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卵焼き

 休日は大抵昼過ぎに起き出す。リビングではアイツと弟が食事中。姉1号と2号はバイトやら何やらで居ない。


 おかずを見てみると昨晩の残りだ。


「これだけ? 他には?」


「これだけ」


 アイツの素っ気ない返事。


 あーーー。何か作ろうかなー。と言っても作れねぇし。簡単な物、簡単な物……あっ、そうだ! 卵料理なら作れるかも。でも目玉焼きは好きじゃないから。


「よし。じゃあ卵焼きでも作ろうかな」


「え~。出来るのぉ?」


「出来るし、それくらい!」


 料理人を目指すんだからこれぐらい出来ないとなっ。アイツはあっちでご飯を食ってるけど……。これぐらい聞かなくても一人で出来るし。


 えっと、卵焼き用のフライパンは、四角いやつだな! ガス台の下を探る。あった。これこれ。次は卵。卵一個を冷蔵庫から取り出しお椀の中に割り入れそれを箸でほぐす。


 ……あっ、味付け。忘れるとこだった。醤油かな?


 適当に醤油を投入し、又混ぜる。よしっ。フライパンを火に掛けて、油を敷いて、う~ん。もう良いかな~と思っていると。


 ピピッと音が鳴った。


「わぁぁ、何やこの音。何? 何?」


「あーーー。鍋が高温に成ったよって合図」


「へぇ。便利やね」


「うん」


 じゃあもう卵入れても良いんだな。



 ジュゥワーーッ


 おっ、いい音じゃん!


 えっと、フライパンを動かして、四隅にも流して。固まったら、くるくるっと巻いて、巻いて、まい……あれ? う~~ん巻けないぞ?


 卵の下にフライ返しを突っ込んで、フライパンを動かしながら、よっ、こらっ……でいっ!!


 よし! なんとか巻けた。


「よっしゃぁーーーーっ! 出来たぞぉーーーーっ!」


「出来た? 卵は二個使った?」


「…………えっ? 二個?」


「卵は大抵二個~三個使うけど?」


 そうだったのか、最初に言って欲しかったな。


「じゃあ、卵もう一個入れよ~う」


「えっ?? 今から?」


「うん」


 えっと、卵をお椀に割り入れて箸で溶いてと、又始めからだ。


「味付けは……しょうゆ……」


「うちは薄口しょうゆ入れるけど」


 えっ? 薄口しょうゆ? 濃い色の方入れたけど……。今度は薄口しょうゆ入れてみるか。


 フライパンを火にかけ油を敷いて、ピピッと言ったら卵を入れて、四隅にも行き渡らせて、ここでさっき焼いた卵を乗せる。そんで、巻き巻き巻きっっ!!


 さっきより良く出来たな。よっしゃあぁぁぁっ!! 今度こそ、完成!!!


 俺はどや顔で、卵焼きとご飯を持ってリビングに向かう。


 俺様に出来ない事は無いのだ! ハッハッハッ


「おぉっ。出来たね」


 俺の卵焼きをまじまじと見ながら


「焦げてるじゃん。それに、巻いたあとがバームクーヘンと言うか、年輪みたい」


 うっ、煩い。初めてにしては上手いじゃないか!!


 どれどれ、お味は? パクリと大きく一口かじる。もぐもぐもぐ、うっ……


「まずいっ」


「……砂糖も入れた?」


 はあ?


「……砂糖……」


「普通、砂糖と薄口しょうゆ入れるし」


「塩は?」


「砂糖と塩入れる人もいるけど、砂糖と濃い口しょうゆ入れる人もいるけど……」


 なんで今頃それを言うのだ……


「訊かれんかったし」


 ぐぬうっ……


「卵焼きって難しいんだよ?」


 アイツがそう言いながら小首を傾げる。


 コイツに出来て俺様に出来ないだと?


 ……あり得ない……


 あぁぁぁぁぁっ、悔しいーーーーっ!



 今度こそはっ!!!





 まずかったので残りは弟にやった。


「まずっ!!」


 なんだとぉ!





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