調律者、勇者決定戦を観戦する
「じゃあまたね〜」
「アポ取ってくれたらいいよ。」
スッと目を逸らしやがった黄含め
他調律者を座ったまま見送り、
己の膝上を我が物顔で占領する紫を見る。
「いい加減降りてくれ、」
「やだ。」
「、、、〘空間切替〙」
サッと逃走を試みたレイだが、
空間切替の欠点を知っている紫には敵わなかった。
「、、、マジで頼む、仕事があるんだ。」
しかし紫は勝ち誇ったように言う
「空間切替は、
密着している相手ごと転移する欠点がある。
だから私が力を緩めたあの瞬間を狙ったんでしょ?」
こいつ、この頭の回転があるなら
これが無意味な行動なのも分かるだろ、、
ドテッ
スッとレイが立ち上がり、上にいた紫が転げ落ちた。
「ひっど〜い、
こんな可憐な上、華奢でいたいけな
少女を落とすなんて、さいて〜」
可憐な上、華奢でいたいけな少女(自称)は
レイに文句を言うが、
レイは知ったことかと部屋を出てしまった。
と同時、
コンコンコン
「なんだ?」
レイが姿を一瞬で老執事に変化させ、応対する。
「、、そういえば、
あいつドッペルゲンガーとか言ってたわね。」
「本当に姿が変わったね。」
アイリス達がそう話していると
レイが戻ってきた。
「アイリス、お前宛のと俺宛の手紙が来たんだが、
[勇者決定戦]とやらはなんだ?」
アイリスがあぁ、と手を打つ
「それは文字通り勇者を決める大会なんだ。
昔まで敵対関係にあった魔王軍と戦うときに異界から呼び出された勇者にちなんだ、世界最強を決めるため、4年に1回世界中から強い戦士たちを呼んで、
勇者の称号を賭けて戦う大会だよ。」
俺が納得していると、
「最も、今年は誰になるか分かんないけど、、」
俺はアイリスの言葉に疑問を持つ
「誰になるか分からない?」
すると意外にもニーナが食いついてきた
「今回は前回優勝者だけじゃなくて、
色んな最強揃いだからね。」
「へ〜」
そう聞き流しつつ、手紙を開ける
「ほーん、招待券だ。」
リアが
「いいな〜招待券私も欲しい〜」
と言われても無いものは無いんだが、、
「あ、こっちに観戦券が3枚入ってる。」
ニーナとリアが嬉しそうにアイリスの元に行く
「そっちは観戦券入ってたのか、、」
アイリスが開催日を確認すると
「2日後ねぇ、急だけど馬車なら余裕で間に合うわね。」
ふとアイリスに聞いてみる
「うちに馬車はないぞ?」
するとアイリスはピタッと硬直する
「え?」
「いま馬車は予約いっぱいで取れないぞ?」
「、、、え?」
アイリスがサーッと顔を青くする。
「、、、油断したな。」
「ど、どうしよう!」
あわあわ慌てている光景は微笑ましいもののそろそろネタバラシするか。
「考えがあるから、明日の朝、いつもの服着てこい」
「わ、分かった、」
アイリス達が上に上がっていくのを見送り、
俺はある人物を呼び寄せる
すると、ドアが突然開く、
ドアの先は異空間と言う名のいつもの会議室が見える
「転移扉、、まさか!」
「やっと見つけましたよ、紫様、」
こめかみに青筋が走っている男が入ってくる
「や、やあ、ディーク、今日は何のよう?」
ディーク、紫の部下の悪魔公、優しいが、怒ると怖い
「紫様?仕事ほっぽり出して、また黒様にご迷惑を、、」
「ち、違うし、これはその〜えっと〜」
紫がチラチラとこちらに話を合わせてくれと見てくるが
「ディーク、回収。」
「かしこまりました。」
するとディークが紫を抱え転移扉をくぐろうとする
「黒!裏切ったなぁ〜!怒るぞ〜!」
紫がムスッとしてるが
「勝手に怒れ。」
別にどうということは無い
「黒〜!黒が連れてってよぉ、僕、黒がいい〜」
指を咥えてこっちを見てくるが
「ディークが可哀想だからよしてやれ。」
やっぱりどうということは無い
「黒〜!誘拐されちゃうよぉ〜助けてぇ〜」
紫が慌てているが
「誘拐でも何でも無いだろ。」
どうということは無い
「レイ、、だめ?」
涙目になっているが
「紫、泣き落としはいい加減通用しないぞ。」
どうということは無い
「覚えてろ!も〜!!」
バタン!
「後でケーキでも買ってってやるか」
ディークにも苦労掛けてるしな、、
そして俺は地下に行った。
ドォン!
