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グッピー

「川のせせらぎが煩い」


 アイツの言葉に、俺は「うん」と応える。


「あの川のせせらぎの音、小っちゃくして欲しい」


 暫くして又、アイツが言った。




 …っつうか、それは……


「川のせせらぎじゃねぇし!」


 ここは家の中だ。テレビの音でも無ければBGMでも無い。グッピーの棲みか。つまり水槽のフィルターから流れ落ちる水の音だ。


「だって、煩いんだもん。テレビの音聞き取れ無いんだもん。どうにかして!」


 アイツは頬っぺたを膨らませる。可愛く無いから!


 どうにかしてって言ったって、これは父の趣味だから……


 父親は休みになると水槽の水を替えたり掃除したり、フィルターを買いに行ったり、グッピー達の世話を甲斐甲斐しく妬いている。


 アイツは、完全にノータッチ。


 父は植物も育てている。アイツはそれもノータッチ。あのサボテンでさえも枯らしてしまう程の才能の持ち主なのだ。


 父が出張で居なかったりすると、必然的にエサやりや水やりをアイツがしなければならなくなる。


「どうか死にません様に」と、水槽の前で祈ってたりする。


 手元が狂って、エサを大量投下する。


「あぁ…このままじゃエサをやり過ぎたのがバレる。夜までに食べてくれないかな~」


 と、水槽を眺めている。


 グッピーは直ぐに腹ペコに成るから、大丈夫だろう。それに比べてメダカは少食だったからバレバレだっただろうけどな。


「大丈夫じゃね?」


「うん、そうだね。グッピーはいつも腹ペコだもんね」


 そう。グッピーはいつでも腹ペコ。水槽の前に行くと我先にと寄って来る。そこが可愛かったりするのだが、家のグッピーはデカイと思うのだが………


 気のせいかな……………?









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