ーこんなはずじゃー
こんなはずじゃなかった。
それなのにどうして
少女の祈り。
小林みゆき →大切な人を失ったことで自分の殻に閉じこもるようになり、それから人と関わることを極度に嫌がるようになる。
斎藤ゆう →みゆきに好意を寄せている、みゆきを殻から出そうと必死になる少年
高堂さき→みゆきの過去を唯一知ってる親友。斎藤の好意を知って協力するも、だんだんと闇を抱えるようになる。
椎名りょう→ゆうの友達。さきに好意を寄せているが、物語が進むにつれ、さきの闇を知ることになる。
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みゆき「…私なんてもう、いなくなった方がマシなのに…また死ねなかった。神様は死ぬことすら許してくれないのかな。不平等すぎるわ。」
さき「…あんた!またやったの!なにしてんのよ!みゆきのお父さんから電話来てビックリしたじゃない!もう辞めなさいよいい加減。そんな事したって戻ってこないのよ!あの人は。」
みゆき「…わかってる。だから私が逝きたいの。あの人のところに。」
さき「残された側の気持ちはのどうなるのよ!あんた今までも散々後悔したわよね!その後悔を私もするってこと分かって!」
みゆき「…ごめんなさい。」
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ゆう「どうだった?みゆきの様子は。」
さき「…全然ダメって言うべきなのかしら。早くあの人がいなくなる前の明るいみゆきに戻ってほしいんだけどねっ」
ゆう「俺に協力出来ることねぇかな。なんでもするしさ!なぁなんか無いかな。」
さき「ゆうはみゆきのことが大好きだもんね。片思いして何年目よ」←ちょっと笑
ゆう「おい!それを言うなよ!みゆきは昔っから鈍感だから全然気付きもしねぇし。何年目かも、忘れるくらいな。」
さき「あははは」←小声で笑う
りょう「おーい!病院内では静かにしろよ!おめぇら、うっせ!」
さき、ゆう「すいませーん」
りょう「お前等仲良しだよな。本当は出来てるとか!?」
ゆう「おまっ!冗談でも辞めろよ!俺はみゆきが好きなんだ!他の女なんて絶対好きにならねぇよ!」
さき「…。」
りょう「はいはい。お前のみゆき話は耳にタコが出来るくらい聞いてるってーの。」
さき「そうだよ!全くもぉ。」
N りょう 俺は
Nさき 私は
N さきが好き
N ゆうが好きなのに。
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りょう「っよ!元気かぁー?!って元気だったら病院いねぇか!」
みゆき「…。りょうも来てたんだね。」
りょう「当たり前だろ!ちなみに、ゆうもいるぜ!?ずっとお前のこと気にして会おうともしねぇけどな」
みゆき「…ゆうも来てくれてたんだね。」
りょう「一番最初に病院ついたのは、ゆうだぞ!なのにアイツ、チキンだからどう言葉かけていいかわからないーってずっと院内うろちょろして、不審者扱いされてやんの。…まぁアイツらしいけどな。」
みゆき「ゆうっていつも自分のことより私ばっかり。」
りょう「お前ってホントに鈍感だな!」
みゆき「…え?」
りょう「あ、こっちのこと!それよりもだ!ゆうお前そろそろ入ってこいよ!」
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さき「ほら、みゆきに会いに行きなさいよ!りょうがわざわざその為に行ってくれてんだから!」
ゆう「でも、なんて声かればいいのか…」
さき「いつも通りでいいのよ!ほら!はやく!!」
りょう「ゆーうーくーん!」
ゆう「あ、はい!なんでしょう!」
Nゆう 勢いで病室に入ってしまったが
なんて声かければ、みゆきは少しは俺達を見てくれるのか。
みゆき「…ゆう?」
