回想〜召喚時〜
回想でーす。時間的にはプロローグの後です。
俺たちは、光に包まれた。
目を開けるとそこは、真っ白な何もない空間だった。
「精◯と時の部屋?」
「まあ、似た様なものですね」
「うわっ」
声の方に振り向くと、そこには10歳くらいの可愛い女の子がいた。真っ白の髪のショートヘアーで、薄いピンク色の羽衣をまとっており幼さはあるが、神々しい。
「すみません、驚かして、私はここで異世界グランシアの管理をしています。グローアと申します」
「なあ、他の奴らはどこにいるんだ。ほら、俺と一緒に召喚された奴ら」
「意外と驚かれられないのですね、それに召喚されたということも知っているのですね。大丈夫ですよ、彼らはすでにこちらの世界に召喚されてます。」
「えっ、じゃあ俺は召喚できなった的な?」
だとしたら悲しすぎるんだか、ラノベを読み始めてから、もしかしたらとか思っていたのに、
「いいえ、貴方には話さないといけない事と、頼みごとがありましたので特別にここに呼ばせてもらいました。」
よかった、でも、
「俺に話す事?それに頼みごとだって?」
「はい、ですがその前にある昔話を聞いてもらいます。」
「昔話ぃ?」
「はい、はるか昔、この世界は、二人の神によって作られました。時の神クロノス、空間の神カリスによって。
二人の世界は、人、動物たちが共存して暮らし、争いのない豊かな世界でした。
しかし、そこに別の世界の神、邪神グラマが現れました。グラマは、破壊の限りを尽くし、世界は、混沌へと誘われました。
二人は、力を合わせ、グラマに挑むも、グラマの力は強大でした。。
なす術がなくなったクロノスとカリス、そこでクロノスは、自らの命と引き換えにグラマを時空間の間に消し去る事で世界を救ったのです。
しかし、邪神の爪跡は大きく、邪神の負のオーラにより、動物は魔物に、人は魔族へと姿を変えてしまいました。そして、人と、魔族との戦乱の時代が始まりました。
これが2000年前に起きた神話大戦という出来事です。」
「ああ、すごい事があったって事はわかったが、これと俺になんの関係があるんだ?」
「簡潔に申しますと、貴方に消え去ってしまった時の神クロノスの生まれ変わりなのです。」
、、、はあ?
「いやいや、どう言う事だよ!俺が神?訳がわかんねえ」
「正確には今は神では無く神になる資格、神格を持っています。なにか、思い当たることは、ございませんか?」
そんなこと…あった!
「中学の時だ。トラックに女の子が引かれそうになってたんだ。女の子はなんとか突き飛ばしたが俺はもうダメだって思った。そしたら俺以外の時間が全部止まった様になったんだ。そのおかげで俺も助かったけど、その後意識を失って、俺10日も眠ってたらしい」
「そうですか。さすがですね。魔力の存在しない世界で能力を行使できるなんて。魔力切れで気を失うのは当たり前です。」
「なんか俺がすげーってことがわかったが、具体的にどれくらいなんだ?」
「そうですね、まずステータスを見てもらいましょう、『ステータス』と言いますと、出てきますよ」
「ステータス」
すると俺の前に水色で半透明のボードが現れた。
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・藤堂真 人族 17歳 レベル150
ノーマル
覚醒7属性魔法lv.10、生活魔法lv.10、身体強化lv.10、気配感知lv.10、体力回復速度lv.10、魔力回復速度lv.10、魔力感知lv.10、魔力操作lv.10、無詠唱lv.10、状態異常耐性lv.10、成長促進lv.10、鑑定lv.10、隠蔽lv.10、言語理解lv.10、
ユニーク
武術の心得lv.10、魔導の心得lv.10、空間魔法lv.10、時魔法lv.10、治癒魔法lv.10、
エクストラ
時の神(時間支配、思考加速)
称号
転移者、勇者、超越者、空間神の加護、
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、、、はあ?
