ぐうとぱあ
「スーパーに行って来る」
姉1号が立ち上がった。
「クレープ食べたい。チョコのやつ」
すかさずアイツが声を上げる。
「俺、ロールケーキと炭酸」
「うちも~。何か甘いもの~」
いつもの注文方法。店に着いて直ぐにメールが届いた。
クレープ、ケーキ類、団子などが陳列した写真がある。直後着信が鳴った。
『クレープ98円。ロールケーキ128円。……』
と、値段を読み上げて行く。
「このクレープ、どれくらいの大きさ?」
丸いクレープの写真を見ながら姉2号が訪ねる。
『う~ん……パア?』
「えっ、パア?」
『うん』
「パアの大きさだって」
は?
「なんや、今度はぐうじゃ無くてパアや! 何やお前等!」
もうすでにアイツは笑い出している。
あーははははは
………うるせえ………
「パアの大きさって、掌かな? 指まで入れた大きさかな?」
「やっぱりぐうじゃ無い? パアは大き過ぎるでしょ。98円だし」
「いちご。パアじゃ無くて、ぐうじゃ無いの?」
『…………いや…パア』
「やっぱり、パアだって」
「何かさ。いちごがクレープを見ながら自分の掌をぐうぱあ、ぐうぱあってしてそうじゃね?」
「本当ー、やってそう」
「で、どうするの?」
姉2号に訊かれる。
「じゃあ、それで」
解ったと電話を切り、暫くして姉1号が帰って来た。買って来た物がテーブルに並べられた。それを皆で覗き込む。
「…………」
「ねえ? パアやろ?」
と、姉1号。
「………本当ーだ………」
本当にぐうじゃ無くてパアだった。ピンと開いたパアじゃ無くて、全体的に指を軽く曲げた感じの、ぱあ………
なんちゅう会話で盛り上がる家族だ………




