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最弱のドラゴンは今日も生きる  作者: 因幡うさぎ
第一部
8/8

最弱のドラゴンと直属の彫刻家

 とりあえず今の話を聞くに、大国でもドラゴンを狩るのにはそれなりの覚悟が必要なのだろう。それなら、こちらから攻撃しなければあちらも狩りにくることはない...とは思う。ただ問題は異世界召喚者だ。

 そいつはAランク以上の危機があると召喚されるときた。そして今ここ、人が生活してるような場所の近くにいるのは、中身が弱いSランクドラゴンだ。まあ人は襲わないし、最弱だから召喚されないよね、よね?


「ほう、そうなっているのか。最期に魔法について教えてくれ」


「魔法は大きく7つの属性があり、火属性、水属性、土属性、風属性、光属性に闇属性、そして無属性です。

 それぞれの属性は、それぞれの属性に適したものをMPを消費して使います。MPの数値は鑑定持ちなら、他人や自身を鑑定して、持ってなくても鑑定水晶に触れて自分のは確認できます

 ただ、魔法を使える人はエルフと悪魔以外少ないですね。おおよそ500人に1人です

 そして持ってても属性は1つで、2つは珍しく、3つとなると国で保護されるレベルです」


 ふむ、魔法ね。スキルの欄にある蕎麦生成も魔法なのかな...えーと、蕎麦属性? まあ便利だしいいや。まあ説明受けるのはこのぐらいでいいかな?


「ふむ、説明はもうこれでよい。勉強になった。これでこちらからのお願いは終わりだ。そちらから他に用件はあるか?」

「いいえ、もうございません。それでは失礼してもよろしいでしょうか」

「いいぞ。だがその前に名を教えよう。ワシの名をサトシという。覚えて帰るがよい」

「はい、サトシ様。あ、忘れていました。私の名前はルドルフと申します。ではこれにて失礼させていただきます」


 そういうとルドルフは出口の方へ向かっていき、ジャリジャリという音も聞こえた。来るときは聞こえなかったな、魔法でなんとかしたんだろうか。ふむ、セキュリティの強化を図るか。えーと、ここをこうして...


~ルドルフ視点~


 ああ、サトシ様と契約もできた。それで、これからどうやってこの彫刻を広めるかだが、まずはこの彫刻の認知度を上げなければならない。


 まず僕の彫刻家としての評判を振り返ってみよう。僕は腕はいいと言われてきた。だが、アイデアが中々浮かばなくて、貴族から催促させられていた。結局僕は考えることから逃げて今の状況になっているんだっけ。お陰で貴族の評判は悪いほうだ。


 そんな自分が方法はいくつかある。

 まず、この街で棚に飾れるようなサイズで彫って、安く売って、広める方法。でもそれだと広まるかは運次第だ。貴族の耳に入るとは限るまい。

 次に、再び貴族に売りつけてから広める方法。ただ、問題は逃げてきて今更あの貴族達が許すか、ということだ。

 最期に、商人達に売りつけるという方法だけど、この手はないかな。安く買い叩かれて運が悪いと彫刻の評判すら商人のものになる。信頼できる商人仲間なんていないし。

 

 さて、どの手段を取るか。まあ貴族だろうなぁ......。今戻っても嫌味ったらしいこと言われるし、売れる保障なんてないけど約束しちゃったからな。どうせやるしかない。パーティなどには当然招待されないし、一軒一軒回るしかないのか。明日から大変だなぁ。

 とりあえず今日は彫らなきゃ。取りあえず売るのが重要だから、丁寧に一作品だけ彫ろう。

 自分は、旅用の馬車で人気のない場所まで移動して彫ることにした。石は馬車に2個だけ積んである。


―翌日―

 昨日彫ったのは例の女神像だ。うん、相変わらず美しい。今日はこれを貴族に売りに行くのだ。

 僕は手始めにこの街の下位貴族達へ訪問しに行く。

 到着した。貴族の家は相変わらず豪華だ。僕は門番に、「ルドルフ=エリソンの新作、女神の慈雨はいかがでしょうか。まだ誰にも公開していません」的な内容を伝えてもらうように頼んだ。あのドラゴンの名前を出せない以上自分の名前を使うしかないのはしょうが...ないよね?

 そうして返ってきた答えは「彫刻に興味はない」だった。

 自分は仕方ないと思い、他の貴族の下に当たる。しかし返ってくる答えはどれもこれも「興味ない」などと、断るものだった。


 自分は隣の大きな街まで馬車を走らせた。

 大体予想はできたが、ここでも断られる一方だった。やはり名前が悪いのか。かといって無名でも貴族に相手はしてもらえない。時には罵声を食らうこともあった。僕はルドルフ=エリソンの名前を出し続ける。

 断れ続けた先にたどり着いたのは、彫刻好きで有名な上位貴族の家だった。ここなら、思いつつ訪問をする。


「はい、確認が取れました。中へどうぞ、だそうです。彫刻運びましょうか?」

「お願いするよ」

「ではこちらへどうぞ」


 自分は応接間まで案内される。廊下には彫刻が一定の間隔で空けられており、どれも素晴らしい彫刻だった。中に自分のも混じっていた。あちこち眺めていると応接間まで到着する。数分か待つと、35前後ぐらいの奥方が現れた。


「あなたがかの超一流の彫刻家とも言われていた、ルドルフ=エリソンさんですか」



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