手伝う
最近アイツは、俺の本名では無く時太郎と呼ぶ事がある。時太郎を短縮して「とき」
本名を短縮しても、生き物だ…鳥では無いけれど…
「とぉ~きぃ~」
「とぉ~~きぃ~~!」
対面式キッチンの目の前で、パソコンを操作する俺を大声で呼ぶ。
「とぉ~~きぃ~~!!」
俺は、鳥じゃねぇ!
「うるせえな! そんな大声で呼ばんでも聞こえとるって!」
堪らず返事をすると
「だってぇ~、イヤホンしてるじゃん」
「右は外してるの!」
「だってぇ~、左しか見えないもん!!」
アイツは口を尖らす。
「……で、何?」
気を取り直し聞いてみる。
「手伝ってよぉ~、忙しい!」
聞かなければよかった。
アイツは俺が使いやすいのか、よく手伝わされる。
「この鳥の挽き肉、フライ返しで つんつくつんて して?」
又 訳分からん事を言い出した…
「……つんつくつん?」
「うん。こんなして、ツンツンて」
どうやらフライ返しで千切るように炒めるようだ。…判りにくい…
「こうしないと肉がくっつくから、出来るだけ小さく成る様に、宜しくね」
「おー」と言って、つんつくつんを繰り返す。
あ~、地味だ~。いつまで続ければ良いんだ~。…それにしても暑いな。汗がダラダラ流れて来る。そう言うとアイツは
「そうだよ~。真夏は地獄だよ。暑いし、湿度があるし、サウナ状態だよ~。そんな思いして料理作って貰ってるんだから、感謝しろよ!」
………偉そうに………