その夜、スティアール子爵領から王都までの道を、
凄まじい速度で飛翔する物体があったが、
誰一人、目撃者は居なかった。
〜翌日〜
「レイ、今出ても明日の昼からだし間に合わないって!」
アイリスが急かしてくるが平気だ。
「問題ないさ、すぐ着く、」
そう言い後ろに控えている奴に声をかける
「準備は出来ているか?」
〈【回答】問題ございません。〉
ニーナが訝しげに
「、、誰?」
すると灰色の髪の男が言う
〈【返答】当機はEI1-TE002機です。〉
リアが
「あぁ、機動兵隊とか言うやつだな。」
(飲み込みが早くて助かる。)
「では諸君、荷物は持ったかね?」
すると、全部がうん、と返事をする
「では、EI1-TE002機、転移機よ、
王都付近の森にゲートを頼む。」
〈了解致しました。〉
すると、彼の背中から人間の頭程の大きさのドローンが4台射出される。
ドローンは空中でクルクルと回ると、
4台が空中で結合、展開した瞬間、
そこに長方形の空間が開く、そこからは何も見えないが、奥に微かに光が見えた
「ご苦労、では諸君、行くぞ。」
「わ、分かった。」
俺が入ると、アイリス達も恐る恐る通る
〈では、いってらっしゃいませ。〉
そう言いゲートが閉じると、光に包まれる
そして目を開けた瞬間、
『、、え?』
森の中に居た。
俺以外の3人はポカンとしているが、
「ほら、行くぞ、」
そう言い進むと、アイリス達も慌てて付いてきた。
〜〜〜〜
「王都だ、、」
「当然だろ、」
ニーナの独り言に突っ込んでいると
「あ、獣人だ、珍しいなぁ」
リアがボソッと呟いたその言葉を聞いた瞬間、
「!」
スッと黒影収納から取り出したるは、
わざわざ日本から苦労して手に入れた素晴らしき発明、
一眼レフカメラを手に持ち振り返る
お値段なんと約40万!
(※カメラにもよります)
ふんわりとした尻尾、
きめ細かい肌、そして獣耳!
1フレームたりとも逃す気はない!!
カシャ!
流石に連射はキモいので1枚で堪える。
フラッシュが炊けないのが痛いが
この世界の人がカメラという物を理解出来ない以上、
私を問い詰めることは出来ない!
「よし、満足。」
盗撮?ここは日本じゃない、私は無敵だ。
「何やってんの?」
「気にしないでくれ。」
さて、と
「アイリス、場所は分かるか?」
アイリスは
「分かるよ?どうしたの?」
「じゃあ先行っててくれ、後で追うから。」
レイは少し考え、
「ちょっとね。」
〜〜〜〜
「結構人集まってきたね。」
「そうだねぇ。」
アイリス達が会話していると
「おまたせ」
レイがひょこっと来た。
「レイおそ〜い、もう始まるよ。」
「すまん」
ニーナが口を尖らせながら言うと、
「皆様、よく、お集まりくださいました。
私がこの国の第一王女、クライス・フィリア・ミコト
です。本日は勇者決定戦にお越しくださり、誠にありがとうございます。本日は、勇者の称号を賭けて、
各国の精鋭7人の方々が集まりました。」
ミコトがコホンと咳払いすると、
「ドワーフの国、ディアス王国より、ガイル様、」
大鎚を持った老戦士が登場する、
「エルフの国、シルフィア王国より、シアナ様」
弓と細い剣を持った女性が現れる。
「獣人の国、獣人国より、ミア様」
狼の獣人の女の子が現れる。
「竜人族の国、バリアス竜王国より、ドラン様」
赤い鱗を持つ竜人族の男が登場する。
「鬼人族の国、ギドアス帝国より、ガリア様」
二本の角を持つ鬼人の大男が登場する。
「そして前回優勝者、ディルス公国より、オリビア様」
薄青色の髪と氷の様なドレスを来た女性剣士が現れる。
「最後に、我が国、クライス王国より、ゼロ様」
黒ローブを纏い、黒い大鎌を背負っている男が登場する。
「以上7名の勇者候補達が、称号を賭けて開戦します。剣、爪、魔法、己の全てを駆使して、その力を世に示すのです!」
ウオォォォォォォ!
歓声が響く、ここに、勇者決定戦が幕を開けた。
こんにちは、深山真です。
本来は5000字程度の話を予定していましたが、
書き終わった後誤ってデータを消してしまい、
制作が間に合いませんでした。
申し訳ございません。
そのため次回の文字数を伸ばし、
調整を取らせて頂きます。
ご迷惑お掛け致します。