「なんだこれ!?おかしすぎだろ!」
まずレベル150だし、それにスキルがむちゃくちゃ多いし、全部レベルが10かよ。エクストラ?とか言うの馬鹿げてる。
「貴方は元神ですよ、こんなの当たり前です。」
「そ、そうなのか」
やべーなあ、神って、絶対絡まない様にしよう
「さて、貴方について理解していただいたので本題に入りましょう。」
あー、俺のこと別にどうでもよかった感じ?それに本題って頼みごとのことだよな
「先ほどの話にあった通り、邪神は消えた〝はずでした″」
「はず?」
「はい、邪神は最後に自身の身体を分裂させ、いくつかをこの世界に残していったのです。」
うわー、ゴキブリの様なしぶとさだな
「貴方には、その邪神のかけらを全て破壊して欲しいのです。邪神のかけらによって新たな邪神が生まれるかもしれないのです。」
「具体的にどうすればいいんだ?」
その答えは意外なものだった。
「旅をしてください。」
「えっ、旅?」
「はい、邪神のかけら自体の力は非常に弱く、こちらでは感知できないのです。貴方の様な神格を持っているものが近づけばなにか感じ取るものがあるでしょう。あとは、神力を持った攻撃をすれば、破壊出来ます。」
「それならあんたがそのグランシア?にいって探せ場いいじゃないか」
「それは、できません。元々二人で支えていた世界です。一人でこの世界を管理、維持するので精一杯です。下界に長い間降りていたら世界のバランスが崩れてしまいます。 」
「そうだったのか、意外と大変なんだな」
「いえ、それよりも私の頼み、引き受けてくれますか?」
「ああ、もちろんだ。それに、折角異世界に行くんだ、勇者なんかに縛られるよりも自由に旅したいってもんだ」
ラノベ読んでても、勇者でハッピーエンドなんてそんなになかったからな
「ありがとうございます。黒野様、少しこちらに来てもらえますか?」
俺はグローアの前に来た。
「一体何を—
俺が言おうとしたら、グローアは俺の胸に手を当てて、
「少し痛いかもしれませんが我慢してください。」
そう言うと、突然頭を割れる様な痛みが襲った。
「う、ぐああああぁぁ、、一体、なにを?」
「この世界の地理や、一般常識などについての情報を渡しました。」
「ありが、とう。だけど、もう少し、優しくやって、ほしかった」
ああ、やっと痛みが引いて来た。
「こうするしかなかったので、しかし、どうしましょう?貴方が勇者になってしまうと自由に行動出来なくなってしまいますね。」
「それなら俺に案があるぜ」
「案とは?」
「10日間、その間俺のスキルをなしにしてくれ。いくら勇者でも無能なら用無しだ。きっと自由になれる」
「確かに出来ますが、その間貴方は無防備になりますよ?」
「まあ、大丈夫だろ、城にいれば安全だし、あいつらもいるのに変なことはして来ねーだろよ」
「そうですか、ではその様に致しましょう。」
「ああ、ありがとな」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
そして俺は再び光に包まれた。
「…はあ、いつまで隠れているつもりですか?」
グローアが言うと、後ろの何も無い空間から、一人の女性が現れた。淡いピンク色の長髪の絶世の美女だ。グローアと同じ様な羽衣をまとっている。
「…バレてた?」
「当たり前ですよ。そもそも、なぜ補佐官である私が彼の対応をしなければならないのですが。カリス様。」
「だって、嬉しくてまともに話せそうになかったから」
と、目にうっすらと涙を浮かべている。
「そうですよね。本当に、消滅してしまったと思っていましたから。彼らと一緒に召喚されこちらに来なければ発見することができなかったでしょうから、運が良かったのでしょう。」
「ううん、運が良かったなんかじゃないよ。運命だよ」
「ふふっそうですか、でもいいのですか?彼は、前世のことは覚えていませんよ?このままですと他の女性のところへ行ってしまうかもしれませんよ。」
「ク、クロノスくんの生まれ変わりならそんなことないもん、……ないよね?大丈夫だよね?グローア?」
「知りません。さあ、早く仕事に戻ってください。ほったらかしなのでしょう?」
「うう、グローアのいじわる。真くん待っててよー」
女神の願いが届いたかは神のみぞ知る。
(神様ですが)
さあ、カリスはハーレムに加わるでしょうか?
作者はpvが伸びていてにやにやが止まりません。