魔王ちゃん初めてモンスター討伐?!
「お~い!ルーミアいつまで寝てる!この寝坊助さんが!!」
「うん おはよう~」
明朝、私はアリスの声によって目覚める。
起きる足取りは重くまだ眠い…
私は洋服に着替える。
洋服はフリフリのついたワンピースで
胸元は少しスカスカだったけれど
サイズがちょうどよく、何よりもかわいい
着替え終えて、私たちは朝食を食べた。
今日も昨日と同じメニュー…まぁ贅沢は言っていられないけどね…
もう少し料理のバリエーションが欲しいものだと考えている。
アリスは私のワンピース姿をめでるように下から上までを見て
満足そうな顔をしている。
「似合っておるな!そのワンピース姿!どうじゃ着心地は?」
「居心地は気持ちいいよ~ でもちょっと胸元がスカスカする…」
「ワッハッハ そうか童のおさがりだと、ちと小さいか!」
「アリスのおさがりのものなの?!」
私は少し驚いた。アリスは魔法で洋服を出せるから
てっきり魔法で出した洋服だと思っていた。
「そうじゃぞ!これは童がこの世で一番尊敬していて大好きな人からもらったものなのじゃ!」
「え!そんなに大事なものなのに私が着てしまっていいの?」
「それは構わないぞルーミアは世界で一番童が愛しているからな!」
「それに童の大好きな人を思い出せるからな…」
一瞬どこかさみしそうなアリスがいるように感じた。
でもすぐにはきはきとした元気な声で
「そんなことよりダンジョンに行く準備を始めるぞ!」
アリスは食器を片付け、とてもでかいリュックサックをもってきて
リュックサックに色々なものを入れ始める。
特に薬品などの薬関係のものが多い気がする…
「そんなに薬必要なの?」
私は何気なく質問してみた。
「あぁ これは解毒剤じゃな、ダンジョンには猛毒の蛇も多いし何しろゾンビが厄介じゃ」
「もしゾンビに嚙まれたらルーミアもゾンビになってしまうかもな!」
…!
そんな感じにアリスは私を驚かせる。
私は完全に怖気づいてしまい、行く気もなくなりつつありアリスに弱音を吐いた
「そんなに危険な生き物が多いの?! アリス~ やっぱり私 行きたくないよ~」
そんな泣き言を言って私はアリスの裾を握って涙目になりながら必死に訴えた。
そんな私の表情にちょっと困ったアリスは、
「冗談!冗談じゃ だからルーミア泣くな!もしルーミアが噛まれても大丈夫なように解毒剤をリュックいっぱいに持っていくのだから 安心せい!!」
「~もう!噛まれる前提じゃん! というかアリスは解毒剤を使わないの?」
「~あ童は、基本的に自分の体内で毒は分解するからな、解毒剤は必要ないな!!」
・・・・・なんだその便利な体は!
正直うらやましい…でも私のためにわざわざ解毒剤を持ってきてくれるのは
少し申し訳ない気持ちがした…
そんな私の気持ちをよそにアリスは鼻歌を歌いながら着々と準備をしている。
「さあ行くぞ~~童についてこい!!」
「まって~~」
そんなやり取りをしながら私たちはダンジョンへ向かっていく…
道中私たちはスライムに遭遇した。
青く光沢のかかった背丈30㎝ぐらいの小さなモンスターでも
私たちに敵意があるのが伝わってくる。
初めて敵意のあるモンスターに遭遇
私は体をこわばらせて、とっさにアリスの陰に隠れる
「そうじゃ!ルーミアこのスライムを討伐するのだ」
「うぅ…私には無理だよ…」
「大丈夫じゃ 奴はそんなに強くない ルーミアでも倒せるぞ!」
「ホントかな‥‥」
私は攻撃をする姿勢をとってスライムと向き合う
本当に倒せるかなど心配して、ふとアリスを見る。
アリスは腕を組みながら我が子を見守るように見ていたが
私が振り向いているのに気が付いたのかニコッと笑ってくれた。
…よし!
私は意を決して魔法の呪文を言った。
「我に従えし精霊たちよ!私に力を貸して!!」
魔法を詠唱する…まぁ当然でないのだけれど…
スライムは怒ったの攻撃を仕掛けてくる
「ヒャ!冷たっ!」
スライムの口から水のようなものが放出されて私はびしょぬれになった
私は何を思ったのかそのスライムを踏み潰す
・・・グシャ
気持ち悪い音とともにスライムは消えていた…
初めての勝利である
「やったな!ルーミア初めての討伐だぞすごいな!!」
「うん…そうね…」
正直初めての討伐はもっと派手に敵を倒したかったのだが…
道中色々とあったがかくして私たちはダンジョンについたのだが…
まだ外は明るいのに対照的にダンジョンは薄暗く、外観はボロボロの廃墟だった。
ものすごく行きたくないのだが…
私は少し後ずさりをした
それに気が付いたアリスは私の手を引っ張って
「大丈夫じゃ!!童らがついておる だから心配するな!!」
本当に頼もしい限りであるそんな私はこくりとうなずき、
アリスに連れられながらダンジョン攻略が始まったのであった。