機動兵隊 エクス・マキナ
昼下がり、漆黒の調律者、黒が帰ってきた。
「帰ったぞ〜、俺の故郷の美味しいスイーツ買ってきたから食べないか〜、、居ない?」
黒は困った様に、だが悪寒が走った。
「まさか地下に行ったんじゃ、、、」
コンコンコン
「こんな時に誰だよ、、」
〜〜〜
その少し前、地下では
「ねぇ、私達どこに連れて行かれるんだろうね。」
「怖い事言わないでよ、、」
ニーナとリア、アイリスは、機械仕掛けの神、
もといレイヴンに連れられ、奥に進んでいた。
道中、色々な人々とすれ違った。
大盾を持った大男、
肘から先がライフルと化している青年、
明らかに機械的に淡く輝く機械の翼を持つ少女、
砲台の様な物に車輪の様な物が付いている機械、
先ほど見た女性の様の様なほぼ人間に近い者、
だが、目に光が無く、こちらを一瞥しただけで
興味無さげに目を逸らしており、明らかに
生命が宿っていないと言えた。
〈掛けてくれ〉
そうレイヴンに話しかけられた、見ると、机があり、
椅子が4脚あった。
言われるがまま椅子にかける。
「喉渇いた〜」
ニーナがあけすけにそう言ったのを聞き、アイリスはハラハラしていたが、
〈我々は機械ゆえ、食事を摂らない、
茶菓子も茶も無いのだ、勘弁してくれ。〉
「むぅ、、」
ニーナは少し不満気だったが
アイリスは内心冷や汗が止まらなかった。
「それで、要件ってなんですか?」
アイリスが恐る恐る聞くと、
〈2点、貴殿らに伝えねばならないことがあった。
それを聞いてもらいたかった。〉
「な、なんでしょうか、、」
思わずその場全員が息を飲む、
レイヴンの口から放たれた言葉は、意外な物だった。
〈暴走させられた結果とはいえ、貴殿らの国を半壊まで追いやった事、深くお詫び申し上げる。〉
レイヴンはそう、頭を下げた。
思わずポカンとしていると、レイヴンは続けた。
〈今の我々、機動兵隊には、謝罪する事しか出来ない。まだ数百機しか居ないのだ。〉
(随分増えた気がするけど、)
〈2点目、我等に質問がある様なので、聞いておこうと思ったのだ。何でも答えよう、それを謝罪の意としてほしい。〉
「じゃあ、機動兵隊、エクス・マキナとは何だ?
昔すぎて、記録がまともにないんだ。」
〈分かった、答えよう、我等、機動兵隊について、〉
我々、機動兵隊は、神代の大戦時
神殺しの兵器として、失われた技術
通称、【高度科学文明】にて開発、製造された、
古代の遺物である。
しかし、神代の対戦後、制御を離れた機動兵隊は、
世界中に猛威を振るった。
単体脅威度、要するにランクはAランクの下位、
オーク2,3 体程度の脅威度しかなかった。
しかし、それが数千、数万の軍勢を組み、
一糸乱れぬ統率で動き、
たった100体だけで大国すら滅ぼせた。
「でも、記録では、たった3機で、
と書いてあったけど、、」
〈それは自己進化した、上位機動兵隊と呼ばれる上位個体の記録だ。
戦力は通常の機動兵隊のおよそ32.56倍の性能を叩き出し、凄まじい活躍をした。〉
「進化条件って、なんですか?」
レイヴンは困った様に言った。
〈残念ながらサンプルが100何機しか居らず、
解明に至っていない上、残った上位機体
全機が大戦で消失した。〉
沈黙が流れる、
〈これ以上は、時間切れの様だ。〉
「え?」
すると背後から音もなく空間に亀裂が走る。
その亀裂から黒が飛び出した。
「やっぱりここにいたか、
入るなとあれほど言ったのに、、」
『レイ!?』
アイリス達が立ち上がる。
「おい、アイリス宛に手紙がきたぞ、貴族の晩餐会についてだそうだ。」
アイリスが少し困った様に言う、
「また来たの、、はぁ、出なきゃいけないかぁ、、」
「どうしたんだ?」
レイが訪ねる。
アイリスは少し恥ずかしそうにこう言った。
「えっと、ドレス姿の私を貴族の男性方が、ジロジロと見てくるかr
「機動兵隊全機に告げる!これより全戦力を上げて掃討作戦を行うっ!!!」
〈〈〈〈【了解】!〉〉〉〉
レイの横顔に青筋が迸り、黒い大鎌を出すと号令をかけた。と同時に、そこら中にいた
機動兵隊全機が戦闘モードに移行。
「待って待って!お願い待って!」
アイリスの叫び声が響き渡った。
説得には数分を要した。
〜〜〜
「はぁ、、」
黒は我に返った後、機動兵隊達への命令を解除し、
壁に向かって座り込んでいた。
アイリスが、
「あれ?2枚入ってる、」
レイは呟いた
「2枚入ってる物なのか?」
「前は1枚だったけどな〜えーっと?」
するとアイリスは耳を疑うような事を言った。
「アスティール・シェイル・アイリス侯爵令嬢
貴殿を厄災終結記念晩餐会及びパーティーへの
招待状を贈る、ご友人も2名までどうぞ。」
「2名?
