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運命の出逢い(笑)  作者: jouken
2/14

出逢い(笑)は突然に。

暑い。

朝からニュースでは最高気温日本一だのなんのって暑さを強調する天気予報士が映っていた。

俺は今、学校に向かうべく自転車を漕いでいた。

駄目だ。学校まではあと大体2キロ。

しかし2キロも行ける気がしない。

途中でコンビニにでも寄ろうか。

呑気にそんな事を考えていた。


とここで、少し知っておいて欲しい事実を聞いて欲しい。

それは2つの事実。

まず1つ目だが現在時刻は12時。太陽も徐々に高度を上げている。

そして2つ目に彼の学校が始まるのは8時。

これらが指すことは、ただ1つ。

彼は……「4時間近くも遅刻している。」

それなのになんでこんなに呑気に居られるのか。序でに言うとこの少年には異能力モノでよくある“時間操作能力”などと言った小洒落た特性はない。超能力なんて彼にはない。


ウィーーン。

店内に入るとそこはオアシス。

しかし昼時だからか人は多い。

涼みながらも「北アルピスの天然水」を手に取り2つあるレジのうち、空いてる様に思われる方に並ぶ。

会計後もしばらくは雑誌を立ち読みして店内にて涼むことにした。

注)彼は遅刻している。

雑誌を幾つか読み漁り、ふと時計を見ると店に入って約1時間程経っていた。

集中してしまっていた様だ。

注)彼は遅刻している。

充分涼んだしそろそろ行くか。

ウィーーン。


あれ?おかしいな。

気付くとまだコンビニの中に居た。

なに?ほむった?ほむっっった?

いや、そんなことないでしょ。

そんな戻ってまで助けに行く様な友達居ないし…

注)彼に友達なんて言う小洒落た存在は居ない。

俺、男だし。

契約とかしてないし。

なんでまだ店内に居るんだ?この感じ…嫌な予感がする。

注)第六感は働いてない。


種明かしをしよう。

彼は1時ごろ店を出た。

しかし気温は上がっていて入る時よりもだいぶ高くなっていた。

そして、彼の本能は叫んだのだ。

「まだ涼むんだ!!!」

そして今に至る。


まあ、どうせ今日は大した授業は無いし。

いつも通り学校生活をぼっちで過ごすくらいなら家に帰るか。

そう思った時、凄まじい轟音と少し遅れて悲鳴が店内に鳴り響いた。

そして背中側から重い物がかぶさってくる感覚を覚えたのを最後に俺の意識は途切れた。


「……ですか?………さん!………さん!」

ん?

途轍もない頭痛に顔を歪ませながらも目を開ける。耳元にずっと何かを叫ぶ白衣の女性が一人いた。「邪馬素さん!聞こえますか?」

苦しみながらも返事をする。

「大……丈夫…です。」

意識がハッキリとしだすとここは病室だという事に気付いた。

「やっと起きましたか。邪馬素さん大丈夫ですか?倒れた商品棚の下敷きになって…

症状は脳震盪と足の切り傷ですけど痛みはありませんか?」

言われて足に包帯が巻いてあるのを確認した。しかし足に痛みはない。

「頭痛が酷いです。」

「頭痛ですか…でもこう言ったらなんですが、良かったですね邪馬素さん、トラックの直撃は免れて…」

トラック?

ああ、そう言えば俺はコンビニに居てそれから…

脳震盪とは言ったが記憶はハッキリしている。

確認ついでに自己紹介。

俺の名前は邪馬素(やまもと) 由良(ゆら)

歳は17。

高校二年生。

部活は帰宅部で趣味はゲーム。

成績は中の上。

学校ではクラスのみんなから愛されるマスコットキャラクター的な存在になりたい。

注)願望。

両親は2歳の頃交通事故で死んで、そっから祖父母の家に預けられ、大事に育てられた。

祖父は大手貿易会社の元社長で金が腐るほどあるらしい。だから金に困った事はない。

とまあ、俺に関する記憶は充分残ってるな。

うっ、やはり頭痛が酷い。

「コンビニにトラックが突っ込んできて、倒れた商品棚の下敷きになったんですよ!あと一週間は病院で安静ですね、念のためですから無理に動いたりはしないでくださいね。」

「はい…」

これから病室で暇人になるのか…

家からゲームを持ってきてもらうか。


看護婦が戻ってから数分後

ガラガラガラ…

とドアが開く音がした。

入ってきたのは女の子だった。

歳は俺と同じくらい。

肩までありそうな黒髪を1つに結んでいて、顔はとても整っているが睨んでいる。正直怖い。

なんか勿体無い。

「………ボソボソ」

え?なんて言ったの?ねぇ、なんて言ったんだよ?

とてもじゃないけど聞けない。

こんなに目つきが色んな意味で危ない子に聞けないよ。そんなこと…

「……こんばんは。」

え?なにこの子、良い人っぽいじゃん。

「こ、こんばんふぁっ」

自慢のコミュ障を盛大に発揮し噛む&裏返るという最悪の対応をしてしまった。

あ、引かれてる。確実に引かれてるよ…

目が…蔑んでる…

「私の名前は城谷(しろや) (せん)。あなたは邪馬素 由良ね。頼りなさそうだけど、宜しく。」

え、いや、ちょっ宜しくって…まっ…え?

「ど、どどどーいうこととですかね?」

よし、よく言えたぞ俺。

「あなたにはこれから私のパートナーになってもらうわ。もっといい人だったら良かったんですけどね。」

なに?なんで全く事情が分からないのに初対面の相手に罵倒されなきゃなの?なんでなの?

「いや、ああの、ごごごめんなさい、

すみません、どういうことですか?

パパパパートナーって…?」

「あら?説明文は届かなかったの?親からも説明はなかった?」

「そんなもの届いてないですし親は居ないです。」

あれ?自然に話せてきてね?コミュ力成長してきてね?凄いな、俺。

というより説明文?どういうことだろう…

「じゃあ、あなた、腰に二匹のカラスの形の痣の様な物があるでしょう?」

ん?ま、まさか…

産まれてこの方不思議だった。

この位置。

この形。

これの正体。

これらの謎が全て明かされるのか…

「いえ、そんなの無いです。」

なんて、二匹のカラスの形の痣どころか腰には痣さえない。

「え?な、ないの?嘘でしょう?」

彼女の顔がなんか紅潮してきている。

怒りなのか羞恥なのかそれらはさておき…

すると彼女は肩から掛けたバッグに手を入れ携帯の様な物を取り出してどこかに電話を掛けだした。

「ちょっと!どーなってんのよ!彼じゃないっていうの?なんで私がこんな赤っ恥をかかなきゃいけないの!?説明して!」

……え?あんなに物静かだった人が…まるで人が変わった様だ。正直騒がしい。煩い。

「ま、まあ、とにかく!また来るからっ!!」

そう言ってブツブツ文句を言いながら病室を出て行った。

残った疑問はただ1つ彼女は誰なんだ?


こうして彼らは出逢った。

そして始まる。

戦いが。もしかしたら恋が。

取り敢えず本編第1話です。

取り敢えず書溜めを投稿して、尽きたら不定期で上げて行きます。

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