体育祭《1》
「なんでこんなことになったんだろ…」
今日は体育祭当日…朝に特別応援の最終確認をするんだって
だから僕は一人で歩いている…あれ?一人って何気に初めてじゃないかな?朝はいつも奏が一緒だったから…別に寂しいとか思ってないよ…
「…はぁ…なんでこんなことになったんだろ…」
井上さんが暇だって言ってたのにやることあるなんて…まぁ、仕事がないとはいってなかったけど…なんか、応援合戦が終わったあとに各組の特別応援団で応援するんだって…みんなの前で…しかも、衣装がアレだもんな…はぁ…やだな…
僕はため息をつきながら順調に歩みを進めていった
◆ ◆ ◆
「えっ…本当に着なきゃダメですか…?」
僕は着る服を前にためらっていた
「え~?ダ~メ♪大丈夫、絶対似合うから♪」
「というか、もう、私たちが着てるんですが」
うぅ…唯先輩と透先輩はもうこれ着てるよ…
「は、恥ずかしくないんですか?!」
「ルナさん、そういうのは捨てなければならない時があるのです」
透先輩、諭してこないで…
「それに、去年も私着たので」
それは…えと…御愁傷様です…?
「え~?かわいいのに、もったいないよ?」
唯先輩、かわいいとか今要らないよ…
「もう!早く着ないと着せちゃうよ~?ルナちゃん♪」
「え!?ま、待ってください!」
そ、それはやめて欲しいなってぇ!
「待ったな~い♪透!」
「はいです!」
「ちょっ!?」
僕は透先輩に押さえられ、唯先輩に着替えさせられた
◆ ◆ ◆
「なんでジャージじゃダメなんですか!?」
「えーと…それはですね…」
「それだとつまんないからだって♪前の先輩が言ってたよ?あははっ♪」
誰ですかつまんないって言ったの!
それになんで唯先輩楽しそうなの!?
「うぅ…恥ずかしい…」
僕たちが着てるのは緑色がメインのチア服…しかも、おへそっ、おへそが見えそうっ…
「私が作ったチア服、そんなに嫌ですか…」
え!?透先輩がつくったの!?
「えっ、嫌ではないですよ…?」
嫌ではないはず……恥ずかしいだけで…
「ルナちゃんかわいい~♪恥ずかしがってる~♪うぶ~♪」
なんか唯先輩のテンションがおかしいような気がする!
「お肌もきれいだな~♪」
「えっ、ひぅっ!」
唯先輩が僕のおなかを撫でてきたよ
「あっ♪反応もかわいっ♪じゃあこっちは…?」
唯先輩の手が今度は太ももの方に向かっていく
「唯先輩、もうすぐ出番ですよ」
あっ、透先輩が唯先輩を止めたよ
「あぅ…えー?もうちょっとだけ…」
「ダメです」
えっと?これは助かったの…?
「ルナさん大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫です…」
「ならよかったです…では、出番なのでいきましょうか」
そう言われて見てみると、ちょうど各組の応援合戦が終わる頃だった
◆ ◆ ◆
応援合戦が終わって僕は男子の徒競走の応援に向かっている
それにしても、応援合戦の初めはほぼ歓声でうまってたな…なんでだろ…それに、少し動きミスしちゃったな…謝ったら透先輩は「大丈夫ですよ」って言ってくれたけど唯先輩は「かわいかったから大丈夫!」って言って…あれは励ましてくれてたのかな?
僕が男子の待機場所に着くとなんか視線を感じるよ…
そうだよね、着替えてないというか着替えられないからね…
それじゃなかったらもう、ジャージになってるよ!
うぅ…視線が痛いよ……もう、言うこと言ってもどろ
「えと…頑張って下さい…」
「「「「はい!!頑張ります!!」」」」
うわっ!一斉に返されるとびっくりするじゃないか…
「あっ!ルナ!」
「…なに…奏」
もどろうとしたとき奏が声をかけてきた
なんだよ…早く戻って持ってきておいたパーカー着たいのに…
あっ、でも奏と会うの昨日ぶりかもなんか安心する…ってなんで奏の顔みると安心するのさっ!
「いや…ルナかわいいなって…」
「……バカ…」
僕は小さな声で言った。聞こえてないよね…
「ん?何て言ったんだ?」
「なんでもないよ。奏頑張ってね」
「ああ!」
「んと、じゃあそろそろ戻るから」
あっ…唯先輩に戻るときには手を振ってからって言われてた
なので僕は手を振っておくことにする
…恥ずかしくて、振りが小さくなっちゃったけどいいよね
総合評価100pt越えた~!やったぁ~♪
ブックマークしてくださった方、評価してくださった方ありがとうございます!
感想もよろしくお願いします!m(._.)m