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物理特化の回復職  作者: 昼熊
入園編
6/42

自己紹介

 ライトが新たな寝床を手に入れてから一週間が過ぎ、入園初日を迎えた。

 大聖堂にて新入生を迎え、イナドナミカイ教の最高位である教皇からの有難い教えを、欠伸を噛み殺しながら聞き流していたライト。

 いつもと変わらない薄い笑みを維持しながらも、周辺から突き刺さる生徒からの視線を感じ取っている。


「あいつがライトか……」


「フォルデン様、ロイマス様を敵に回したんだろ。あまり親しくならない方がいいぞ」


「だよな。関わらないでおこう」


「優しそうに見えるのに、意外だわ……」


 そこら中から生徒たちの囁く声が流れてくるが、ライトとしては全く気にも留めていない。陰口を叩かれることも、のけ者にされることも村での生活で慣れてしまっていた。

 むしろ、関心を示してくれているだけ、こっちの方がましだと考えている。


「光の神は闇の邪神との戦いでその力を使い果たし――」


 いつの間にか、教皇の話は光と闇の神との戦いへと移っている。この国の住民であるなら誰もが知っている神話。田舎出身のライトですら、その物語は聞き覚えがあった。

 何百万年もの昔、喜びや楽しみを司る光の神と、悲しみや怒りを司る闇の神が、この世界の均衡を保っていた。互いを尊重し、仲の良い二神だったのだが、ある日、闇の神が反旗を翻す。

 悪魔と呼ばれる邪悪の化身を生み出した闇の神は、人々を蹂躙し、光の神を滅ぼそうとした。

 それに抵抗すべく、光の神は従神や天使の力を借り、立ち向かう。


 何百年もの長きに渡り戦いは続いたが、光の神が闇の神を切り裂き、勝利を収める。

 だが、完全に滅ぼすまでには至らず、分断された闇の神の欠片を各地に封印するしかなかった。

 そして、今も光の神は闇の神の復活を妨げる為に、長い眠りについていると。


「聞き飽きた、昔話ですね」


 ライトの独り言に前後左右の生徒たちが反応するが、関わりたくないので何も言うことは無かった。

 ライトの癖の一つに独り言がある。

 特殊な環境で育ったライトは村に友達が一人もいなかった。それどころか、優しく接してくれる人は母のみで、村八分の生活をあの日まで続けていたのだ。

 その影響で動物や植物に話しかけることが日常となり、独り言が癖になってしまっている。思ったことを、つい無意識の内に口にしてしまう。意識して止めようと思ってはいるのだが、中々直らず今に至る。


 教皇の話が終わり、各自が教団敷地内の西側に建てられた、三階建ての校舎へと移動を始めた。

 校舎は石造りの建造物で、かなり強固な造りをしている。元々は魔物の襲撃に備えた避難所だったらしいのだが、百年以上前から生徒たちの学び舎として利用していた。


 教室に戻る前にトイレで用を足したライトが教室に入ると、既に他の生徒たちは入室済みで、扉を開けたライトに視線が集中する。

 好奇心溢れる視線を向けてくる生徒や怯えている生徒。睨みつけてくる生徒までいるようだが、ライトは口元に笑みを浮かべ余裕の態度で、窓際の空いている席に腰を下ろした。

 普通の青年であれば、これだけ注目されると居心地が悪いものなのだが、表面上は平静に見えるライトの豪胆さに、一部のクラスメイトは更なる興味を抱いている。


「おー、みんな揃っているな。今日からキサマらを教育することになった、担任のカリマカだ! 以後よろしく頼む!」


 豪快に扉を開け放ち、大声で挨拶をした教師の顔をライトは知っていた。

 筋力検査と模擬戦の控室にいた男に間違いないと。


「初めに言っておくが、この6組は成績が悪い、神聖魔法に適性が無い、扱い辛いといった面倒な奴らが集められたクラスだ。だが、安心しろ。俺はそういったお前らが大好きだ! 聖職者ってのは表面上は外面が良く、礼儀正しく、盲信的な奴らが多いイメージだが、そういう表向きは模範的な奴らの腹の中が一番腐っている。それはライトアンロック、お前は身に滲みて体験しただろう?」