ゆう「あ、ごめんごめん!これ!お前が大好きなジュース!飲めるなら飲めよ!」
みゆき「…ありがとう。でも、冷えてない。」
りょう「1時間以上、ジュース握ってたらそりゃ冷たくなくなるわな!じゃ俺はバイトあるから、さきと一緒に帰るわ!じゃまたな!みゆき!」
みゆき「ありがと。」
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みゆき「…ゆう?」
ゆう「あ、ごめんごめん。来たのに何も話さないとかバカだなぁ俺w」
みゆき「…ごめんね。」
ゆう「なんで、お前が謝んだよ!すぐ謝るくせ直せ!」
みゆき「でも、迷惑かけちゃったし。みんなの記憶から私の存在が抹消してくれたら誰も傷つかないのにな。あはは。人生そんな甘くないか…」
ゆう「俺はみゆきのこと忘れねぇよ。ぜってぇ。忘れねぇ。」
みゆき「…ゆう。」
ゆう「死にたいなんて誰でも思うことだろ?だから止めるなんて出来ねぇよ。ただ、少しでも相談してくれたり、力になれたら嬉しいけど、お前はあの時からずっと止まったまんまだ。あの人がいなくなってから。ずっと。」
みゆき「私のせいで、あの人はいなくなったんだよ。だから私だけ楽しく生きるなんて最低でしょ。同じように苦しまなきゃ。」
ゆう「本当に、あの人がそれを望んでるのか?お前が苦しんでいく人生を。」
みゆき「…。」
ゆう「もし、俺があの人だったら、みゆきににはその分楽しく生きてほしい。…綺麗事かもしれねぇけどな。」
みゆき「楽しく生きるか。」
ゆう「そう。楽しく生きる。それが一番あの人が望んでんじゃねぇかってな。」
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N さき 「あー。私なんでこんな最低なこと考えてるんだろう。はぁ帰ろ。」
りょう「おーい!さきー!!」
さき「あ、りょう!どしたの?」
りょう「家ちけーんだし一緒帰ろーぜ!」
さき「あ、うん。」
りょう「なぁひとつ聞いていいか?」
さき「んー?なぁにー?」
りょう「さきって、ゆうのこと好きだよな?」
さき「…え?そんな訳ないない(苦笑)」
りょう「別に俺に隠す必要ねぇよ」
さき「…。」
りょう「…俺はな!」
被せるように
さき「好きだよ!…ゆうのこと。」
りょう「…やっぱりそうか。」
さき「今、りょう何か言おうとしてなかった?何?」
りょう「いや、なんでもねぇ。」
さき「笑えるよね。みゆきのこと好きなの知ってるし、私だってみゆきが好きなんだけどさ、たまに本当に性格悪いこと考える」
りょう「悪いこと!?」
さき「うん。あのまんま、みゆきは誰にも心を開かなければいいのにってさ。私、本当に最低!!みゆきのこと好きなのにそんなこと考える自分が許せないや。あはは。涙でてきた。」
りょう「…さき。」
さき「りょうは気にしないで!私は大丈夫だから!」
りょう「なぁ、さき。」
さき「ん?」
りょう「俺じゃダメか?」
さき「へっ!?なにいって、、」
りょう「俺はずっとお前のこと好きだった!ゆうのこと好きなの知ってて、それでも俺は!お前の事好きだったんだよ。」
さき「…りょう?」
りょう「そんなこと言ったら、余計さきが辛いだけなのにな。」
さき「…うん。ごめん。今はまだ整理がつかない。少し考えさせてほしい。」
りょう「え、考えるって。速攻で無理って言われるもんかと思ってた」
さき「…。ごめん。タブラかせるようなことして。ただ、りょうに言われて少し嬉しい自分もいた。…弱ってるからかな。」
りょう「まっ俺は、気長に待つぜ!大丈夫だ!!どんとこい!!」
さき「…ありがと。」
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N みゆき
これは、ほんの始まりに過ぎない
Nゆう
ここから俺たちは色んな歯車に邪魔されて大変なことになる
Nりょう こんなはずじゃなかったのに