憂鬱な朝
「…おはよう、奏…」
僕は家から出てそう言ってみた
「ああ、おはよう、ルナ」
「…奏、早くない?」
今の時間は7時、僕と奏の家までは奏が歩くと15分くらいかかる。つまり奏は6時45分に家をでていることになる
「いや…一緒に学校行こうかなって思ってな…」
「じゃあ、なんで隠れてたのさ…」
「………」
奏は黙ってしまった。まあ、いいか
「奏」
「ルナ、別にやましいことがあったわけじゃ…」
「早く行こ?」
「え?あっ…お、おう、行くか」
僕と奏は歩き始めた
◆ ◆ ◆
「あっ!ルナちゃんおはよう!」
「…おはよう……」
「環ちゃん、宏樹君おはよう…」
僕は環ちゃんと宏樹君に挨拶をすると奏が
「ルナ、今日朝から元気ないけど大丈夫か?」
僕そんなに元気なく見えてたのか
「あー、うん大丈夫だよ…けど…」
「…けど?……」
「今日さ、身体測定じゃん、ちょっと心配で…」
「え?ルナちゃんも体重気にしてるの?」
環ちゃんがきいてくる。
「いや、体重じゃなくて身長だよ」
「ちょっと!?奏!?」
奏が勝手に答える。まあ、合ってるんだけどね…
「大丈夫だよルナちゃん!」
「うぇ?環ちゃん?」
環ちゃんが僕に迫ってきて、手を掴んだ。というか顔近いよ…
「ルナちゃんはかわいくてちっちゃいの!」
うん、そのちっちゃいのを気にしてるんだけどね…
「かわいいは正義だよ!」
あー、なんか聞いたことあるねそれ…
「それにね、ルナちゃんは天使ちゃんとして人気があるんだから!」
えっ!?なにそれ!?パズル同好会の先輩が言ってたのってそのことだったんだ
「そういう人は『ロリコンだ』って言われてたんだけど…」
まあ、僕小さいからね…
「でも、《如月月ファンクラブ》の加盟者は『ロリコンではないルナコンだ!』っていってるらしいよ」
なにそれ…関わらないようにしよ…
「ちなみに私も入ってるよ」
もう、関わっちゃってた!
「今、全校生徒の30分の1くらいが加盟してるんだって」
えっと…この学校は一クラス30人くらいで各学年五クラスだから…結構多いね…
「それって具体的になにするの?」
「基本的にルナちゃんに迷惑をかけない程度の活動をするらしいよ」
よし、迷惑かけないなら大丈夫かな…最悪、迷惑だって言えばなんとかなりそう…
それより、もうこの話いやだから無理やり変えよ…
「そういえば、環ちゃんは体重気にしてるんだ」
「私はというよりルナちゃん以外の女子のほとんどが気にしてると思うけどな」
「やっぱり春休みだらだらしてた?」
「うっ…してたけど、ルナちゃんはどうなの?」
「あー、僕は……最後あたりいろいろ大変だったな…」
突然の性転換、あの時は焦ったな
「そ、そうなんだ…奏さんは?」
「俺は、ゲームしてだらだらしてたな」
「へー、奏はだらだらしてたんだー、宏樹君は?」
「…大抵寝てた…15時間は寝たかったから…」
15時間か…微妙にあり得そう
「あっ、先生来たよ」
環ちゃんがそう言うとみんな自分の席に戻っていく
はぁ…身体測定か…いやなのは身長だけじゃないけどね…