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最後のリンケージ・コーデ

 天水晴那 AP750 VS 福山美祿 AP2200



「なんとかターンを奪い取ったはいいが、あの触れただけでガチギレする暴れ馬みたいにブッパが連発できるワンピはピンピンしたまま。どうやって突破すればいいんだ?」


「確かにあのワンピの効果と〈RDティアーズ〉の戦略とは致命的に相性が悪い。でも突破できない手段がないわけじゃない」


「えぇ! できるのか?」



 スキャナーに変形しているせいで出せる表情がないが、声だけでも目が丸くなっているのがわかるほど驚くビャコに、私は円形モニターに指を触れて、問題の〈マイトレイルワンピ〉の詳細を画面いっぱいに表示させる。



「何度もあのコスチュームの効果を食らっていくうちに見つけた弱点が三つ。一つ、あのコスチュームはこちらへの耐性効果を持っていない。半端な除去効果を持ったカードでも使えば、あっさり脱がせられる」


「た、確かにそうだな。で、でも、お前のデッキで除去を狙おうと思ったら、やっぱり〈シェルベッコ・チャーム〉を使わないと……」


「二つ、あの効果は強制効果よ。アンダーコーデされたら、着主は自分の意志で止めることができない、下手をすれば諸刃の剣になり得ない」


「そうか! 明らかな罠を仕掛けた状態で意図的に発動させれば、自ら墓穴を掘ってくれるわけだ! 猪突猛進とはこのことだな!」


「三つ、プロデューサー達の話した通り、アサルト・アイオンの発動自体にタイミングが関係しているなら、そこがさらなる弱点になる」


「タイミング……。なるほど、確かに一つだけお前のデッキならそれを利用しつつ、突破できる手段からあるな!」


「そのためにも、このドローに全てを賭ける!」



 この勝負に絶対に勝つ。例え勝敗の結果自体になんの価値がなかったとしても。


 ただ純粋に、勝利への願いだけを込めて私はデッキに指を乗せた。



「私のターン、ドロー!」



 この勝負の行方を決める運命のドローを迎え、新しく手にした一枚に目を通す。


 来てくれたのは、ミュージックカード〈ブルーマグノリア〉。


 デッキもこの勝負に負けられないという私の心に答えてくれたのか、この状況に求められる一枚を見事に引き与えてくれた。



「私は手札からミュージックカード〈ブルーマグノリア〉を発動!」



 このカードは、ランドリーにおかれた〈RDティアーズ〉コスチュームを最大六枚までデッキに戻し、その後で戻したカード三枚につき、一枚ドローできる捨て場回収と手札増強を兼ねたミュージックカード。


【黄黙天】との戦いで使用した時よりも効果が強くなったのは、草薙さんが改めて時間をかけて再調整したからだ。


 リンケージコーデによる戦略消費に加えて美祿の切り札による一掃まで加わり、ランドリーへの肥やしは十分。


 一気に最大の六枚をデッキの中へ帰還させ、新たなに二枚のカードをドローによって手札に加える。



「そして〈ヴァルナーガスプリントスカート〉を通常コーデ!」



 曲に次いで出したコスチュームは、白泡と共に水を吹き出す間欠泉をイメージした、空色の生地に白綿で飾られたスカート。


【黄黙天】との戦いで活躍した一着だが、残念ながら今回はその効果は生かせない。



「自分が〈RDティアーズ〉を来ている場合、〈ヴァルナーガカチューシャ〉を手札から追加コーデできる!」



 次いで頭に飾らせたのは、同じヴァルナーガの名を関するカチューシャ。


 これでシューズを除いて、素材に使える二着の衣装が揃った。



「これが最後のリンケージコーデだ! 〈ヴァルナーガシューズ〉の効果で煌方陣展開!」



 素材にするのはもちろんスカートとカチューシャ。


 煌めく梵字の魔方陣が放つ光に当てられて、液体に変化した二つの衣装が一つの衣装になるべく結合してゆく。



「リンケージコーデ! 現れろ! レアリティPR〈RDティアーズ ヴァルナーガワンピ〉!」



 デッキから呼び出したのは、何色にも染まらせない真っ黒なワンピース。


 これまでに攻防に優れた効果によって私を支えてきた〈ヴァルナーガワンピ〉が、美祿の〈マイトレイルワンピ〉を攻略できる鍵を握っている。



「あいつ、総一郎の作ったあの暴れ馬を攻略する気か?」


「俺の作った衣装達の真価を、ここまで引き出そうとするとはな」



 真隣にいるライバルが作り出した衣装とは致命的に相性が悪いことは、生みの親である勇作Pや草薙さんが一番理解している。


 それでも、意地は張ったが自棄にならず確実に場を固める私を見て、二人は感心の眼差しを向ける。



「あの短期間で〈マイトレイルワンピ〉の欠点を見つけだして反撃に転じられるとは。流石は、アートマンストラから鼈の異名を与えられただけはあるな」



 同様に幸神Pもまた、異名というか蔑称としてつけられた私の通り名を吟味しながら、自分の最高傑作に対してどのように噛みつくのか、楽しむように私に関心を寄せていた。



「〈ヴァルナーガワンピ〉の効果! 一ターンに一度、コスチュームを対象に〈シェルベッコ・チャーム・トークン〉を生成する!」



 チャームをつける対象はもちろん、〈ヴァルナーガワンピ〉自身を選択する。



「さらにアクシデント発生! 〈洗い立て投入〉! このターン中にランドリーに送られたコスチューム一着を復活させる! 私は〈ヴァルナーガカチューシャ〉を呼び戻す!」



 シューズ、ワンピときて最後にアクセサリーが再び頭に掛けられたことで、これで天水晴那を象徴とするヴァルナーガシリーズが一式揃った。



「そして〈ヴァルナーガワンピ〉の更なる効果! 着られている〈RDティアーズ〉ブランドの数だけ、自身のAPを100ポイントずつアップさせる! 場に出ている〈RDティアーズ〉は四枚! よってワンピのAPは合計400ポイントアップする!」



 この効果によって私のAPは2530ポイントまで高まった。



「私は最後に二枚準備してスタンバイ!」



 手札に残る最後の二枚。


 どちらもアクシデントカードであるそれを伏せたことで、全力も手札も出し切った私が一足先にスタンバイを宣言した。


 AP2500程度では追い抜かれるリスクが高いラインだが、相手があの暴れ馬〈ミトロニオス マイトレイルワンピ〉ならば、APの高さ云々よりもこの布陣で構えている方がよい。



「本当の勝負は、これからだ!」



 天水晴那 AP2530 VS 福山美祿 AP2200

ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。


「面白かった!」

「続きが気になる!」

「いいから早く決闘しろよ」


と思った方は、下にあります☆☆☆☆☆から、作品の応援をよろしくお願いいたします。

また、誤字脱字、設定の矛盾点の報告など何でもかまいませんので、

思ったことがあれば遠慮無く言っていただけると幸いです。


あとブックマークもいただけるとうれしいです。


細々と続きを重ねて行きますので、今後ともよろしくお願いします!

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