‥G‥
俺は
奴の事を
Gや、プチ黒と呼んでいる。
俺は、冬 以外は嫌いだ。
夏は機械で部屋を寒くする。機械的な寒さは、お腹が急降下するからだ。
それに、冬以外は……奴が出る。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
夜中に女が叫んだような悲鳴が聞こえた。
「どうした!?」
「ごっ……」
「待て! 言うな! ……G……と言え!」
「ジィーが……」
「わぁぁぁっ、止めろぉぉぉっ。皆まで言うなぁぁぁぁっ」
俺は、慌てて阻む。
俺は、奴が嫌いだ。
その名を聴くだけで、身震いがする。
「どうするの?」
弟が俺に聞いてくる。
ちなみに、悲鳴を上げたのは弟だったりする。
「……退治でき無い」
叩くと、ブチッと成るし……
……あぁ……気持ち悪い……
スプレー噴射しても、とてもゴミ箱へは捨てられ無い。
……あぁ……嫌だ……
躊躇している間に逃げられた。
以前にカーテンを閉めようとしたら、奴が、俺の腕を、俺の腕を、俺の腕を……
俺の腕をぉぉぉぉぉぉっ。スタスタと……
ギャァァァァァァァァァッ
……気持ち悪~い……
身体中の何かが、ざわめく。身の毛もよだつとはこの事だろうか。
その後の俺は言う迄も無い。
石鹸で、何度も何度も洗ったに決まってる。
……奴が居ない場所に住みたいと、心底願っている。