序章 【厨二病】自作小説の序章に「プロローグ」とか付けちゃってる奴ちょっと来いwww【乙ww】
第一節 プロローグ
紀元前三二一九年、カナン(地中海東岸に面する、死海、及びヨルダン川に囲まれた地域の古称。)地方の南端に位置する都市ラファフのさらに南、とある寒村。遠浅の地中海を眼前に臨む小さな荒[あば]ら屋に強烈な曙光[しょこう]が照り込む。この地方には東方に広大なネゲヴ砂漠(総面積13,000kmに上[のぼ]る逆三角形状の岩石砂漠。古典ヘブライ語で「南」を意味する。)が広がっている為、砂の反射で旭日[きょくじつ]が一段と眩しいのだ。一部屋しかない家の中まで入り込んだ日脚[ひあし]は、麻[あさ]で出来た簡素な寝床に川の字になって寝ている家族の顔を照らす。
「ん…」
徐[おもむ]ろに呻[うめ]いて、十五歳位の少年が起き上った。小麦色にこんがりと日焼けした小柄な身体[からだ]には、体格にそぐわない筋肉が隆々と盛り上がっている。
〈未完成〉
第二節 西暦2339年
4月の花曇りの空は銀鼠色[ぎんねずいろ]に輝き、町の中央に聳[そび]える尖塔[せんとう]群は、雲海にその首を埋[うず]めている。24世紀――もっとも、人々は既に欧州中心主義を表象していた西暦などとうに用いなくなっていたが――世界は、また一つ、大きな変化を遂げようとしていた。
遡[さかのぼ]ること17年、世界が干戈[かんか]を交えた対戦からちょうど50年の節目を迎えようとしていた時のこと。当時46歳であったイジドア=アインシュタインは国際宇宙探査局、ISIAの最高局長を務める傍ら、TOKYO大学天文科の理事長として教鞭をふるっていた。