私とリアとレイだから1人分足りないじゃん!」
ニーナがそういった。
「そうか、じゃあ楽しんでこい、俺はそういうの苦手だからパスさせてもら
「え!?」
アイリスが驚いたように叫んだ。
「どうしたの?」
リアとニーナが覗き込むと、
「「えぇ!?」」
レイも覗き込む
「いったい何が書いてあったんだ?」
こう書かれていた。
ーーーーーーー
また、此度の厄災において、厄災を退けたレイ殿を、
男爵へ叙爵とし、此度の
パーティーへ正式に招待する。
日程は、2週間後、国王夫妻が帰還した翌日
開催する。
国王代理,クライス・フィリア・ミコト第一王女より
ーーーーーーー
「 」
「凄いじゃん!レイ男爵だって!」
「おめでとう!」
「、、レイ?」
「、、、瞬間転移」
ヒュン
「あ、逃げた。」
〜〜〜
「お父様とお母様が戻られるまで、あと2週間、
国事とは、なかなか大変ですね、、」
ミコトは、クライス国の第一王女として、
国王夫妻不在中、国王代理をしっかりと行っていた。
突然、
バァン!!
「ミ〜コ〜トォォォォォォォ!!!」
「ハワァァァァァァァァ!!!!!」
ご立腹のレイがドアを蹴破り突入してきた。
「ぬぁんで俺が男爵になっているんだぁぁぁ?!」
もはやクールなイメージが雲散霧消し、
敬語すら途方の彼方に忘れたレイは、
なんというか、、ウケる(w)
「作者ぁ!あとでシバァく!」
いやぁぁぁぁぁぁ!飛び火してきたぁぁぁ!
「えっと、私が今回活躍したレイ先生を、貴族にしたらどうかと、こぼしてしまい、第一王子の兄上が
賛成し、あれよあれよと気づいたときにはそうなってしまったのです、、でも安心してください!子爵にしようという意見は辛うじて抑え込みました!」
「あ~良かった、、ってならんわ!勇者って呼ばれた時の冷や汗がフラッシュバックしたわ!」
「なんの話ですか?」
「何でもない!気にするな!」
(記憶改竄したのを忘れていた、、、)
ヒョコッ
「お姉ちゃん!お客さん?」
突然小さな女の子が出てきた、ミコトと同じ黒髪だ。
「こ、こら!出てきちゃだめって言ったでしょ
シオン!」
「あぁ、紫の目だから紫苑か、
声が琴の様に美しいから美琴って聞いた時から
薄々思っていたが、国王も中々のネーミングセンス、」
「何で先生が私の名前の由来を
知ってるんですか!?」
「まぁ色々あったんだよ。」
寮にいた俺の部屋に日本酒目当てで
転移してきてはよく1杯やったもんだ。
(そんな描写無かったって?
コマケエコトハイインダヨ)
「はぁ、、結局、俺の男爵は取り消せ無いのか、、」
「はい、、もうあきらめて貰うしか、、」
「はぁ、、、、また2週間後、パーティーでな、、」
「はい、お待ちしてますよ。」
ヒュン




