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プロローグ

 アシュラム地方の雨は冷たく、鬱陶しかった。ぬかるんだ土は走りにくいし、水を吸った服は疲れた身体にずしりとくる。なにより体温がどんどん奪われていた。

 命のやり取りの最中では、悪条件はどんな落とし穴にもなりうる。

 レイジの額から、血が飛沫となって散った。受け損じた刃が、左の額からこめかみまで薄く裂いていく。

 熱い痛みをこらえ、レイジは地を蹴った。トドメと放たれていた二撃目は目標を失い、雨の斜線を切り裂くにとどまる。

 舌打ちしたのは騎士軽装を着た青年だった。軽装であるレイジよりも重くて動きにくい武装だが、それを身体能力と技量でカバーしている。アッシュブロンドの髪から水を迸らせるほどの勢いで、青年はレイジへと向かってきた。一気に仕留める気だ。

 魔術か、それとも剣でいなして体力を奪うか。

 一瞬の判断に迷った、その時。

「……っ」

 流れた血が片目の視界を塞ぐ。

 互角の敵を相手に、致命的なハンデだ。

 案の定、相手の騎士は間髪を入れず剣を突いてきた。死角となった左からの連撃に勘で合わせるが、力の入らぬ剣は容易に弾かれる。

 翻った切っ先が心臓を貫いた。

 レイジは膝をつき、自らの胸に刺さった剣と、その持ち手を見やる。

「――ちょっと容赦なくない?」

「悪いが俺は、訓練に遊びを持ち込まん」

 青年――クラスメイトは静かにそう言い放ち、手首をひねる。

 それが終わり。心臓を抉られたレイジの命が尽き、視界が暗転する。


 同時に、本当の世界が目前に蘇った。 

分量は思考中。書きためて投稿予定。

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