運命
「やられた。」
白の奴め、即刻転移で帰ってシバいてくれる。
「よし、じゃあテレポートを、、、」
[失敗 不明な座標]
「は?」
テレポートは座標を繋げなければ帰れない
「見つからない?あ、まさか、あいつ、、、」
テレポートが出来ない原因は、座標をしっかりイメージ出来ていないか、空間閉鎖による遮断、つまり
「あいつブロックしやがったこんちくしょう。」
とりあえず街に行こう、話はそれからだ、
「飛行魔法で飛べば10秒で着くだろ、」
「ッッ!」
凄まじい痛みが襲う
「あぁ、そういえば1週間魔法禁止だったな。
ハァ、しょうがない、歩いて行こう。」
この鎌も収容魔法が使えないので、
持って歩くしか無い。
「せめて刃くらいは布で包むか。」
布が無い
「そのへんの草で布編むか。」
鑑定くらいは使えるので布にできる丈夫な植物を探し
編んでいく。
「裁縫スキル鍛えてて良かったな。」
裁縫スキルは糸の扱いが上手くなるため、
糸を使った魔法の為に鍛えてたが、まさか本来の用途で使う日が来るとは思わなかった。
〜〜〜
(視線を感じる。)
まあ大鎌背負った黒いフード男なんぞて怖いわな、
とりあえずギルドに登録でも、
「はい、お待たせしまし、、ヒッ」
「、、、」
この受付嬢、明らかビビってるだろ。
「すいませんね、驚かせて、」
「あ、いえ大丈夫です、、、
ところで目はどうされたんですか?」
「目?」
ふと触れてみると片目に包帯が巻かれていた。
「あぁすいませんちょっといろいろありましてね、
傷は治ったのですが、取り忘れていました。」
包帯を外す
「はい、それでどの様なご要件で?」
「登録をと思いまして。」
「はい、登録ですね。では登録料200円頂戴します。」
「はいはい、、、円?」
すっごく聞き覚えがある単位なんだが。
「すいません、円って何です?」
「円を知らないんですか?」
「すいません、田舎の出なものでして。」
「円という単位ははるか昔この国を魔族から守ったとされる異界の勇者様が使っていたお金の単位です。
銅貨1枚で100円相当となります。」
絶対その勇者日本人だわ
「はい、では200円を、」
そういえば俺、お金ないんだが
体を探ってみると内ポケットから袋が出てきた、
(これ魔法鞄だな、えーと、、oh)
中には億は下らないであろうお金と紙が入ってた
紙には
[君の給金の一部をその世界のお金に変えておいた、
休暇を楽しみたまえ。]
「、、、ではこれで。」
そこから銅貨らしき硬貨を2枚出す。
「はい、丁度お預かりします。では登録しますね」
〜10分後〜
「はい、登録完了です、
職業は聖騎士、クルセイダーです。上位職とは凄いですね!それではご武運を。」
「あ、はい。」
(ウ~ンどうしたもんか
取りあえず今日は宿に泊まるとして、ん?)
「すいません、間に合ってます。」
「いいから俺等と遊ぼうぜ〜?」
揉めごとか?
あの娘達は15~16歳ってとこか
〘審判眼〙
(うーわ、コイツ女性関係の揉め事多すぎ、
犯罪歴もボロボロ出てくるな。)
ピン!
(あ、名前が赤く、やる気だあいつ)
審判眼では今から犯罪を犯そうとする者の
名前が赤くなる特性がある。
(止めるか)
「いいから遊ぼうぜ、言う事聞かねえなら無理にで
ガシッ
「私の連れに何か用かね?」
「何だお前、は、、、」
スキル〘畏怖の覇気〙
「ん?」
「あ、いや、なんでもねえよ。」
とびっきりの笑顔を向けると
男達は逃げるように立ち去った。
「すいませんね、私の連れだなんて言ってしまって。」
「あ、いえ、大丈夫です!ありがとうございます!
助かりました!」
「私の名前は、リアって言うんです、盗賊です。」
「私、ニイナです、弓使いです。」
なんだか聞き馴染みがあるような気がする、、、
少しトラウマが、、、
「私は、レイ、そちらの方は?」
2人の後ろに隠れるもう1人の少女に目を向ける、
「あぁ、こっちは私達の、パーティーメンバーです、
ほら、挨拶しなよ!」
「えっと、私はアイリスです、
よろしくお願いします。」
消え入りそうな声で挨拶する彼女を見た途端
俺に激震が走った。
吹けば飛んでいってしまいそうな華奢な体に
白く透明な肌、真っ白な長い白髪、
宝石の様な紅い瞳、どこか儚げでありながら
美しさすら感じるその女性を見た途端、
俺の脳内はある結論に達した
(くっっっっっっっっそ可愛い!!!
なにこれ、
なんか顔が熱い!すっごく心臓がドキドキする、
ずっと見ていたいけどなんか見れない!
まさか、おい、まさか、1万年だぞ!?生まれ変わってこの方一度も抱かなかったからすっかり消えてしまったと思っていた感情だが、まさか、これは、
アレなのか!?)
そう!綺麗な女性を見た時の
心拍の上昇、及び体温の上昇と動悸、
そう、最恐と恐れられた、黒の調律者、黒は、
(まさか、これが、一目惚れってやつなのか、、、)
人間の女性に恋をした。