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初めてのお出かけ

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




そして、今日。

朝早くから馬車に揺られて数時間、屋敷の外への初めての外出先は北方辺境伯のお屋敷だった。

辺境伯夫人主催のお茶会に母娘揃って招待されたのだ。


四歳になったばかりの私にまだお茶会は早いと、一度は私の出席をそれとなくお詫びをつけてお断りしてくれたらしい。しかし、辺境伯夫人から再度お誘いがありこれ以上は断る事ができなかった、と母は言った。もちろん見た目はともかく精神年齢おおよそ三十の私は、母の迷惑のかかる事がないよう礼儀正しく、お淑やかな四歳児でいようと決意済みだ。


今日の日のために母が新調してくれた淡いオレンジ色のグラデーションのドレスは私好みのフリルは少なめ、レースたっぷりでとっても可愛い。子供らしく甘さのある可愛いドレスだが、フリルが少ない事で重くない。見た目としても重量としても。

一緒に行く姉は、青色のグラデーションのドレス。プリンセスラインの私のと違ってAラインのスッキリしたもの。これもフリルはすくなく、レースと刺繍で可愛いデザイン。姉の凛とした雰囲気によく似合っていて可愛い。

母曰くこれからの夏の季節を先駆けて太陽と海のイメージらしい。ちなみに母は空色のグラデーションの刺繍ドレスで空をイメージしているそう。差し詰め白色のショールや手袋などは雲をイメージといったところなのだろう。全体的なセンスはいいのだが、デザインイメージの内容を聞くと少々子供っぽいところが母らしい。


「ソレイユ子爵夫人、ラタエナ嬢、リリシュナ嬢。我がポラーノ家主催のお茶会へようこそ」


馬車から降りて年配の執事に案内された先で出迎えてくれたのは、青々と茂りながらも綺麗に整地された庭園と背の高い美しいご夫人だった。

母と挨拶を交わし、幼い小さな私にも視線を合わせて挨拶してくれた夫人は、本日の主催辺境伯夫人、その人だった。

席に案内されると私たちが最後だったらしく、すぐにお茶会スタートとなった。


今回のお茶会は、北方辺境伯夫人が主催となり、騎士団勤めの貴族の親族、その中でも女性同士の交流を目的としているらしい。特に辺境地で作ることの難しい子供たちの交流のためらしい。

確かに領地に引きこもっている限り同年代の貴族の友人などどこで作るんだろう。そもそも私なんて家から出る事一切ないから家族以外は屋敷に出入りする使用人としか会話した事ないから、まだ領民とすらあった事ない。

私たちを含めて母娘五組、全員が子爵夫人、旦那や息子が騎士団勤めで十歳以下の令嬢を持つみたいだ。しかし、その中でも四歳の私は一番幼い様で、家庭教師から及第点を貰った私のカテーシーを見たご夫人たちからしっかりしているわなんて褒めていただけた。

その後は、大人しく姉の隣に座って、美味しいお菓子と紅茶を交互に口へ運びながら、ご夫人たちのお世辞をたっぷり盛り込んだ優雅な会話をBGMに綺麗な庭を堪能していた。どこの世界に行っても女性の中身の薄い上辺の会話は変わらないのだと思ったが、貴族の女性はさらに息がつまりそう。でも、不便少なく生活できるのは貴族の令嬢に生まれたからでもある、と考えると複雑である。

しかし、そんな優雅な時間は十歳未満の子供にはあまりにも退屈な時間な訳で、一時間もするとお菓子もお茶にも飽きてくる。そわそわしてくる子供が出だした頃、辺境伯夫人の声掛けから子供たちだけで遊んで来なさいと広い庭園で遊ぶ様に放り出された。

なんとも雑な、と思ったが、高い塀に囲まれた辺境伯の屋敷内で、植木で区画された庭園か随所に警備の人間もおり誤って外に出る心配もない様にされてる。何よりここにいる一番の権力者に逆らえないのも事実だ。

私は、姉と手を繋ぎ、姉と仲の良いという少女、ミランナと三人で庭園を散策することにした。


「リリシュナさまは本当にしっかりしていますね。サフィーとは大ちがいだわ」

「サフィーさまもリリーと同い年だったかしら?」

「いいえ。リリシュナ様の一つ上で五歳です。でも、本当に子供っぽくて私のいうことなんて聞いてくれないの」


まだ敬語の切り替えが上手くないところは、教育をしっかり施された令嬢でもまだまだ子供らしいところだなっと姉たちの会話を聞いていて思う。私は逆に気をつなないと子供らしくない言葉遣いになってしまう。今できてすごいと言われても『私』だった頃の経験のおかげなのだ。成長すれば普通な事がわかってしまう。あくまで普通の令嬢として成長しなくてはいけない。

