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紅い煌方陣の「リンケージ・コーデ」

「行くよ、晴那ちゃん! これがあたしの新しい切り札だ! BGM〈ミュージカル・ミューラル・ミュージアム〉の効果発動!」



 BMGの発動を宣言した美祿が天に向かって掌を掲げると、開いた手を中心に血の如く真っ赤に光る線で描かれた方陣が展開された。



「あの方陣は!?」


「煌方陣だと!? まさか、あのスキルで生み出したBGMの効果は!」



 描く線の色や展開場所は違っても、その梵字で構成された魔方陣は、紛れもなく煌方陣だ。



「〈ミュージカル・ミューラル・ミュージアム〉は、素材にするコスチュームの色の合計が四色以上になるように脱ぎ捨てることで、デッキから別のコスチュームを追加コーデできる!」


「あたしは、七色の〈フルカラーペンシルワンピ〉を素材にする!」



 頭上の方陣が本当に血を降らせそうなほど輝きを増し、目が痛くなるほどの光を美祿に浴びせると、素材に指定されたカラフルなワンピが色とりどりの大小さまざまな粒子となって、破裂したかのように美祿の体から離れた。



「条件は違うけど、このコーデ方法は!」


「素材にする色の条件さえ揃えば、どんなブランドでも呼びだせる」


「ということは、その切り札が〈グラフィティーキャンバス〉とは限らないってことか!」



 別のブランド。


  つまり、美祿が得意とする〈グラフィティーキャンバス〉ではない戦略か、それともっとシナジーが強いコスチュームが切り札として現れるということ。


 何が出るのか読めない展開に、私は思わず生唾を飲んだ。



「ほう? リンケージコーデは本来の戦略に組み込んだ覚えはないのだがな。やはり、貴様のプロデュースしたアイドルに手合わせを依頼して正解だったようだな。美祿にここまで良き影響を与えられるとはな」


「参考になって何よりだ」



 同型スキルの発動に加えて、そのスキルによって生成したカードによって自身が想定していなかった戦法を取った美祿の成長に、幸神Pはますます満足していた。偉そうだが素直に感謝された勇作Pは、皮肉なのか本音なのか相変わらず感情を顔に出さずにそう答えていた。



「コスチューム・ディゾリューション!」



 合計七色分の粒子となって散らばった球体が、一斉に深紅色に代わり、まるで巻き戻し映像の如く美祿の体に戻ってゆく。



「リンケージコーデ!」



 二つの衣装を液体の如く一つにする私のリンケージコーデとは違って、美祿の体に戻った時には色の付いたシルエットのように形が出来上がっていき、塗料が乾いていくようにデザインが浮き上がってゆく。



「現れろ! レアリティGR〈ミトロニオス マイトレイルワンピ〉!」



 呼び出したのは案の定、文房具をキュートに模したコンセプトの〈グラフィティーキャンバス〉とは意匠が大きく異なる別ブランド。


 文房具というアナログモチーフだった前のブランドから、デジタルへと時代を進ませたとも言うべきか、艶やかな深紅の鋭利な装飾パーツで飾りつつ全体的なフォルムには丸みに加え、その胸部には龍の手を思わせる三又の爪に捕まれた深緑色の宝玉らしき物体が組み込まれた、まさに衣装と言うよりも機械の龍が服として変形したようなサンバーパンクなコスチューム。


 そんな革新的なコスチュームがデッキから呼び出された途端、〈ミトロニオス マイトレイルワンピ〉が着主である美祿の体に完全着衣が完了したのを合図に、この狭いスタジオを吹き飛ばすほどの衝撃を発生させた。


 スキル発動の際に竜巻になるまでかき集めた時とはまるで違う風力。


 まるで巨大な生物が鳴いているかのような音が、苦しいほど思い風の中から聞こえてくる。



「これがコスチュームなの!?」


「コーデされただけで、この衝撃! まるで化け物じゃないか!」



 ドラゴンの産声とも言うべき凄まじい轟風は、対峙している私どころか傍観しているプロデューサーたちにまで襲いかかり、全員が跪かされたかのように思わず身を低くされた。



「ほう? ようやく着る気になったとはな」


「効果じゃなくて演出でこの出力かよ! すさまじいな!」


「〈ミトロニオス〉……。聞いたことないブランドだと思ったら、まさか幸神がッ!」



 もはや美祿の体に纏われたそれは、息吹を発する生命体だといっても過言ではない。


 デッキというクローゼットから選ばれたというよりも、魔導書から召喚された生き物の如く、深紅の衣装がうなり声を上げたかと思えば、背中に備わった無限の文字のような装飾から、翡翠色を帯びた光が盛大に噴射させ、まるで羽化した蝶のように翼を鷹揚とさせていた。



「あんな見るからにヤベェコスチューム、どういう意図でどうやって作ったんだよ!」



 衝撃波という咆哮と背後の翼部から噴射する光の奔流が静まり、ようやく立てるようになった私は、手の中でビビっているのか未だに喚いているスキャナーのモニターを見る。



〈ミトロニオス マイトレイルワンピ〉



 ブランド名から全く聞いたことのない未知のコスチュームだが、勇作Pの言葉通りなら、恐らくこれは幸神総一郎が福山美祿の為に作った全く新しいブランドによる新作コスチューム。


 そのAPはレアリティGRに相応しく1300。


 そして今の美祿の履いている靴を含めると、素の合計APは2050。



「でも、APはまだ〈ヴァルナーガコーラルワンピ〉の方が上! 総合APもまだ負けてない!」


「まだまだ! これからだよ!」

ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。


「面白かった!」

「続きが気になる!」

「いいから早く決闘しろよ」


と思った方は、下にあります☆☆☆☆☆から、作品の応援をよろしくお願いいたします。

また、誤字脱字、設定の矛盾点の報告など何でもかまいませんので、

思ったことがあれば遠慮無く言っていただけると幸いです。


あとブックマークもいただけるとうれしいです。


細々と続きを重ねて行きますので、今後ともよろしくお願いします!

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