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ナッシュビルに住むジョージ・タバニティはバーで知り合った日本人の若い女性を自宅に連れてきて一緒に過ごしていた。ジョージが女性に屋根裏にあるものを取ってきてほしいと頼み、女性が取りに行こうと梯子を登る。
トイレから戻り、ジョージは女性の異変に気づいた。女性は手のひらを見つめて泣いている。
「どうした?」
ジョージが訊くと、女性は
「あの梯子で怪我した」
と梯子を指さして訴えた。女性の手のひらには木の棘が刺さっている。
「ああ、かわいそうに……。僕のせいで痛い思いさせてごめん。なんとかするから」
ジョージは女性の手のひらから木の棘を取り除こうとするも、なかなかうまくいかない。女性は不安そうな様子で涙を流している。
守ってあげたい。そう思い、ジョージは泣く女性を抱きしめた。ごめんね、痛かったね、大丈夫だよと耳元で囁く。女性が落ち着くまで一緒にいて、しばらくしてから別れた。別れ際に病院に行った方がいいよと伝えておく。
次に再会した際、女性の手のひらの怪我は治っていた。それから何度か2人で会い、ジョージは女性に好意を伝える。しかし女性には他に片想いしている相手がいて、その人が忘れられないとのことだった。好意を伝えてから、2人で会うことはなくなったのだ。