母ちゃん、もうキツイ 5
「ゆうくん、ご飯出来たからおりてきてねー」
「はーい、すぐ降ります」
このとき、僕はドア越しに何気ない返事をしているが、内心はゆうちゃんがうかつにもドアを開けなくて本当によかったと思っているところだった。
男はみんなそうなんだと思うんだけど、僕には昔からツライことがあると半裸になって普段はやらないことをやって精神を落ち着かせようとする癖があった。
この日はペガサス幻想を脳内再生しつつエアギターの練習をしていたところだったのだ。
これを見られれば第一級変質者の誹りを受けることは容易に想像できる光景である。
とりあえず部屋着のジャージを着て、1階の食堂らしきとこに向かう(いや食堂て
すでにホグワーツのあの長いやつみたいなテーブルにあいりちゃんが座っていた。
「あれ、あいりちゃんだけなのか」
「お母さんは他のみんなを呼びにいったよ」
「へー」
他のみんなってことはお兄ちゃんはいないにしても姉妹がいるってことだよね
なんか僕みたいな発情期真っ只中の男をそんな家庭に一緒に住まわすっていうのも相当大胆な決断をしたものだなとは思うな宮崎家
しかしお兄ちゃんか、僕は生まれてずっと一人っ子だったわけでまぁ強いて言うなら親父が兄弟の役割を負っていた感はあったけど、妹に対してどういう感じで接したらいいのだろう。例えば今みたいに2人きりでいるときに兄貴として提供できる良い話題みたいなものはないのだろうか
よし、全世代が盛り上がる鉄板のネタを見つけに行こうではないか
「子どもがどうやってできるか知ってるかい?」
「えー知ってるよ、確かコウノトリが」
「ぶっぶー違うんだ。違うんだよあいりちゃん」
「これから僕が言うことをよく聞くんだ、子どもっていうのはねお父さんとお母さんが一つの部屋で『あること』をするとできるんだ、おぎゃー!ってね」
「えぇー!お兄ちゃん、その『あること』ってなんなの?」
好奇心と探究心が強いのかあいりちゃんの目はキラキラと輝いている。
そこまで言うなら教えてあげようかな
「仕方がないな、しっかり聞くんだよ。その『あること』とは」
「人の妹に」
「ん?」
「人の妹に気持ち悪いこと教えてんじゃねえ!!!!」
「ぷぎゃああああああああああああああああ」
後頭部に激しい痛みを感じたので即座に振り向いたのだけど、後ろ回し蹴り⇒正中線4連突き⇒金的のフルコースを受けてあたいは死んだ...スイーツ(笑)
「ぐ、ぐええええ」
痛い...痛すぎる...こんなに痛いのは小2の頃、体育のサッカーで股間にスライディングを受けて以来だ。
ドカ!バキ!グシャ!
いや、もう倒れてるんだから死体蹴りはやめていただきたい
ベルセルクのガッツかおのれは
身体がギシギシと痛んできて立ち上がれないながらも顔を少しだけ上げてみるとそこには
ギ、ギャルだ...金髪派手ネイルのギャル
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