大学生活1年目①
忘れもしない2002年・・・
大学生活に合格した一留は2002年2月、新たな住居(城)を求め東京都は水道橋を訪れていた。
父親は仕事場が東京という事もあり、都内には詳しくいくつかの候補地を絞り込んでいたようだ。
当の一留はというと、トイレ、バス別、新築で学校のある水道橋周辺は友人のたまり場になるという事を恐れ、少し離れた場所で、最寄り駅まで1本(乗り換え無し)という立地を希望していた。
その結果、新小岩もしくは板橋区という立地条件に絞り込まれた。
最終的に板橋区に居城を構える選択をしたがこれが後々だめ人間を生産してしまう要因の一つになるとはこの時は思いもよらなかった。
3月も後半、入学式を3日後に控え新居へと移住。
親元を離れての初めての一人暮らし。
不安もあったが期待のほうが大きかった。
最初に行ったことといえばインターネット回線(当時はADSL、CATVネットがはやりだした頃)を通す事で、実家のISDN回線との違いを肌に感じる事が出来る事に一留は希望に溢れていた。
四苦八苦しながらも1週間後に回線工事をしてもらうことを業者に約束をとりつけ、初めての夕食作りにとりかかる。
初日の献立は白米とインスタント味噌汁、ごはんですよという非常に質素な食事であったが、初めて自分で炊いた米を口にした感動といったら実家で普段食べている米と変わらないはず、もしかしたらそれよりもまずいかもしれないレベルの食事が非常においしく感じ母親に電話で感動を報告した。
必要家電はすぐにそろえたが、TVだけは到着するのが遅いらしく、
最初の1週間はTVのない生活となってしまったが、隣人へ引越しの挨拶をした際、
同年代の北海道から出てきた青年だという事がわかり、図々しくもTVを見るために無理やり上がりこんで生活した事が記憶深い。
入学式までの間の2日間はネットもない、テレビも無い状態なので、
実家暮らしの時には購入した事のなかったエロ本を買い込み十分に堪能。
近くのデパートやスーパーに買い物をしにでかけ、お気に入りのやきとり屋やオムそば屋、餃子の王将の発見をする事となる。(この3店は大学生活5年間お世話になった)
また、東京に来たからにはいなかっぺは卒業しようと、東京に住んでいる人っぽい事=都会の街中を散歩するという図式が成り立ちいざ発達した都市へ進出しようと試みるもかっぺであるが故にどこの街が若者でにぎわうようなウィンドウショッピングを楽しめる街かというのもわからなかったため、
当時の一留でも知っていた都会の路線「山手線」が停車する街であれば都会だろうという安易な考えを元に山手線の停車する最寄駅、「巣鴨」を散歩し、ウィンドウショッピングし、シティーボーイの仲間入りを果たそうと早速巣鴨の街へと降り立った。
巣鴨の駅を出てみた感想は「ふむ・・・?」であったが、
駅周辺が必ずしも発達しているわけではないと踏んだ一留は右斜め前に見える吉野家で昼食を取ることも目的として目印として歩きだした。
当時は知る由も無かったが、偶然にも昼食をとる事を目的として目指した吉野家のある通りは「刺抜き地蔵通り」(だったっけ?)であった。
昼食を終え、腹も膨れたところでご機嫌になった一留は人通りが多いその通りを見て、「やはりな・・・」と何がやはりなのかわからないが、妙な安心感と満足感に包まれながらその通りを歩いた。(闊歩)
途中、若干の違和感は感じたものの、その違和感の正体に気づかない一留はとある行列を発見。
今でこそ「スウィーツ(笑)」という言葉があるが、当時はそのような言葉は無かったと記憶しており、しかしその行列は都会で良く見る光景の「人気店であるが故に出来る行列」である事を意識の奥深いところで認識した一留は、何の行列であるかも確認せずに行列に並ぶ事になる。
並び始めて20分、ようやく行列の先頭が見えてきたが、受け取っているものが饅頭であり、また並んでいるのはご老人ばかりという事に気づいた。
そこで初めて違和感に気づくことになるのだが、途中で列を抜けるのも田舎っぺを露呈するものだと思い、最後まで並び饅頭を一個買った。
店員はものめずらしい生物でも見るように私を凝視し「一つだけですか?」と再度繰り返したが、当の一留は「んなこたぁどうでもいい!さっさと饅頭をよこせってんだ!」と大声で叫ぶことは出来ず「一つ・・でいいです(照)」と言いながら饅頭を受け取るのだった。
都会はやはり怖い・・・と思いながら饅頭を食べながら家路に着いたことを記憶している。
入学式を翌日に迎え、このままではなめられる!!と自分の恰好を気にしだし、
眉毛を整えるための器具とワックスを購入。
眉毛の整え方などしらない一留は少しやりすぎた感を感じつつも眠りにつき、
入学式当日の朝を向かえ、ワックスをつけて学校へむかったのだった。
※おしゃれに全く興味のなかった童貞が眉毛を整えるとどうなるか?後日、地元の仲間と会う事になるのだが、その時にわかることとなる。