童のご主人は可愛い!!
童は召喚されたのか…いつぶりの召喚なのだろう。
多分、100年いや200年前に先代魔王によって召喚されたのが最後だったはずじゃ
当時、童はドラゴン族の生き恥…一番弱くいつもいじめられていた…
そんな童に先代魔王は優しく接してくれた。
童はそんな弱いものを見捨てない先代魔王のことが好きだった…
先代魔王のカリスマ性と圧倒的な魔力量で、次々と国を治めていきあっという間に
全ての種族の魔王となった。
童は先代魔王の元いろいろ教えてもらい強くなった。
そんな幸せな時間はあっという間に過ぎていき先代魔王は、はやり病で崩御した。
魔王がいないんのなら童のいる意味もないと思い、童は山に引きこもった
魔王崩御後、各地で種族間の争いが起こった。
多くの種族が絶滅した。もちろん、その中にはドラゴン族も含まれている。
でも自分の種族が息絶えたことなどはどうでもよい
童はただ、また先代魔王に会いたいそんなことばかり考えていた。
そして、再びの召喚。
召喚主は…少女!?
彼女は怯えていた
魔力量は先代魔王と比べると比べものにならないほど少ないが…
おなかには見慣れた魔法陣…先代魔王のものだ
私は感じたきっとこの子が最後の魔王族の末裔なのだろう
そして童は決心した。この子を絶対に守ることを
魔王様に恩を返すために
童はルーミアを手招きして丸太に座らせた
ルーミアはなんだか恥ずかしそうにもじもじしていたがそんなことは関係ない
「バブル!!」
童の魔法とともに手に持っていた石鹸はたちまち泡立ち
ルーミアは童の魔法を不思議そうに見ていた。
腰まで伸びた銀髪を丁寧に泡のついた手でむらなくきれいにしていく、大分傷んでいる髪の毛だったが
きれいにしていくうちに淡い輝きを取り戻す。
「きれいな髪の毛じゃ…」
童は不意にそんなことを言ってしまった
「そうかな…?髪の毛長くて邪魔なくらいだよ!だしこの髪色まるで私がおばあちゃんみたいじゃん!」
ルーミアはムスッとした口調で言っていた。童はそんなつもりで言ったんじゃないのだが…
でも髪の毛をゴシゴシされるのが気持ちよかったのかルーミアは
「えへへ アリスにゴシゴシされるの気持ちい~ もっとやって~」
…可愛い!!!! 童は笑みをこぼしてしまう… 頼むから童の嫁になれ!!
なんてことを考えていた。
…ルーミアもとてもご満悦な顔しており、顔が緩みきっていた。
いやこういう時は、溶け切っているといった方がいいだろう。
次に童は体を洗おうとするのだが…
「そ、そ、そ、それだけはダメ~~!!私がやるから~~!!」
ルーミアは凄く焦っていたそんなに童に洗われるのが嫌なのか?と思い少しショックを受けた。
まぁ童には関係ないことだがな!!嫌がるルーミアはそれはそれで可愛くてよい!!
童はにやりと笑い 嫌がるルーミアの腕をつかみ取る…
「わかったから 洗うのはいいから腕つかむのやめて~~」
半べそになりながらルーミアは答えた。 ちょっとやりすぎたかな…まぁさっきの仕返しじゃ!!
ルーミアは再び丸太に座り
「頼むから 優しく洗ってよ…」
「わかった!!任せるのじゃ!!童を誰だと心得るアリス様だぞ!!!」
心なしかルーミアは心配そうな顔をしていたが、気のせいじゃろ!
童は背中を覆う髪の毛をかき分ける
ルーミアの背中は透き通るほど真っ白であり、とても小さい
さらに少し猫背気味だから余計に背中が小さく見える。
童は泡のしみ込んだ手でルーミアの背中を触る…
「きゃ!!」
小さな悲鳴とともに猫背気味だった背中はピンとたった。
ルーミアは涙目で童に
「私、結構敏感だから…次洗う時は言って!!」
「すまんかった…次は気を付けるぞ!!」
何かを伝えようとしているのだろうでも童にはわからなかったからとりあえず平謝りをしておいた。
よし次は怒られないように体を洗う時にルーミアに言おう…童は手の平をいっぱいに広げて大きな声で
「全身ゴシゴシするぞ!!!!」
「ふぇぇ!? ちょ、ちょっと待って!!って アハハ! くすぐったい! くすぐった~い~」
ちょっと驚いてそうだったけど童はちゃんと言ったからな!でもこんなに笑っているルーミアを見れて
童は幸せじゃ もう一回やろうとしたのだがルーミアは岩陰に隠れてしまった…
「もう私 自分でやるからこっち見ないで!」
ルーミアはすねてしまった…
そんなやり取りをして、童たちは温泉を上がった
ルーミアはのぼせてしまったらしく顔が真っ赤だ。
「アリス~熱いよ~」
「外の冷気ですぐ体は冷えるじゃろ もう少し辛抱するのじゃ」
「え~~~そんな~~~」
「わかったから ほれ!この氷菓子を食うのだ」
童はガッカリしたルーミアに魔法で氷菓子を渡した。
「やった~~~アリスありがとう~~ひゃっ…!つめたっ!」
ルーミアは無邪気な笑顔で美味しそうに氷菓子をほおばる
「ルーミア髪を乾かすからここに座るのじゃ」
「…! はーい!」
魔法で手から熱風を出して
童はルーミアの髪の毛を丁寧に乾かす。
乾かすとわかるのだがもともとぼさぼさだった髪の毛はみるみるうちにつやを取り戻す。
腰まで伸びた髪の毛を長いから三つ編みで結んであげた。
三つ編みを見たルーミアはちょっと恥ずかしそうだったが童に小さな声で
「…ありがと」
と言ってくれた。 いや可愛すぎるだろ!!
かくしてそんな長い夜は幕を閉じたのであった。
明日は特訓だからな!覚悟しろよルーミア!!
皆様のおかげで300pv達成しました!!
ありがとうございます!!