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こぶし


「お前…拳の事はグウじゃ無くて、ちゃんと“こぶし”って言おうぜ」


 家では婆ちゃんと父親以外は相手の事は“お前”と言う。今のは俺が姉2号に言った言葉。アイツはキョトンとしていたが、姉2号はすぐに合点がいった様で。赤面し爆笑する。


「何でお前が知ってると?」


「コイツに聞いた」


 遅れてアイツも笑い出した。







 いつもの事ながら、アイツが笑いながら話した。






 俺達の住むアパートから、二百メートル坂道を上がった先にコンビニがある。


 誰かがコンビニに行くと言えば、「俺にも何か買ってきて!」「うちにも」「私も」と、それを待っていたかのように、声が飛び交う。買ってきて欲しい物の製品名を言うのでは無くて「甘いもの」や「チョコたっぷりの物」や「カスタード使ってあるもの」とか…。買いに行く人にとっては、大変困るリクエストの仕方をする。


 コンビニの商品は売り切れている事も多いので、リクエストは食べたい物ベスト4まで言わないといけない。だからこんなアバウトなリクエストをする。

 この日も、アイツはチョコホイップたっぷりの物が食べたく成ったらしく「焼きたてパンのチョコたっぷりのやつ!」と注文した。


 姉2号は「着いたら電話する」と言い残し、弟を連れてコンビニへ向かった。弟は誰が店に行くでもそれに付いて行く。おごって貰おうと言う腹だ。暫くするとアイツの着信が鳴った。



「あのね、チョコホイップが入ってるの無いよ?」


「何がある?」


「えっと、チョコが生地に練り込んであるやつと、チョコじゃ無いけど、コッペパンにクリームが挟んであるやつ。あと、チョコがかかってるやつ」


「チョコがかかってるのって、どんくらいの大きさ?」


「うんとね‥ぐうぐらい」


「は? ぐう?」


 アイツがイメージしたのは、ギュッと握った拳から親指をビシッと立てた図と、親指と人差し指で輪を作ったモノだったそうだ。それを伝えると


「違う 違う。手で作ったぐうよ!」


「ん~と、じゃんけんのぐう? 拳って事?」


「そうそう。それそれ!」


 そこで、爆笑した後で「じゃあ、それで!」と言ったらしい。




 この二人の会話は、いつも不明だ……。



 ちなみに、チョコパンは満足出来る代物では無かったらしい。










お詫び


一昨日は大変申し訳ありませんでした。

『ウルフ族の紋章』を誤ってこちらに掲載してしまいました。

『ウルフ族の紋章』をお読み頂いていない方には、お見苦しい物をお目にかけてしまいました。

今後この様な事が無いように注意していきます。






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