午後三時です、と君は無表情に告げる
時計を見た少女はちらと此方を見上げてくる。
西洋人形が動いた様だった。
「午後三時です」
鈴を鳴らす様な声。
「ワクワク、ワクワク」
「口で言っちゃうのかよ」
「言っちゃいます」
無表情な少女はきっぱり頷く。
「お茶の時間です」
「それも言っちゃうのか」
「言っちゃいます」
ピンと背筋を伸ばし。
膝の上で手を揃え端座して。
無表情なまま。
「ケーキとアッサムを要求しま」
「煎餅とお茶缶で」
「……がっかりです」
「文句言わないの」