 急に話を振られたにもかかわらず、ライトは慌てることなく「そうですね」と答える。


「即答しやがったか。ますます気に入った。まあ、あれだ、他の教師は知らんが、俺の授業では堅苦しい言葉遣いはいらんぞ。じゃあ、定番の自己紹介といこうか。何人かは既に名の知れた者もいるようだが、物事は初めが大切だからな」


 担任のカリマカから向かって先頭の右手から自己紹介をしていく。

 順に席を立ち、名前を告げ座る。殆どがそれだけだったが、中には強烈な個性を見せつける生徒もいた。


「自分はセイルクロスという! 神官戦士を目指している! 将来的には聖騎士長になるつもりだ! 皆、よろしく頼む!」


 合格者発表の日にライトに話しかけてきたセイルクロスが、教室の窓ガラスが振動で揺れる程の大声で挨拶をする。


「元気がいいのは好みだが、もう少し小声で頼む」


「ハイ、教官殿!」


 セイルクロスはびしっと背筋を伸ばし敬礼すると、素早く席に着く。

 彼の後に自己紹介をすることになった生徒たちは、いい意味で肩の力が抜けたようで、自己アピールや冗談も交える余裕がある者も出てきた。

 クラスの半分以上が終わった時点で、次の番となった生徒が席を立つ。目深に被っていた、制服のフードを外した少女の顔を見て、周囲の生徒たちから「おおっ……」と感嘆の声が漏れる。

 艶やかな黒髪に、穏やかに微笑む横顔の美しさに見惚れる者が続出していた。


「皆様、初めまして。助祭希望のファイリと申します。緊張で上手く話せませんが、今後ともよろしくお願いします」


 騒めく声に教室が満たされる。優秀な生徒であるとの前評判も高いファイリが何故6組にいるのかと、現状を理解できない声が至る所から上がっている。


「おーい、動揺するのもわかるが、ちょっと話を聞けー。ファイリは本来なら1組に選ばれたのだが、当人の強い希望により6組へと編入した。男子共、ついていたな!」


 煽る教師の声に、更に騒ぎ声が大きくなるのだが、渦中にいるファイリは少し照れたように小さく手を振り、はにかみながら生徒たちへ軽く頭を下げ、席に着く。

 ちなみにファイリの心の声は、


(ちょろいな男は。大人しくて、照れているふりをしたら一発だぜ! 女の嫉妬が一番怖いからな。程々にしないと駄目だが)


 酷いものである。


 その後は無難な挨拶が続き、このままだと最後に自己紹介となるライトの直前、右隣の席に座る少女に順番が回ってきた。

 ライトは気にもしていなかったのだが、その少女もこの教室でかなり異質の存在で、ライトと同様に注目されていた。


 何が人目についたのか――それは格好である。

 イナドナミカイ学園に入園した生徒たちは制服として、白の法衣を支給される。前をボタンで止めるロングコートのような服装。男子は女子に比べて丈が短い代わりに、下に白のズボンを着用する。

 ファイリが使用していたフードは取り外し可能で、使用率は半々といったところだ。

 ほぼ全員が制服を着用しているのだが、その少女だけは違った。デザインとしては制服の法衣なのだろうが、まず色が違う。

 純白ではなく濃い緑なのだ。おまけに、前を閉じずに開き、中に着こんでいる袖なしのシャツと丈の短すぎる短パンから伸びる、健康的な脚が嫌でも目に入る。


 更に同年代の女性と比べてかなり魅惑的な身体つきをしているので、露出の高い格好に男子生徒たちの視線が集中してしまう。

 頭にはフードではなく鍔の広い帽子を被り、それも法衣と同色に染められている。そんな見た目に加え、机に脚を乗せ、椅子を傾けて腕を組む態度の悪さ。目立つなという方が無理である。


