第七話 ギルドにようやく着きました
俺達はギルドにようやく辿り着いた。
ギルドは円柱型の建物で、煉瓦でできている。
「ここがギルド…でけえ…」
「ここのギルドは10階建てで鍛練場や図書館…、とにかく冒険者にとって必要な物が沢山ある施設なんだ」
「そんな話いいから、早く行こうぜ」
「分かった、じゃあ入るか」
ギルドの中に入ると沢山の冒険者達がいた。
パーティを組んでる人やソロで冒険をしてる人と様々である。
「凄い…沢山の人がいる…」
「そりゃあギルドだからな、さて、パーティ申請しに受付に行こう」
「あ、ステータスカード発行はどうした方がいいかな」
「それは後でいい、ステータスカード発行は時間がかかるから」
受付に行き、パーティ申請の事を受付担当の人に言った。
「こんにちは、本日はどんなご用でしょうか?」
「パーティ申請とマモルのステータスカード発行しに来ました」
「分かりました、先にパーティ申請の方をしてください、ステータスカード発行についてはパーティ申請が終わり次第行います」
そう言うと受付担当の人は紙と鉛筆をサラガザに渡した。
俺達は空いていたベンチに座って、紙に名前、年齢などの個人情報を書き込んだ。
「年齢…マモル、お前いくつだ?」
「16だよ」
「お、俺と同い年だな」
「え?、サラガザも16!?、てっきり二十歳ぐらいかと思ってたわ…」
「よく二十歳以上と勘違いされるんだ…なんでか知らねないけど」
紙に個人情報を書き終えた俺達は受付に紙を渡しに行った。
「はい、受け取りました、少々お待ちください」
そう言うと受付の人は何も書いていない証明書に紙に書いた情報を物凄い速さで書き写した。
カードが出来上がった時間は僅か数十秒である。
「はい、パーティ証明書が出来上がりました。」
「あ、ありがとうございます…」
二つのカードが渡され俺達は証明書を折り畳んでバックに入れた。
「では、マモル様のステータスカードを発行致しますので、マモル様、ステータスチェックの為に別室の行きます」
「あ、分かりました、じゃあ行ってくるわ」
受付の人に案内されてステータスチェックの為に別室にやって来た。
その部屋は特に何も無い、窓も無いのでドアを閉めると密室状態になる。
「ではマモル様、5分程部屋でじっとしていてください」
そう言うと受付の人はドア閉めてどっかに行ってしまった。
「しかし暇だな…、もしかしてこの世界では赤外線とかそういうやつでステータスチェックとかするのか?」
その頃別室ではマモルのステータス確認の為に見えない光を出す装置でステータスチェックをしていた。
「スキルは語学level1と…特殊スキル《チートスキル》<絶対治療>…、トンでもない冒険者が現れたな…」
スキルが表示されている画面を見ながらそう呟いた。
「おっといけない…そろそろマモル様を部屋から出さなきゃ」
小走りで受付の人はマモルの部屋に向かった。
「まだかなぁ…まさか失敗したとか無いよな」
そう言ってると受付の人がドアを開けて部屋に入ってきた。
「大変お待たせしました、ステータスチェックが終わったので受付にて待っていてください」
「はい、分かりました」
俺は言われた通りに受付の方向に向かって戻っていった。
「おう、早かったね」
「あれで早い方なのか?、10分ぐらい待たされた気がするけど」
「僕の頃は30分から1時間程ステータスチェックしてたんだ、今のチェックは大分早くなったほうだろ」
「へぇ―、だとしたら今のチェックは専用装置みたいなのを使ってるのかな?」
「だと思うな…、さて、そろそろこの町の宿にいくか」
ギルドを後にし、俺達はこの町の宿へ行った。
サラガザがお金を払って前と同じ一部屋に二人まで泊まれる部屋を取った。
「今日は疲れたな…ここの宿では飯出るのか?」
「聞いてみたけど飯は出るらしいよ、18時から21時までの時間に食堂に行けば食べれるそうだ」
「もう18時過ぎてるな…、混まない内に早く食べに行こうぜ」
「そうだね、じゃあご飯食いに行くか」
俺達は食堂でパン、豆と野菜が入ったスープ、焼いた肉を食べた。
どれも美味しく最高だ。やっぱり疲れた後に食べる飯はいいと改めて感じる。
その後部屋に戻り、坂で転げ落ちた時に俺がスキルで傷を治した時の事を聞かれた。
「昼前のことだが…マモル、あのスキルはなんなんだ?、教えてくれ」
「話すのは別にいいけど、先に今日作ったステータスカードを見た方が早いと思うぞ」
俺はサラガザに作ったカードを差し出した。
サラガザはそれを取って、目を丸くしながらスキルの名前と説明を何回も繰り返し読んでいた。
「…特殊スキルって、確か特別な人間しか持ってない生まれつき持っているスキルのはずだぞ…」
「そうなのか?、よくそのチートスキルが特別な人間しか持ってないのは知らんけど」
「なあマモル、お前は一体何者なんだ?」
「何者って言われてもな…」
どうやらチートスキルは特別な人間しか持っていないスキルのことだそうだ。
この特別な人間とは転生者のことだと俺は解釈した。
サラガザにお前は何者って言われても、転生者ですと話して信じてくれるかは分からない
でも隠していても特に意味が無いので俺は転生者であることをダメもとで話すことに決めた。
「サラガザ、今から俺が話す事は信じられないかもしれないが聞いてくれるか?」
「ああ、マモルの話なら信じるよ」
そして俺は自分が転生者であること。チートスキルを女神から貰ったことを話した。
サラガザは俺の話を真剣な表情で聞いていた。
「どうか?、この話を信じてくれるか?」
「ちょっと頭の中を整理させてくれ…」
サラガザはそう言うと腕を組み下を向いた。
それもそのはずだ、こんな非現実的な話を信じてと言われてもすぐには信じられないだろう。
数分後、ようやくサラガザが顔を上げて、話し始めた。
「一部信じられない部分もあるけど、一部以外の話は信じるよ」
「ホントか?」
「ああ、特殊スキルを持ってるのは特別な人間、それを転生者持ってるっていうのは理にかなっている」
「そうか、とにかくその話の一部だけでも信じてくれるかはありがたい」
「さてと、そろそろ22時だし、寝るとしよう」
「そうだな、おやすみ」
「おやすみ」
俺達はそれぞれベッドに入った。
俺は今日もベッドから落ちないように祈りながら目をつぶり、眠りに着いた。