人間、人と違う点があればそれは個性ともみなされるが、下手をすれば異端と見なされ攻撃される。そうなれば、元に戻るのは大変だ。

何かを犠牲にしなければいけないかもしれない。

犠牲にしても取り戻せないかもしれない。

人間社会というのはそういう世界だと『私』は思う。


「ミランナさまは、サフィーさまのことおすきですか?」

「え?……そうね。きらいじゃないわ、たったひとりの弟だもの」


私の突然の質問に照れながらも笑って返してくれたミランナは、幼いながらしっかりと姉の顔をしていた。というかサフィーというのは弟の事だったのか。


「なら、ぜひサフィーさまをぎゅうってだきしめてあげてください!大すきなおねえさまにだきしめてもらうと、うれしくてきっとサフィーさまもミランナさまのこと、もっとすきになってすなおになれるとおもいます!」


「わたしがそうだから」と話すと、横から抱きしめられた。姉だった。

「私もリリーがだいすきよ」と笑って抱きしめる姉の背中をポンポンと撫でながら、ミランナに向けて笑うとミランナはおかしそうに笑った。

私とミランナも十分に打ち解けたところで、庭の奥へ進んでいくと、なにやら言い争うような声が聞こえた。

ただならぬ様子に声の元へ向かうと、樹々の視覚になる所でお茶会にもいた少女が見知らぬ少年に責め立てられていた。

座り込んだ少女は顔を青ざめているが、それに気付いていないのか少年はただ自分の怒りをぶつけていた。

ただ震えて身を縮める少女に姉が仲裁に入ったのは、正直得策とは言えなかったとは思う。


「そんな一方的では、この方は話すこともできませんわ。少し冷静になってください」

「なっ!?お前たちには関係ないだろっ!!」


急に現れた第三者に狼狽える様は小悪党の様だよ、少年。

と心のなかで呟きつつ少年の前に立った姉に隠れて、震える少女の前にしゃがんだ。姉の体で恐らく恐怖の対象となっている少年の姿は隠れているだろう。とにかく落ち着いて話ができる様にまずはお互い見えない様に距離ととるのが一番なはずだ。

少年に注視されないよう小声で安否を問うと、座り込んでいる少女は蚊の鳴くようなほど小さな声で謝罪を繰り返していた。両手を握りしめて震える少女の様子はとてもじゃないが大丈夫ではない。

どうしたらいいのかわからなかったのだろう、三歩離れた所で立ち止まっていたミランナを手招くと恐る恐るといった形で近寄ってくれた。多分後ろでギャンギャン吠えている少年の剣幕が怖いのかもしれない。

幼い少女、というか感情を表に出す事を是としない貴族として育った少女は、怒鳴られる事はないのではないだろうか。

こっそり大人を呼んできて欲しいと伝えると、一瞬戸惑う顔見せたが、自分のなすべき事と感じてくれたのかそっと踵を返してくれた。


「だから!ソイツがナマイキだから!!身の程を教えてやろうとしてるだけだっ!!」

「ナマイキ、とは具体的に何をされたのですか?」


冷静に言葉を選び語り掛ける姉に対して、感情のままに叫ぶような少年。身なりを見る限り貴族の子息で間違いないと思えるほど、品のよさそうな衣服なのだが、如何せんその口から出ている言葉は、品が良いとは言えない。

しかし、姉の言葉の誘導で掻い摘んでいくと、少年は少女にぶつかられた。少女からぶつかってきたのに、少女は少年に謝罪もしなかった。少年曰く高貴な身分の少年に対して無礼極まりない態度をとったが故、立場を教えていた、と。

後ろから聞こえてくるそんな説明を聞きながら、目の前でついには泣きだした少女を抱きしめあやしながら少女の言い分を聞きだす。

嗚咽交りに聞こえた内容を繋ぎ合わせれば、少年の言い分があながち間違いではない事が分かった。


少女曰く、綺麗な庭に目があちこちに移りきちんと前を見ていなかった。

少年の言う通り少年とぶつかってしまったが、少女はその拍子に転んでしまった。

少女は、転んだ痛みと驚きで動転し謝る事ができなかった。

そこを少年に詰め寄られその剣幕に怖くてさらに言葉が出なくなってしまった、と。


私や姉はともかく、先ほどのミランナや少女の様子を見る限り、普通の幼い貴族令嬢にこの少年の剣幕は恐怖しか感じることができなかったのだと思う。

確かに前を見ていなかった少女がぶつかったのは悪かった。しかし、避けなかった少年も前を見ていなかったのだろうし、転んだ少女の様子を確認もせずすぐに怒りに任せて怒鳴った少年の短気さも問題だ。なにより、少年の感情の出し方は癇癪を起す二歳児と変わらない。


