お風呂の入りかた
今日の晩飯は麻婆豆腐だ。家はいつも麻婆丼にして食べている。育ち盛りの俺は丼一杯では足りない。
育ち盛りの俺は丼一杯では足りない。
大事な事なので二回言っておく。
(作者「横にな!」)
そこ、煩いよ!
アイツはお風呂中なので、お代わりをしても良いか聞きに行く。
コン、コン、ココン、コン(雪ダルマ作ろ~)の音に合わせてノックする。
「………」
返事が無い。
まぁ、アイツの裸なんか見ても何とも思わないし、逆にみっともないものを見たくも無いのだが、と思いながら、バン! とドアを開けると
「……………………………あれ?」
いない。
浴室の電気は点いているのに、浴槽のふたは閉まっている。
なんで?
俺は、脱衣場を振り返ってみたり、浴室をまじまじ見たりして探してみる。って言っても隠れる所は無いのに。
えっ? 透明人間? は? どこ行った?
俺の「あれ?」からだいぶ経ってから「何か用か?」と返事があった。
声は浴槽の中から聞こえた気がする。
こんなかに入ってんのか?
どんな風に入ってんだ!
非常に興味はあるが、俺は変態じゃないから、浴槽のふたをひっぺがしたりはしない。
やりたいが、ぜったいにしない!
俺は、はっとして本題を思い出した。
あまりに強烈だったから、何しに来たのか忘れるとこだった。
「麻婆豆腐、お代わりしてもいい?」
「いいよ」
即答かよ!
たったこれだけ聞くのに、どっと疲れが出た。
アイツが風呂から上がって、一時経った頃
「ねぇ、さっきさ、コイツにお代わりしていいか聞きに行ってさ、風呂の戸を開けたら浴槽のふたを閉めて入っとったんバイ!!!」
皆、さぞ驚くだろうと思って言ったのに、誰も驚かない事にびっくり!!
弟は「うん。そうだよ」と言ってるし、イッサさんは、だからどうした。と言うような目で俺を見てくる。
「なんで驚かんと?」
これって普通の事なの? 知らなかったのって俺だけ?
「イッサ君もやるもんね」
アイツはそんな事言ってるし、
何なの? この家族………
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ふたを閉めて入ったら暖かいのです。




