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村のルールを決めさせていただきます!!

オークキングを倒して、(ほとんど、アリスとユキが討伐した)私が、他の元魔王軍、一角を怒らせてしまい、今にも宣戦布告される寸前まで来ている。

「やりましたな!魔王様!これは、宴ですぞ!」


そう言ったのは、この村の元村長を務め上げていた人今は、ひょんなことから、今は、私が村長だ。


「宴!!だ!!」


アリスが、『宴』と言う言葉を聞いて、目を輝かせている。


私たちは、案内されるまま、宴会場にたれてかれた。宴会場といっても村長の家だ。でも私の姿を一眼みようと、どんどん村人が押し寄せてくる。


「あの…村人さんが押し寄せてるんですけど…」


「気にしないでください!村一同、魔王様に感謝しておりますので!!」


村長は、にっこり笑い、ぎゅっと私の手を握ってくる。


こんなに感謝されるのは、気持ちいいけど正直、色々な人に見られるのは、人見知りになとっては、恥ずかしい。


「お食事を持ってきなさい」


尊重の掛け声とともに村人たちが、食事を持ってくる。


「え、なにこれ?」


「オークの姿煮です」


そこに出されたのは、先ほど倒したばかりのオークキングの肉であった。

それを村長やアリスが何事もないように食べている。


「これ食べるの?」


「もちろんです!魔王様もどうぞ!」


「……いただきます」

恐る恐る目を閉じて、オークキングの肉を一口。

うっすらと漂う野性味にちょっとビビったけど、いざ噛んでみると、思ったより柔らかい。筋肉質の食感を覚悟していたが、よく煮込まれているおかげで、ホクホクしていて美味しい。

でも、やっぱり知的生命体の肉は、少し戸惑うところもあるのだが…


「おい、次の料理をもってこい」


村長の威厳ある掛け声が響き渡ると同時に、重々しい足取りで新しい料理が運び込まれる。銀の蓋が静かに持ち上げられると、そこに横たわっていたのは――どう見ても、かつてこの村で暮らしていた村人であったであろう“何か”だった。

私は、ぎょっとした。他のものが、何もなかったように、平然と食べ始めていたからだ。


「さあ!魔王様もどうぞ!」


「ちょっと!?勘弁して〜〜〜!?」


こうして長かった夜が終わりを告げる。



昼過ぎ、私は、広場に村人を集めた。


「なぜオラたちを広場に集めたかわかるか?」


「いやわかんねな」


村人たちは、なぜ自分たちが、集められたのかわかっていないらしい…

周りが、ざわついている中、村長の一声で、あたりが静まる。


「これから、魔王様による演説が始まるぞ!ありがたく静聴しろ!」


ありがとう村長、でもそんなに、ありがたい内容でもないし、演説って言うほど立派なこと喋らないんだけど…


「村長!ありがとう、でも、おっほん!これから村のルールを決めさせていただきます!」


「ルール、って……なんだ?」


年寄りのひとりがぽつりとつぶやいたのをきっかけに、村中がざわつき始めた。

今まで誰も、何かを“決める”なんてことをしたことがなかったのだろう。


「まず1つ目!仲間の死体を食べずに、土葬すること!」


この村では、仲間の死体を食べるのが当たり前だったらしい。

食料が少ないから仕方ないところもあるのだが、死体を食べることで、疫病が増えているのも事実。だから禁止しざる終えないのだ。


「2つ目!トイレを設置すること!」


私が、ここに来て、最初に思ったことが、『何ここ臭い…』

後から、なぜこんなにも臭いのか調べてみると、この村にはトイレがないのだ。

ファンダジーな世界だから排泄などしないんじゃないかと思うだろう。

でもファンタジーなモンスターは生き物、食べたものは排泄しなければいけない。

そこで一つの疑問が生まれる『じゃあ排泄はどこでするの?』

その答えは、そこら辺に垂れ流しである。


これには、流石に驚いた。前世では、ウォシュレット付きトレイが当たり前だから、現代っ子の私にとっては、とても耐え難い。


「3つ目に村の発展のために農業をしてもらいます!」


仲間同士を食べ合うのだから、もちろん農業などの第2時産業などが、発展しているわけもなく、毎日狩りなどのその日暮らしの生活をしている。

そんな生活なのだから、日によって、食べられる量も変わるため安定性もない。


「魔王様!土葬することやトイレの設置は、わかりますけど、オラたちその、農業ってやつできませんよ。誰一人やり方わからないですので」


「そこはまかせなさい!この私が、教えてあげるから!」


前世では、家庭菜園ぐらいやっていたからミニトマトとかキュウリぐらいならできるはず…?


「さすが、魔王様!幅広い知識をお持ちで!やはり、カリスマ!」


ユキの尊敬の眼差しが、眩しい、家庭菜園ぐらいの実量なんだけど…


私が、ルールを発表したと同時ぐらいに、一人の村人が、


「オークの敵襲です!」


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