部活動勧誘会《3》
「よし、じゃあ他の部活を見ていくぞ!」
奏は元気だな…
「ねぇ、環ちゃんこれってどう見える…?」
今、僕と奏は手をつないでいる。まあ、こうなったのは僕のせいなんだけどね…
「制服じゃなかったら仲のいい兄妹に見えるけど…恋人に見えるよ」
「はぁ…奏、やっぱりはなさない?ここら辺人いないしさ」
「なに言ってるんだ?だめに決まってるだろ?」
やっぱりだめか…なにかいい口実は…あっ、なんかある
「ねぇ、あれ…」
「ん?机があるな…」
「…パズル同好会だって」
宏樹君が答えてくれた
「見てみますか?」
「うん、見てみよ?」
僕は環ちゃんに促されて扉を開くと
「ふぁ~」
気だるげそうな先輩がいました
「あれ?新入生?珍しい…」
「し、失礼します」
「同じく」
「同じくで~す♪」
「…ん……」
僕、奏、環ちゃん、宏樹君の順で入っていった
みんな失礼しますっていいなよ…宏樹君はもう、挨拶ですらないよ…
「あっ、噂の天使ちゃん?女神ちゃん?じゃん」
「え?何ですかそれ…」
「知らない方が、気軽だぞ」
奏がそう声をかけてくれる。
「というか、彼氏?」
「ち、ちがいます!!」
先輩が、変なことを言ってくる。もう、僕と奏は幼なじみってだけだもん
「へぇ~、そうなんだ~、残念だったね、君」
「へ?って奏!?」
なぜか、奏が落ち込んでいた
「うぇ、あっと、奏とは幼なじみだからね?大丈夫だよ?」
自分で言っててわかんなくなってきた…大丈夫だよってなにが?
「ああ、幼なじみだよな、幼なじみ…」
えっ!?なんで、さらに落ち込んでいくの!?
「え、えっと…あっ!先輩この同好会って、何人いるんですか?」
もう、めんどうなので、話を無理やり変えます。奏は放置
「ん?私だけだけど?」
「へぇー、先輩だけですか」
ん?ってことは一人?
「で、なにやってるんですか?」
環ちゃんが聞いている
「パズルを解いたり、解いたり、とにかく解いたりするだけだけど、楽しい人は楽しいよ?やってみる?」
解くことしかやってないよ…
すると先輩は正方形の物体を取り出した
「やり方は、わかるよね?」
「えっとあ、はい、面の色を合わせればいいんですよね」
先輩は環ちゃんだけじゃなくて僕たち全員に渡してきたので、やってみる
うぇ?難しい…奏は
「はぁ…」
ため息つきながらやってる…ってもう、できてるし…宏樹君は
「…お願いします…」
先輩に渡してバラバラにしてもらってる、環ちゃんは
「~♪」
棚にある、他のを見てる…あっ、机の上に完成したのある…僕だけじゃん…
みんな早すぎ…僕が遅いだけ?
◆ ◆ ◆
「奏いつまで落ち込んでるのさ…」
僕たちはパズル同好会をあとにして色んな部活をみていき、いい頃合いになったので解散して、家に帰っていた、環ちゃんと宏樹君は僕と奏とは逆方向らしい、なので今は奏と二人きりだ
「もう、奏!?」
僕は奏が無視するので手首をつかんで気を引こうとしたら
「えっ!?ちょっと!?」
手を握られた
「これで、また、ルナと手がつなげれる」
「えっ!?落ち込んでいた理由ってそれだったの!?」
奏…どれだけ僕と手つなぎたいのさ…
「ああ、ルナの手はやわらかいからな」
「そう…、か、奏」
「ん?なんだ?」
今日はたくさん迷惑かけたから
「今日はありがとう…」
僕は恥ずかしくなってうつむいてしまう、けど、ちゃんと言えた
「そんなの幼なじみだから当然だろ?」
やっぱり奏は変わらずに僕と接してくれる…いや…過ごし過保護になったかな…僕そんなに幼くないのに…でも、気にかけてくれてるって思うとわるい気はしないかな?
「うん!ありがとう」
僕は奏に、もう一度言った
きっと僕は笑っていただろう