「たしかに前を見ずに歩いていたこの子もよくはありませんわ。しかし、いくらぶつかってきたのがこの子からといえ、転んだレディに手を差し伸べず声をあらげるなど、紳士的ではないのではありませんか?」

「なぜ俺が下級貴族の、女のために手を差し伸ばす必要がある!?」


わあああ選民意識の塊か!って思わずツッコミが出そうになってしまった。

少年の言葉に面食らったのは私だけのようで、姉は少年の言葉に詰まることなく真っすぐ少年を見据えて言葉を返していた。


「貴方はご両親から教養を習われませんでした?貴族とは何たるか、男はどうあるべきか」

「はあ!?それが何の関係がある!?」

「習われた立派な貴族の方でしたら、先ほどのような言葉は出るはずがありませんわ」


姉には、少年の剣幕はちっとも怖くないらしく、感情的吠える少年の言葉を論破している。というか、単調に話しているようだけど、喧嘩売っているような気もする。

でも、姉の言葉は間違いないと思う。貴族子息なら貴族としての勉強で必ず貴族とはどうあるべきものか、この国で指標とされる男の在り方、女の在り方は学んでいるはずなのだ。『私』からすれば男尊女卑のような内容が多いこの指標は正直従いたくないが、少年自身で己を高貴な身分と称すのならば、己の立場を理解し驕ることも卑下することもなく在るべきだと。常に冷静に感情に左右されずに律し、国のために行動する事。

さあ、少年は何を守れているのだろうか。


「う、うるさい!!うるさいっ!!!お前に指図する権利はないっ!!!!」


自分が不利だと理解したのか、姉に返す言葉が出て来なかった少年の顔は真っ赤に染まっており、ついには右手を振りかぶった。


危ない!おねえさま!!


そう叫んだのだが、次の瞬間には少年に殴られた姉の姿ではなく、なぜか姉に体を地面に押さえつけられた少年の姿が目に入った。


「え?」


何が今起こった???

たしかに今、少年は姉を殴ろうとしていたはず。でも、今倒れているのは殴ろうとしていた少年の方で、姉は少年の背中に乗っており、その右手を少年の背中へ押さえるけていた。

さしずめ捕り物でよく見かける押さえ込みの状態だ。

私も訳がわからないが、捕まって押さえつけられてる少年も訳がわからい顔で呆然としている。


「エドバルド、貴方の負けね」


そこへ拍手とともに現れたのは、笑みを浮かべた辺境伯夫人だった。夫人の後ろには、驚愕した表情のミランナと真っ青な顔をした母の姿もあった。


少年は、辺境伯の息子だったようで、夫人にこっ酷く叱られていた。今まで見ていた美しい夫人が青筋立てて少年を理詰めしながら、説教する様はあまりに恐ろしく、般若の面を思い出した。

少年は、泣きながら少女に謝り、少女は多少怯えた様子ではあったが、少年のあまりの泣き様に冷静になれたのか少女も少年に謝っていた。少年は、姉にも暴力を振るおうとした事を謝り、姉も思わず押さえつけてしまった事を謝っていた。その横で母も夫人に頭を下げていたが、カラカラと笑っていた夫人を見る限り全く気にしていない様子だった。

その様子に家同士のトラブルに発展する様子はないのかと、胸を撫で下ろした四歳児は私だ。


夫人曰く、少年の元々の短気さが成長とともに助長し、貴族を傘に着る横暴さまで出てきてどう矯正しようか悩んでいた所だったらしい。少年より体格も小さな女の子である姉に打ち負かされた事でその心はへし折られた事だろうと笑っていた。

そんな夫人の言葉を聞きながら、私は思った。


心を折られるどこか、姉に心を奪われたみたいなんだけど、と。


目の前には、姉を前に顔を真っ赤にして姉の事を聞き出そうとしている少年がいた。姉は律儀にも少年の質問に答えを返していたが、少年の赤い顔の理由に果たして気がついているのだろうか。


