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オーク軍の襲来!!

声が聞こえる方を見ると、そこには、数百体のオーク軍と投石機が村を囲むようにずらりと並んでいる。


「噂には聞いておりましたが、まさか最終兵器を使うとは……」


ユキが神妙な面持ちで投石機を眺めている。

いや…あれどう見ても、投石機だし、最終兵器って言うほど強そうには見えないんだけど……そんなことを考えてぼーっとしているとアリスが

「何をしている!?ルーミア!早く物陰に隠れるのじゃ!」


アリスが、私を覆う形でかばってくれた。


「最終兵器って言っても、ただの投石機じゃないの?」


「何を言っておる!?あれは、オーク軍の最終兵器だぞ!あの兵器を使えば、ここら一面が火の海になるぞ!?」


「そんなにやばいの!?」


不意にオーク軍を見ると、投石機にはすでに石が積み込まれていた。

オーク軍の大将らしきものが、一匹、投石機の前に現れて、石の積み込みこまれるのを確認すると大声での号令をかけた


「砲撃準備よし!構え!撃て!」


投石が始まった。

大きな塊がバラバラと砕け、炎を上げる。

どうやら、投石の石には魔力が込められているらしい……

バラバラに砕けた投石は、まるで火の雨が降っているように次々と着弾して、辺りを火の海にする。

幸い、投石機に誤差があったのか被害は最小限に済んだ。

それでも家々が崩壊するほどの大惨事を起こした。


「ルーミア! 次の装填まで時間がある、今のうちに逃げるぞ!」


「待って!まだ村人の避難が終わってない!」


「魔王様!今はそれどころではありません!早く逃げてください!」


「ダメ!これでも私、村長だから!」


ユキとアリスは、切羽詰まった口調で私にせまるが、私は彼女らの話を無視して、命令を出す。


「聞いて下さい!次の攻撃が来るまで動ける人は、けが人をユキのところまで運んでください!ユキは村人の回復をお願い!」


「わかりました魔王様」


ユキは、静かに返事をする。


「オラたちにも任せてください!おめえらいくぞ!」


村人たちは、瓦礫に挟まれている村人や怪我をしている村人を見つけては、ユキに次々と運ぶ


「妾は何をすればよいのじゃ?」


私は、アリスを見てニヤリ笑う。


「アリスは、できる限り暴れなさい!」


「まったく、ルーミアは人使いが悪いぞ!終わったら、妾のことをいっぱい甘やかすんだぞ!」


「いつもごめんね、でも私、アリスのこと頼りにしてるよ!」


私は、そっとアリスの頭に手を伸ばし、優しく撫でてあげた。

アリスは顔をぽっと赤く染め、きょろきょろとあたりを見回しながら、恥ずかしそうに私を見上げてくる。


「えへへ……ルーミア! 妾、頑張るのじゃ!」


そのやりとりを、少し離れたところから見ていたユキが、どこか切なそうな瞳でこちらを見つめていた。


「魔王様……あの、私にも……」


「はいはい、よしよし〜」


私はユキの頭を思い切りよく撫でてあげると、彼女はうれしそうに目を細めた。


「手の空いてる村人は私とともに救助を手伝って!」


私達はとにかく、けが人の救助を優先して行った。

けが人の多くは、ユキの治療によってみるみるうちに回復していく。さすが、元魔王軍の幹部だけはある。

それでも、けが人の数は多く、ユキだけではどうにもならなさそうだった。


「魔王様!第二陣の攻撃が来ます!早くお逃げください」


「あなた達は先に行って!私は、ユキと一緒に行くから!」


そんな大口をたたいたのはいいのだが、もう投石機の攻撃モーションに入っており、逃げる隙がない。もうダメだそう思ったときに、アリスが、彗星のように、投石機を破壊しに飛び出す。


「スカーレットサンダー!!」


紅の雷とともに投石機が次々と攻撃不能になる。

アリスは魔力をすべて使い切ったのか、ふらつきながら崩れ落ちた。

ユキはすぐさま駆け寄り、アリスを肩に担ぎ上げる。

村人たちの避難が完了すると、私たちはその場を後にした。

今は何より、一刻も早くここを離れなければならない。

途中で見えた村は、まるで地獄のようなありさまだが

奇跡的に犠牲者は一人もいなかった。

投稿が遅れてしまってすいません。

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