「我はマギナマギナ。偉大なる魔法使いだ。無力で無能な者共よ。精々、我の邪魔はしてくれるなよ……じろじろ見るな、くそが」


 名乗りの後に小声で呟いた言葉に、ライトの眉根がピクリと動く。あまりに小さな声だったので他の生徒には聞こえていなかったようだが、また個性の強い人が現れましたね。と自分を顧みずに小さく息を吐いた。


「ほう、キサマが全属性の魔法を行使することができるという、天才魔法使いマギナマギナか。良い具合に尖っているな。いいぞ、いいぞ。数年後、思い返して後悔しそうな感じがたまらんな」


 どう見ても聖職者らしくない奇抜な格好のマギナマギナを咎めることなく、カリマカは心底嬉しそうに破顔する。どうやら、6組の変わり者は生徒だけではないようだ。

 どよめくクラスメイトを無視して、ライトは立ち上がる。


「ライトアンロックです。田舎からやってきたもので、都会の常識も礼儀作法も良くわからず、皆様に迷惑をおかけするかもしれませんが、仲良くしていただけると嬉しいです。これから、よろしくお願いします」


 教室内がシーンと静まり返る。

 さっきまで騒いでいたのが嘘の様に、生徒の誰もが口を開こうとすらしない。背筋をピンと伸ばし、微動だにせず、正面を向いている。

 権威に屈することなく、その怪力で全てを破壊する者。関わってはいけない最注意人物というのが、ライトに対する大半の生徒の認識である。

 一部の生徒は自然体のまま、視線だけをライトに向けている。興味深げに見つめる男子生徒もいれば、殺気を含めた視線を飛ばす女生徒。興味がないような素振りを見せながら、観察している者。

 そんな視線に晒されているライトは、挨拶にはジョークを混ぜておくべきでしたか。と見当違いの事を考えていた。


「よーし、全員の自己紹介が終わったな。それじゃあ、今後の授業について軽く説明しておくぞ。基本的に午前中は、イナドナミカイ教の成り立ちや、信徒としての作法についての勉強。そして神聖魔法の訓練だ。午前の授業は各分野の先生が来てくださるから、そこでは言葉遣いに気を付けろよ。やたらと厳しい人がいるからな」


 カリマカのような教師は極僅かで、だいたいは礼儀作法に厳しく、教義を重んじる模範的な信徒が多い。


「でだ、午後からは実技だな。俺が戦いのノウハウを叩き込んでやる。っとそうだ、言い忘れていたが、一年生の間は助祭希望も神官戦士希望も同じ授業を受けてもらう。一年間は神聖魔法も初期魔法と幾つかの簡単な魔法を教えるのみなので、助祭、神官戦士共に覚えておいて損は無いからな」


 二年になると助祭と神官戦士は授業内容も専門的なものへ移行するので、受ける授業が異なるのだ。


「実技もそうだ。前衛として活躍する神官戦士は当たり前だが、後衛の要である助祭も回復魔法だけ鍛えればいいという訳じゃない。最低でも自分の身は自分で守れる程度の護身術は覚えてもらう。回復役であるお前らが死んだら、そのチームは壊滅したも同然だからな」


「あの、先生。卒業後は生まれ故郷の街に戻り、教会で働く予定なのですが」


 生徒の一人が手を挙げ、質問をした。

 生徒の何人かも同じ道を進むようで、よくぞ質問してくれたと頷いている。


「毎年ある質問なのだが、卒業後の進路が決まっていて冒険者ではなく、争いごとのない生活を営むつもりの者にとって、戦闘術は必要ないと考えるのは良くわかる。だがな、この学園の卒業条件を知っているか?」


