二月の物語り
二月の物語り
積雪が屋根の高さと同じ山岳で
産声は深い雪に閉ざされた
小川の水を緩めた
全ての音が雪の中で凍っていたはずだった
血は暖かく羊水は心地よく
宇宙の神秘が夢を壊さないように
沈黙が生命を育てていた
「コトリ」と氷が崩れて落ちた音を
羽の中にまるくうずくまって眠っていた小鳥は聞いた
朝焼けはうす桃色からだいだい色に空を染めていった
地球がもう少し回転する
時間がもう少し前へ進む
取るに足りない小さな星が
地球と一緒に回転し始める
重力に抱かれ
星はそっと真っ白な雪原に降ろされる
星は早朝の空を見上げる
輝くことを放棄した星が空を横切って消えた
朝の光が転々と枯れ枝を飾る紅の芽を祝福する
小さいけれどしっかりとした鼓動が二月の朝の空気を震わせる