そして、少年よ、どこに姉に惚れる要素があった。




そんな出来事から数ヶ月。


姉との手紙のやり取りや、お詫びと称して姉を遊びに誘ったり、少年───エドバルドは積極的だった。しかし、恋愛に興味のなかった姉はエドバルドをそういう対象に見ているかすら怪しかった。そもそも姉もまだ八歳だ。初恋の相談すら受けたところもない事を考えれば、姉のなかでそういう感情の成長はまだないのだと思う。

いや、すでに初恋を経験済みだとしても、四歳の妹に初恋の相談をするかわからないけど。

ただ初恋に浮かれたエドバルドが親へ相談し、親から親へと話がいき、二人の婚約の話が持ち上がったのである。

そして、今日この日婚約を祝う両家の食事会が開かれた。改めて家族総出で顔を合わせたのだが、エドバルドには弟がいた。


クラディス・ノーデン・ト・ポラーノ


自己紹介を聞いて私は彼を知っていると気づいた。

正確には、思い出した。

突き詰めれば、なぜ気が付かなかったのだと思うくらいこの世界の事を私は知っていたはずだった。なぜなら、前世でかなりの時間プレイしたゲームの世界だからだ。


『ライラック~聖女の思い出(エアインネルング)~』


それがこの世界となる恋愛シュミレーションゲームのタイトル。

聖女の伝説が残るシュテルン王国にある、王侯貴族が通うローゼンスタイン学園を舞台とした、所謂乙女ゲームだ。『初恋』をキーにしたこのゲームは、主人公である男爵令嬢が初恋の人と再会し、三年間の学生生活の中で愛を育みパートナーから受け取った愛で聖女として目覚めるというファンタジー恋愛ゲームなのだ。

乙女ゲーム界王手のゲーム会社と人気を誇る絵師、乙女ゲームに欠かせない人気レジェンド声優を起用した『ライラック』は人気を博し、ゲームだけでなくキャラクターソング、サウンドトラック、イラスト画集など多方面で出す商品が売れ、続編のシリーズも飛ぶように売れに売れた大人気シリーズの第一弾だ。

恋愛対象たちは、その個々に違う魅力でそれぞれが担当推しがつくほど人気だった。


クラディスも第一弾に出てくる恋愛対象の一人だ。

寡黙で、冷徹なクール系美男子。

人の輪に入らず、騎士家系にも関わらず魔力が高かった事から家族から疎まれ、周りから浮き、孤独を抱えているというキャラだった。クラディスのルートでは、その孤独を主人公が埋めた事で二人の愛が主人公を聖女へと覚醒するハッピーエンドだった。


しかし、それがどうだろう。

今の目の前のポラーノ辺境伯家族は仲が良さそうなのだ。クラディスも兄であるエドバルドを慕っているみたいで、その顔には笑顔が浮かんでいる。無邪気な子供の笑顔だ。

しかし、私と同じ歳と言っていたから、もしかしたらまだその高い魔力が覚醒していないのかもしれない。魔力が高い事がわかったのは五歳のはずだ。今はまだ四歳。これから話が進むのかもしれない。

私は、それより姉と美味しい料理の方が気になって仕方なく、チラチラと姉の様子を伺いながら、美味しいお肉を頬張る事にした。食事会は恙無く終わり、今後も定期的に姉とエドバルドは会う事にし、二年後の二人のデビュタントの時に婚約を発表しようと話が落ち着いたらしい。


父としては婚約は認めるが、姉が嫌だと言ったらこの話はなかった事にお願いしたいと遠回りに言っていたので、可愛い娘の婚約話は反対ではあるんだなと結論づけた。

兄は、この数ヶ月でのエドバルドの変わり様に姉の気持ちに任せると言っていた。

そうあの茶会の時に見えた傲慢で短気なエドバルドはもういない、と言っていい程性格が変わった。大好きな姉に好かれる男になるべき、辺境伯夫人からみっちり教育されているらしく、かなり紳士で気の利く少年へと変わったのだ。

会うたびに変成長している様子のエドバルドに、母も今のエドバルドなら辛い結婚にはならないだろうと乗り気である。

本人である姉は、エドバルドに惚れた様子はなさそうだが、こればかりはエドバルドの頑張り次第だろう。

姉が嫌でないなら私も素直にお祝いするだけだ。と、そんな事を考えながら眠りにつこうとベッドへ潜り込んでから気がついた。


「ライラックの世界ならあの人もいるって事だわ!!!」


幸いにも私の大きな独り言は厚い壁と扉に守られ、誰かに聞かれる事はなかった。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

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