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初投稿です
外から、銃声がする。
大砲の音がする。
地面が揺れる。
侍女の悲鳴が聞こえる。
そして_______愛しのあの方の声がする。
…私には、何ができるのだ?
外が見えぬこのテントの中で、守られているだけの私。
"神子"なのに、神からの使いであるというのに…
愛しの人1人も守れやしない。
いや、私は怖がっているだけなのだ。
この"力"は飾りではない。
だから、守るのだ。
あの方を
世界を_______
「神子様っ___」
侍女達の制止を押し切って、テントの外に出た。
空は黄土色で、
地はどす黒く、
あちこちで噴煙が上がる。
そして、この戦場の真ん中で戦う
我が愛しの人。
ドラゴンの姿形でも、私にはわかる。
あの方は、私を守ってくれているのだと_____
だから歌う。
だから救う。
この世界を、救うのだ________
口ずさむその歌は、
戦場に広がり、
国中に広がり、
そして世界に広がった。
世界は、白いベールで包まれた_______