 質問を返された生徒は、即座に返答をした。


「授業を全てこなし、卒業試験に合格すればいいのでは?」


「それは間違いじゃねえ。だがな、卒業試験の一つに、この首都にある聖者の迷宮10階層到達というものがある」


 ニヤリと意味ありげな笑みを浮かべる教師。


「知っていると思うが一応説明しておくぞ。迷宮とは魔物が住み着いている洞窟や塔を指す。迷宮によって詳細は異なるが、聖者の迷宮は一階層二階層と地下に下りていく形になっていて、下に潜れば潜るほど敵が強くなる。あと、聖者の迷宮の特徴は敵の種類が、不死属性、闇属性のみということだろう。つまりこれがどういうことか……ファイリわかるか」


 カリマカに名指しで質問されたファイリは慌てることなく、考える素振りすら見せずに即答する。


「神聖魔法を行使する、我々聖職者と相性の良い敵だということでしょうか」


「正解だ。魔法は四大元素を操る魔法と植物を操作する木属性、闇属性、神聖魔法とに分けられている。属性は苦手とする属性が必ず存在し、闇や不死属性は光属性である神聖魔法にやたらと弱い。故に聖職者の育成に最も適した迷宮と言えるだろう」


 この迷宮は一説によると、遥か昔、神聖魔法の使い手であった聖人が、後継者の育成の為に作ったと言われている。そもそも、迷宮の成り立ちや存在は未だに不明で、最下層に住む強力な魔物を倒せば、その迷宮は消えるということ以外は殆ど何もわかっていない。


「先生、聖者の迷宮は何階層まであるのでしょうか!」


 セイルクロスが勢いよく立ち上がると、鼻息荒くカリマカへ大声を張り上げる。


「今のところ52階層まで突破した者がいるが、その先は不明だ。興味があるなら、いつか挑んでみればいい。でだ、話を戻すが、何故迷宮の10階層突破が卒業の条件かというと、キサマらは魔物を倒せば人は大きく成長することを知っているな。倒した魔物の力を吸収して人は更なる力を得る。そして、ある一定の敵を倒すと身体能力が格段に上昇する。我々は恩恵と呼んでいるがな」


 この世界では誰でも知っていることなのだが、人は魔物を殺すと強くなる。それも、強い相手であればあるほど、その恩恵は大きい。

 そして、その強さは段階と呼ばれ、数値として表示される。遥か昔はレベルと呼称していたようだが、今では段階と呼ぶのが一般化している。

 魔物と一切争うことなく、殺生も行わなかった者は生涯1段階のままだ。

 魔物を倒すことを生業としている冒険者や兵士、傭兵等は20段階を超えていれば、中級と言われている。段階を調べられるのは一般的には冒険者ギルドのみと言われていて、自分の段階を知る為だけに冒険者登録をする者もいるぐらいだ。


「でだ、段階が上がれば身体能力が飛躍する。つまり、精神力が増えれば何度も治癒魔法が使え、筋力体力があれば重い物でも軽々と運べるようになる。将来、教会で一生終えるにしても、教会に傷ついた者が運ばれることなんてざらだ。多くの怪我人が運ばれてくるような災害に遭遇した際に、精神力が足りないから二三人しか怪我を治せません。力が無いので瓦礫の撤去も物資の運搬も手伝えない。とでも言う気か?」


 カリマカの目が鋭くなり、質問した生徒が息を呑む。

 小さな町や村に駐在している聖職者に人々が最も望むことは、神聖魔法の活用だ。

 魔物が当たり前の様に徘徊する、この世界において大怪我を負う者は少なくない。そういった場合、薬草などの治療法もあるが、やはり即効性があり治癒力が薬とは比べ物にならない、神聖魔法を頼ってしまう風潮がある。

