から制服に(ジャージの方がいいかな?)着替えようと校舎内に入ろうとしたとき
「あー、ルナ大丈夫か?」
「ん?奏大丈夫ってなにが?」
奏が引き留めて来たけど、パーカー着てるからまだ平気
「いや、閉会式の時機嫌悪かっただろ?一位とりたかったのかなって…」
ああ、そういうことか…いつも通りにしてたつもりだったんだけど気づかれてたんだ…
「んーん、一位がとりたかったんじゃなくて…ただ、あの人たち、うるさいなって思っただけだよ。心配かけてごめんね?」
あっ、途中言い方が不機嫌そうになっちゃったよ…最後は笑顔にしたんだけど…わざとらしかったかな?僕って作り笑い下手くそだから
「それならいいけど…あれくらい多目に見てやったらどうだ?あいつら興奮してたんだからさ」
「うん、今は何とも思ってないよ。ついついやっちゃうことだってあるしね…えっと…そろそろ着替えに行ってもいいかな…?」
「ああ、引き留めて悪かった。またな」
「うん、またね」
僕は少し走って着替えに向かった
◆ ◆ ◆
「…ねぇ、なんでいるのさ…」
「先に帰ってるとはいってないだろ?」
まぁ、そうなんだけどさ…
僕が着替えてから外の人がいい感じにいなくなってきたところで出ると奏が校門のところで待っていた
「待ってるなら待ってるっていっておけばいいのに…」
「言ったら先いっててっていうだろ?」
…待たせるの悪いし
「それで先にいくと、ルナ追い付けないだろ」
ぅぐ!で、でもかかる時間は40分くらいになってきたんだよ!
このからだにもなれてきたのもあるけど、体力もついてきたらからだよ!
まぁ、反論出来ないんだけどね…
「じゃあ、一緒に帰るぞ」
「…仕方ないな……」
それからいつものように僕と奏は帰った