初恋
黒は、その日恋をした、
それが前世の記憶なのか
もしくは今世としての恋なのかは分からない。
ただ言えることは、黒は、アイリスという女性に恋をした、ということだけだ。
その感情は、子犬が可愛いとか、アイドルが可愛いとかそういう物では無く、純粋な恋だった。
でも、
(彼女は人間、俺は魔物、恋が成就することも無く、
したとしていつか別れは来る、)
永遠を生き続ける黒、有限の命を生きる者
決して恋をしていい相手では無かった
だが、
(それでも可愛いものは可愛いんだよ!!)
「えっと、あの、ありがとうございました、、」
彼女が声を出すたび顔が熱くなってくる。
(もはや病気だな、、、)
「えっと、君達は冒険者なのだろう?
よければ私とパーティーを組んでくれないか?」
「むしろこっちからもお願いしたいです、、」
「一応言っておきたいこともあるし、ひとまず
宿で話をしよう。」
「分かった、1時間後そっちの部屋に行くよ、
何号室なの?」
「312号室だ、1時間後待っている。」
〜1時間30分後〜
コンコン
「どうぞ」
ガチャ
「お待たせ〜、いや〜、風呂はいいね〜」
「それで30分遅れたのか、」
「いや〜、ごめんごめん、」
パッと2人に目を向ける、普通に綺麗だが、
アイリスは、、、
「失礼します、、」
「oh、 ジーザス」
そこには天使がいた、
寝間着姿が異常なほど可愛い
いや、種族としての天使は1人居るが、
物理的に天使だと思ったのは初めてだった
いや、もはや女神と言ってもよかった。
「尊、、じゃなくてそこに掛けてくれ。」
全員が座ったのを見て、話し始める
「では情報交換しよう。まず自己紹介はしたな、
じゃあ何か言いたいことがある者は挙手を。」
「ハイハイ!これだけは言って置こうと思うんだけど、アイリスちゃん、いや、
アスティール・シェイル・アイリスは
貴族、アスティール侯爵家長女なのよ、」
「侯爵、か、」
侯爵が分からない人に簡単に言うと、侯爵は爵位でも最高の位である公爵の一個下、
つまり、めっちゃ偉い貴族様である。
「アイリスってお嬢様だったんか。」
「そうなんだよ〜、、、
これで逃げられなくなったね♪」
(に、人間にはめられた)
「これからよろしく!一連託生だからね!」
「あぁ、よろしく」
こうして、長いお話が始まるのだった。