表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/22

童のために洋服を仕立ててくれたのか!!


あれから準備も終わり、まったり時間が流れて、夜も更け、朝に来た。


「う~~んむにゃむにゃ もう食べられないぞ~……ハァッ!」


童はそんな夢を見ながら、のそのそと目を覚ます。


部屋の中はまだ薄暗い。

けれど、廊下の先、裁縫室からは小さな灯りと、なにやら気になる音が漏れてきていた。


「……?」


気になったアリスは、そ〜っと裁縫室の扉に耳を当てる。


「…ユキ これであっている?」


「少しやりすぎです。魔王様、お手を貸してください」


「え⁉ちょっと、待って!私、初めてだからさ…」


「大丈夫です!私に任せてください!何回もやっていますので!」


なんんじゃ!童に内緒でまたユキはルーミアに誘惑しているのかけしからん!


そんなアリスの妄想が膨らむなか


バンッ!


突然、扉が勢いよく開いてしまった。


「きゃあっ!」


ルーミアが小さく悲鳴をあげ、それをユキがとっさにかばうように抱き寄せる。


「…なんだ、アリスですか、驚かさないでくださいよ」


「もう!怖かったんだから!!」


「す、すまん……いやそれよりっ!!」


アリスはびしっとユキを指差し、


「またルーミアを誘惑しておるのか!? このサキュバスめぇぇぇ!!」


「し、してませんよ!? ちょっと誤解しないでくださいっ、本当にっ!」


(……しておるだろ。今の流れ、完全に怪しいやつじゃないか)


疑いが晴れないアリスの視線に、ルーミアが慌てて割って入る。


「ち、違うの! 私が呼んで手伝ってもらっただけで!」


「なんと……童を差し置いて、まさかの浮気か!?」


「だから違うってばっ! 本当は後で見せたかったんだけど…もう仕方ないな…」


彼女は、手にあるワンピースを見せる


「これは、童がルーミアに貸したワンピースじゃないか」


そこには、つぎはぎでボロボロなアリスのワンピースがあった。


「そう!ユキに手伝ってもらって、手直ししたの」


「そうじゃったのか!!…ルーミアありがとう~~!!」


「ちょっと!?帆をこすりつけないでよ~~!」


「童は、ルーミアが縫い直してくれたことがうれしいぞ!」


「あの…私も手伝ったのですが…まぁ、いいでしょう。出発の準備をしましょうか」


童たちは早速、出発の準備を整える。

ユキは朝ご飯を持ってきており、準備万端だ。


「さあ!いくぞ童についてこい!」


「まって~~!」


「そんなに急がないでください!パレードまで、まだ時間はありますよ」


童は手招きする。

ルーミアはルンルン気分で、ユキは呆れ顔ながらも、しっかりルーミアと手をつないでいる。


「あっ!ユキ、またルーミアを誘惑しておる!」


「してませんよ!私はただ、魔王様をお守りしているだけです!」


「うそじゃ!えい!童が手をつなぐから、ユキは下がれ!」


「ちょっと!アリス!横暴ですよ!!」


「うるさい!!」


こうして、童たちによるルーミアの“取り合い合戦”が始まった。

右手にユキ、左手に童。お互いににらみ合い、手を放す気などさらさらない。

ルーミアは左右から引っ張られる。


「アリスは危なっかしいので私が、魔王様を守りますので、あなたは、後衛でも守っておいてください」


「なに!?そっちこそ、またよからぬことをするじゃろ!ユキこそ、後衛でも守って童たちのイチャイチャでも眺めておれ!」


「なんですって!?」


「なにを!?」


ルーミアが困ったように、割って入る。


「ちょっと!?二人とも私のために争わないで~~!!」


結局、左右一人ずつがルーミアを守ることで話はまとまった。


(まったく……童は二人で歩きたかったのに!まぁ、恋人つなぎできてるから、よしとするか。ルーミアの手は真っ白で、小さくて、かわいいな~

でも、ユキも恋人つなぎしてるのは気に食わん……)


童は何とか心を落ち着かせようとする。


道中、旅をしているとモンスターに遭遇した。


よし!童の出番じゃな!


「精霊よ童に力を貸せ!ファイヤエンブレム!」


「精霊よ私にお力をお貸しください。アイスボール!」


童とユキは、同時に魔法で攻撃を仕掛ける。

予想外のことに、二人の魔法は相乗効果を生み、より強力な攻撃となった。


「なっ!?なにをする!」


「そっちこそ、何をするんですか!?危ないじゃないですか!」


ルーミアが仲裁に入る。


「まぁまぁ 落ち着いて!ほら、二人の攻撃で魔物倒せたじゃん!!」


本当にそうなのか?童の手柄だと思うんだが…

そんなことをかんがえつつ、一行は再び歩き出す。


道中、いろいろな出来事があったが

ついに、村らしき建物が見えてきた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