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昼1

昼。


珍しく雨が降っている。

青ウサギは黒ウサギに雨合羽を着せてもらいながら、開け放たれた玄関の外、つまりは雨降りを目を輝かせて見ていた。

「出来ました」

黒ウサギが言うや否や、たたっ、と外に飛び出す。

「お願いしますね」

黒ウサギは青ウサギの後を追って歩いて行った赤ウサギの背中に声をかけた。


「さて」

黒ウサギは手早く仕事を始めた。


飛び出した青ウサギは、空を見上げる。

「わあ」

目を輝かせて雨を見ている。

「青ウサギ」

「何なに?」

うきうきと赤ウサギを見る。

「執事が帰る前までゆえ」

自分の身長とあまり変わらないハリセンを肩に乗せて言う。

「赤ウサギ、何するの?」

「草刈なれば」

「じゃあ気をつけないとね!」

青ウサギは、ぱたぱたと走って距離を取る。

赤ウサギは青ウサギを視界に入れながらハリセンを振り回す。伸びた草が器用に刈り取られていく。刈り取られた草が舞うのを青ウサギは目を輝かせて見ている。

「すっごーい!赤ウサギ」

ぱちぱち拍手を送る。


暫く草刈をしていた赤ウサギだったが。

「飽きた様子」

ポツリとつぶやく。青ウサギがしきりに、刈った後の草まみれの合羽を気にしている。

刈った端からきゃあきゃあ言いながら転がるものだから、合羽だけでなく、身体も顔も草まみれだ。

「赤ウサギぃ」

青ウサギが涙目で訴える。

「動きにくいから脱いでいい?」

「黒ウサギの合羽ゆえ」赤ウサギには脱がせることができない。

「うぅぅ。黒ウサギに脱がせてもらうぅ」

屋敷に走り出そうとする青ウサギに一言。

「暫く外に出れぬゆえ」

「え!?出られないの!?」

「嵐が来るゆえ」

「お外に出られないの!?どうして!?」

嵐だからだよ、と赤ウサギは思ったが、口にしたのは別の台詞だった。

「飛ばされるゆえ」

「え。嵐って飛ばされちゃうの!?」

「左様」

「ダンフォルディア帰って来れるの!?」

一瞬、言葉をなくした赤ウサギだったが。

「執事は大きいゆえ」

ここは強い、の方が良かっただろうか?よもや青ウサギが「帰って来なけりゃいいのに」などと言うことは無いだろうが。

「じゃあ大丈夫だね」

ほっと胸をなで下ろす青ウサギ。あんなに酷い扱いを受けてるのに、と今朝の事件を思い出さずにはいられない赤ウサギだった。

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