 もっとも、教会側もお布施という名の治療費を頂いているので、治療行為は貴重な収入源なのだが。


「それにだ。この世界は物騒だ。いつ何時、魔物や賊に襲われるとも限らねえ。ある程度強くなっておいて損は無いぞ」


 説明に完全にとは言わないまでも、ある程度は納得できたのだろう。

 他の生徒もそれ以上質問することは無かった。


「まあ、他にも色々知るべきことや疑問はあるだろうが、それはおいおい説明していく。他の先生の授業で学べることもあるしな。あまり詰め込むのも毒だ。今日はこれぐらいでいいだろう。今日はこれで終わりだ。本格的な授業は明日からとなる。教科書や必須の持ち物の確認を各自しておくように」


 教師が終わりを告げ、教室から出ていくと生徒たちは帰り支度を始める。

 ライトも同様に帰ろうとしていると、机の前に生徒が一人やってきた。


「ライトアンロック。お主の戦いを見せてもらったぞ! そこで、頼みがある! 自分と勝負をしてくれまいか! 自慢ではないが、同年代で自分より強い者と今まで遭遇したことが無い! お主のような猛者を見ると血が騒いで仕方がないのだ! 正々堂々の一騎打ちを所望する!」


 セイルクロスが鼻息荒くライトに迫り、唐突に勝負を申し出てきた。

 帰る寸前だった生徒たちも足を止め、二人の成り行きを見守っている。


「お主程の強者が、まさかこの勝負から逃げはせ――」


「お断りします」


 それだけを笑顔で口にすると、背負い袋を持ち上げ、ライトは立ち去ろうとした。

 しかし、その肩をセイルクロスががっしりと掴み離そうとしない。


「何故、男の戦いを避ける」


「面倒だからです」


 縋るセイルクロスをライトは言葉でバッサリと切り捨てる。


「もしかして、ライト様は自信がないのですか?」


 いつの間にかライトの近くに歩み寄ってきていたファイリが参戦してきた。

 普通なら争いを止める場面なのだが、ファイリは何故か煽ってきている。表面上は穏やかに微笑んでいるのだが、ライトはその瞳の奥の濁った光を見逃さなかった。


「ええ、自信がありませんので、失礼しますね」


 ライトとしてはただでさえ悪目立ちしているので、これ以上、厄介事には関わりたくないというのが本音だ。


「待てライトアンロック。戦いを受けぬというのであれば、こちらにも考えがある」


「考えですか……」


 急に声のトーンを落としたセイルクロスに剣呑なものを感じ取ったライトは、すっと目を細める。


「毎日、毎回、何度も勝負を申し込むぞ!」


 たちの悪い迷惑行為を堂々と胸を張って宣言するセイルクロスに、ライトは呆れ果て小さく頭を振る。


「勝手にしてください。何をしようと受けるつもりはありませんよ」


 そう断言したライトの辛い日々がここから始まる。

 次の日の朝、教室に入った途端、巨体を揺すりながらセイルクロスが突進してきた。


「ライトアンロック、勝負を申し込む!」


 一時限目の授業終了後の休み時間が終わるや否や、セイルクロスが駆け寄ってくる。


「さあ、勝負をしようではないか!」


 昼休みの昼食中。食堂の片隅で静かに昼食を取るライトを発見したセイルクロスが、手に本日のおすすめ定食大盛りを抱え、ライトの前の席に陣取った。


「ふぁあ、ひょふふひゃ!」


 そして、食べかけの食事の破片と共に勝負が挑まれる。

 午後の授業が終わり、ライトが家路につく途中、墓石の後ろにセイルクロスが隠れているのを発見した。あまりの巨体の為、体の半分も隠せていないが。


「ライトアンロック! 勝負はいつにする!」


 飛び出してきたセイルクロスの横を無言で通り過ぎるライト。

 そんな日常が三日続いた、次の日。


「わかりました……ただし、条件があります」


 あまりのしつこさに、ライトが折れる羽目になった。


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