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村の復興頑張ります!!

「なに……これ?」


そこには、かつて村だった面影もほとんどなく、わずかに残骸が形をとどめているにすぎなかった。私もひどく落ち込んだが、それ以上に、村人たちの悲しみは計り知れないだろう。


「オラたちの村が…」


そこには、すすり泣く村人たちや、かつて自分の家だった残骸を見て絶望する人々の姿があった。村長もその惨劇から目を背けた。


「ごめんなさい…私が来たせいで…こんな有り様になっちゃって…」


「魔王様のせいじゃありません!いずれこうなることはわかりきっておりました。むしろ魔王様の迅速な判断のお陰で、村人の犠牲は出なかったではありませんか!」


「そうなのかな……」


私は思わずうつむいてしまったが、そんな私にアリスははっきりとした声で勇気をくれた。


「何をくよくよしておる!ルーミア!お主には、ここで打ちひしがれてる場合ではないぞ!いずれ魔王になってもらわないと困る!それにルーミアはガッツのあるやつだと知っておる」


アリスの励ましの言葉が胸に響く、半ば巻き込まれた感じだけど、それでも今、生き残っている村人のため。そして自分のためにも頑張ろう


「ユキ!またオーク軍の攻撃は来ると思う?」


「おそらく再び攻撃しに来ます」


「次はいつ頃来るかわかる?」


「おそらく、2日後だと考えられます」


私は小さく頷く。2日後か、残された時間はあんまりないけどやれることはやろう。


「村長!今どれくらいの人数がいるの?」


「ざっと300人ほどおります。しかし、その多くは子どもや女性です」


「それで十分よ!」


村は平原であり、障害物となるものがないため、地形を使った戦い方は難しい、そこで私達は、奇襲を仕掛けられるほどの塹壕の制作を作ることにした。


 村人をおよそ100人ずつ、3つの班に分けることにした。

一つ目の班は、若い男性を中心とした塹壕班で、ユキが主導する。

二つ目は、女性を中心とした村強化班で、簡易テントの設置や防護柵の構築を担当し、私が指揮を執る。

三つ目は、体の小さな大人や子どもたちで構成された奇襲部隊。アリスが主導し、魔法・体術・剣術を指導する。

さらにこれらの班をそれぞれ半分に分け、6時間ごとの交代制で作業にあたらせることで、効率的に村の強化を進めることができる。



 塹壕斑は、ユキ主導で順調に進んでおり、村を囲むように深さ1mぐらいの塹壕が出来上がりつつある。

「できる限り、一人分入れるような通路を作ってください。あと、人員に余裕がありそうなので、各自休みを取るようにしてください」

どうやら、ユキの的確な指示と人員配置が良かったらしくだいぶ早くに作業が終わりそうだ。



 奇襲部隊は、アリスの熱血な指導により強くなりつつある。

「おい!おまいら!もっと体を使って魔法を使うのじゃ!」

「こんな感じですか?」

「違う!お前らやる気あるのか!」

ちょっと熱血すぎるかもしれない……


 私担当の村整備班は簡易テントの設置や防護柵の設置を急ピッチで行っている。

簡易テントは麻紐を縫い作ったものを屋根として木などの支柱で支えるといったもので、細やかな手さばきが必要となる。

残念ながら私は、そういった細かい作業が苦手で、苦戦気味……

でも女性の村人の手際が良く、作業をしてくれたおかげであっという間にテントの屋根が完成する。私はその麻紐の屋根をせっせと運ぶ作業を繰り返した。


 こうして私達は、オーク軍の攻撃に向けて着々と準備を進めて、

ついにユキが予想した2日目に突入した。

その知らせは、奇襲部隊により思っていた以上に早く、届いた。


「敵襲!!オーク軍が来ております!!」


「ついに来たのね……ユキ、《《例のとっておきの秘策の準備はした?》》」


「もちろんです!前日から仕込んでおきました」


私はユキを見てコクリと頷く。

平原の奥から地響きとともにオーク軍と投石機が近づいてくる。


「さぁ!リベンジマッチ開始ね!!」


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