母ちゃん、もうキツイ 2
「はい、お待たせしました」
まぁ、少しだけ焦ったけど冷静に思考を巡らせれば今どきの女子高生なんてエロに耐性どころか少女漫画の影響で男よりそういうのには寛容って聞くしこの程度の下着がわんさか写ってる薄い本なんて鼻で軽く笑ってバーコードにピッとしてくれるはずさ
と、そんな風に考えていた時期が僕にもありました(板垣風
「こ、こここの商品でしょうか(凝視」
店員さんをちらっと見てみるとプルプル震えていて顔は爆発しそうなくらい真っ赤だった。
もしかしたら、生まれが大正初期の方なのかもしれない。耐性なさすぎだろ
「はい...分かりました。お預かりいたします」
口ではそう言ったものの嫌々な態度は明らかでデスノートのLみたいに両手の親指と人差し指で本の端をつまんで腫物を扱うかのように梱包していく姿はさすがに申し訳なくなったが、あんまりである。
しかし、この店員さんよく見なくても可愛い
少し長く艶のある栗色の髪は女の子特有の甘い香りを漂わせ、頬は赤く林檎みたいで柔らかそうだし伏せた眼は凛とした蒼色がとても印象的で綺麗に見えた。
「で、では〇〇〇(ピーピーピー 1点と〇〇〇(ガーガーガ‐」
おのれ!孔明の罠かああああ
規制音入るようなタイトルをなぜ読み上げたのか
僕の後ろには母に近い年齢の奥様も並んでるんだぞ
『あらまぁ(笑)』じゃないよ!奥さん!
そして店員さんはプツんと、限界を迎え僕に本を投げつけてきた。
「こ、この変態!なんてもん買うのよ!不潔よ不潔!変態ッ変態ッ変態ッ!誰かきて!!!!!」
ただのエロ本だよおおおおおおおおおおおおおお
騒ぎを聞きつけ、店の奥から他の店員が現れるのを確認しがむしゃらに逃げた。
「待ちなさいよ!」
「お、覚えてやがれよ!ブース!ブース!」
少しスマートじゃなかったが何とか逃げ切れた。
この時の僕はサッカー日本代表岡崎くらいの突破力はあったと思う。
ふらふらになって歩いていると派手なレクサスが止まっていた。
もうすでに警察に手が回っていて捕まってしまうのだと覚悟したが、それはさすがにTVの見すぎだった。
「あれ、きみがゆうすけくんだよね」
心の底から安堵し肩の力が抜けた。この声は電話の人
「どうしたの?汗だくだよ、ほらタオル使って」
あぁ、いい匂いするこのタオル
「私は宮崎優子っていうのだからゆうちゃんって呼んでほしいな
ゆうすけくんはゆうくんって呼んでも...ってどうしたの?私が貸したタオルに尋常じゃない執着で顔をうずめてるけど」
「いえ!なんでもないです!ゆうくんって呼んでください!」
やべえ、柔らかい。なんだこのタオル柔軟剤使ってんのか
「じゃあ、ゆうくんって呼ぶねへへー」
やべえ、可愛い。なんだこの人柔軟剤使ってんのか